How to バディダイビング(セルフダイビング)(第2回)

どれくらいのレベルなら潜れるの? バディダイビングをするための3つの条件

この記事は約4分で読めます。

越智

前回、バディダイビング(セルフダイビング)は何も特別なスタイルではなく、自分のスキルの範囲で潜ればよいとお伝えしました。

ただ、Cカード講習で得るはずのスキルと、実際に到達できるスキルに、本音と建前があるという前提に立つと、「私のスキルって大丈夫かしら?」と思うのも当然です。

まずは、初級のCカード講習でマスターすべきスキルをチェックしてみましょう。

★チェックしてみよう!(例:PADIの場合)

短期間でこれだけのスキルを身につけるのは、結構大変だと思います。
ましてや、プールの時間をしっかり取れなかったり、2日で全部、なんてなると、ちょっと到達は難しいのかなーと。

Cカード(認定証)の品質が担保されてない状況では、個人的には、しばらくショップやガイドについて潜って経験を積むのが現実的だと思いますが、では、どれくらいのレベルがバディダイビング(セルフダイビング)デビューに適しているのでしょうか?

今回は、バディダイビングをするための3つの条件をご紹介したいと思います。

1.
自己管理ができる

ひと言でいえば、“人の手を借りずに自分のことは自分でできる”ダイバーであること。

セッティングや解除ができることはもちろん、水中では、残圧、水深、時間を把握、管理できること(聞かれた答えればいいや、ではダメです)。
そして、中性浮力やフィンキックなど、特段、上手である必要はないですが、少なくとも水中での動作に問題がなく過度なストレスがないことが条件でしょう。

具体的な項目は、Cカード講習でマスターすべきスキルができていればOKですが、何度も言いますが、デモンストレーションができるほどのレベルでなくてもよいと思います。
慎重なことが重要です。

2.
無減圧潜水(減圧不要時間)を理解し、実践できる

ダイブプランとは、極端にいえば、減圧症にならないための計画です。
最低限、減圧症のメカニズムと予防を理解し、ダイブテーブルやダイブコンピュータを使えることが必須。

そして、当たり前ですが、無減圧潜水(減圧停止不要潜水時間)でダイビングをすること。
減圧停止が必要なダイビングは、また違った準備が必要になってきます。

3.
ナビゲーションができる

ダイビングしても戻ってこられないようでは、バディダイビングはできません。

とは言っても、自分のレベルや海に合わせた計画を立てればよく、最初は、「行って帰ってくるだけ」といった、ちょっとしたナビゲーションができるだけでもバディダイビングは可能です。

初めての海ならそれでも楽しいはず。

また、ナビゲーションというと、コンパスとニラメッコというイメージがありますが、もし水中で迷ったり自信がなかったら、安全停止をしながら水面に浮上し、水面を泳いで帰ってくればよいだけ。
迷うことは恥ずかしことではなく、無理して自信がないナビゲーションをすることのほうが事故につながり危険なことです。

また、特定のダイビングポイントで潜り慣れてくれば、コンパスを見なくても地形でコースがわかるようになってきます。
これもナチュラルナビゲーションと呼ばれる立派なナビゲーション。
ガイドがまったくコンパスを見ないのは、自分の庭のように地形が頭に入っているからなのです。

そういう意味でも潜り慣れた海ほどナビゲーションは容易になっていきます。
※ナビゲーションの方法はまたの機会に

まとめ

基本的に、Cカードを持っていれば誰でもバディダイビングができるというルールです。

ただ、本来は講習ですべて身につけているはずだが、実際には、なかなか3~4日間で身に付くものでもなく、今回紹介した3つの条件を意識しながら徐々にスキルアップしていけばよいでしょう。

大事なのは、スキルより意識。

3つの条件が完璧にできなくても(特にCカードで身につけるべきスキル30)、できていないことを意識できていれば大丈夫。
この記事をここまで読むような方の意識なら問題ないはずです。

Cカード取りたてのダイバーは、経験を積みつつ、無理のない範囲で楽しみましょう!

逆に、50本も100本も潜ったダイバーが、これらことができていないとちょっと問題かも……。

それだけ経験を積んでいるのに、バディダイビングを経験したことのないのはちょっともったいない。

この経験にぜひチャレンジしてみてください!

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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