公開日:
最終更新日:
この調査に対する監修者の見解
「新型コロナとその対策の影響が残る中行われた今回の調査結果は、持続可能な社会への関心の高まりを浮き彫りにするものとなりました。また、関心の高まりと行動変容のためには、政策の役割も決して小さくないことも、明らかとなりました。
新型コロナの流行は、我々の住む社会がいかに「持続不可能」なものであったかを認識させるものでした。同時に、一人一人の行動を変えることが、社会全体の動きを変えることにつながっていくことも、認識させてくれました。マスクや手洗いを一人一人が行うことで、社会としての新型コロナ対策へとつながっていくわけです。
こうした経験に加え、自宅で過ごす時間が増えたことは、自宅で生み出されるごみの多さや、包装紙やプラスチックの多さにも目を向けるきっかけを与えることにもつながったように思います。普段はあまり意識することのない日常的な環境問題への意識の高まりは、次の行動を変えることにもつながっていくと思います。現段階では増加傾向にある家庭ごみを今後減らしていったり、電力消費が気候変動につながらないようにするためにはどのように行動すればいいのか。今回の調査結果は、環境意識を「次の行動変容」の段階へと高めることの重要性にも気づかせてくれました。
今年7月にはレジ袋が有料化されました。また、昨年10月には食品ロスの削減を推進する法律も施行されました。こうした政策の動向が、生活全般での意識や行動変化に影響を及ぼしたとも考えられます。気候変動や環境汚染といった問題をはじめ、環境危機意識が高まっていることは、環境危機時計の針にも表れていると思います。この針がこれ以上進むことのないように、政策も進めて行く必要があります。
今回の調査では、日本は環境に対する取り組みが進んでいる国だという印象が強いことが示されましたが、一方、「2020年版SDGsインデックス&ダッシュボード」における日本の評価は17位にとどまっています。他の国と比べれば、まだまだ改善の余地があるということなので、現状に満足せずに進むことが重要です。
危機的だという意識の中に「社会、経済と環境、政策、施策」が入っていることは、環境問題解決と政治経済を一体化する必要性を示しています。つまり、これから本当の意味での「持続可能な社会」づくりが始まることを示唆しています。新型コロナ危機を糧に、新たな社会へ向けて進んでいく時期に差し掛かったように思います。」
<監修者プロフィール>
蟹江 憲史 (かにえ のりちか)
慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科教授
慶應義塾大学SFC研究所xSDG・ラボ代表
国連大学サステイナビリティ高等研究所(UNU-IAS)非常勤教授
北九州市立大学助教授、東京工業大学大学院社会理工学研究科准教授を経て現職。欧州委員会Marie Curie Incoming International Fellow及びパリ政治学院客員教授などを歴任。専門は国際関係論、地球システム・ガバナンス。国連におけるSDGs策定に、構想段階から参画。SDGs研究の第一人者であり、研究と実践の両立を図っている。日本政府SDGs推進本部円卓会議構成員、内閣府地方創生推進事務局自治体SDGs推進評価・調査検討会委員などを務める。
この調査に対するオーシャナ編集部のコメント
この調査を見たとき、日本人の意識・感覚として「環境問題の意識や行動が進んでいると思う国」の1位に「日本」が選ばれている現状にびっくり!同時に、国民一人一人が環境問題について認識し意識を変えることがとても時間のかかることということも感じた。
SNSなどを使用して、一人一人が声をあげることで身近にいる友達や家族の意識の変化に繋がる。
声を上げることは勇気がいりますが、この記事を読んだあなたもオーシャナと一緒に環境問題についてみんなに発信していきましょう!
オーシャナのInstagramでは、記事以外にも環境問題や海に関するニュースを日々アップしています!
気になる方は、ニュース・新聞感覚で是非フォロー&チェックしてください!
今日は慈善団体カラマグアが投稿した、プラスチックゴミに関する動画をシェア⚡️ スライドでは、動画音声の和訳文を紹介しています。 毎年、800万トンものプラスチックが川や海に投棄されていて、 2030年の海は、魚よりもプラスチックが多くなることが予想されています。 プラスチックは海洋生物、野生生物、環境を殺しつつ、 更に人間にまでも大きな健康問題を引き起こし始めているのです。 悲しいことに、この危機は2020年にパンデミックが始まって以来、さらに悪化し続けています。 使い捨てプラスチックの生産と使用は、今までに増して急激に増加しているのです。 今、人類の歴史、そして地球にとって極めて重要な時期であり、 数年後に手遅れになる前に、これを解決すべきです。 そして、その力を持っているのは、私たち人間です。 Repost from @karmagawa via @photoaroundapp ⚠️URGENT PROBLEM RIGHT NOW ⚠️ PLEASE SHARE! ❗️❗️8 million tons of plastic are dumped into our rivers and oceans every year & we humans consume, unknowingly, roughly the size of a credit card in microplastics EVERY week! By 2030, there will be more plastic than fish in our oceans, all while killing our marine life, wildlife and environment and all this plastic has begun causing major health problems for humans so we must make EVERYONE aware of how bad this crisis is right now! Sadly, this crisis has gotten even worse since the pandemic began in 2020 as the production and use of single-use plastics has increased exponentially this year, and with all the poor waste management systems and overwhelmed recycling facilities around the world, more single use plastic waste is ending up in our rivers and oceans than EVER before! This is a pivotal time in human history and for our planet and it’s we the people who hold the power to fix this before it’s too late in a few years by demanding an end to single-use plastics and refusing to buy anymore plastic TODAY! Please share this URGENT post with your followers and tag people, celebrities, influencers and news media who need to see it and tell them to share it too and let’s all wok together to end plastic pollution RIGHT NOW…remember there is no planet B! Video by @amirzakeri #endplasticpollution #plasticfree #plasticpollution #savethereef #stopsingleuseplastic #karmagawa#海洋プラスチック#standforoceans #oceans#animal#海洋ゴミ#beachclean#ビーチクリーン#プラスチックゴミ#環境問題#eco#サスティナブル#オーシャナ
ocean+α(@insta_oceana)がシェアした投稿
-
「プラスティック問題」関連記事:
》マイクロプラスチックから海を守ろう! ~海の生き物と微小ゴミの問題~
》「海洋プラスチック」の存在について、私たちが知っておきたい8つのこと
》旅行中のプラスチック使用量を削減するヒント