旅行中のプラスチック使用量を削減するヒント
近年、海洋生物や生態系への影響から、海へ流出するプラスチックゴミは世界規模の課題となっている。日本でもレジ袋の有料化など、日常生活から使い捨てプラスチックの使用量を削減する動きが進んでいるが、実際に自分がどれくらいプラスチックゴミを排出しているのか、意識したことはあるだろうか。
▶︎プラスチック・フットプリント(使用量)診断ツール by GREENPEACE
読者の皆さんの中には、普段から意識的にエコバッグやマイボトルの使用などを通して、プラスチック使用量の削減にチャレンジしている方も少なくないだろう。とはいえ、旅先や移動中などはなかなか難しいと感じることもあるのでは。
そこで、サンゴ礁保全活動「グリーン・フィン(Green Fins)」を推進しているリーフワールドファウンデーションの記事より、旅行中のプラスチック使用量を削減するためのヒントをご紹介しよう。
前もって計画を立て、準備することによって、旅先や移動中でもプラスチック使用量の削減はできること、そして、誰もがプラスチックの消費量をほんの少し削減しただけでも、環境に大きな影響を与える可能性があることを意識して取り組んでみよう。
※環境慈善団体「リーフワールドファウンデーション」の記事の一部を翻訳・掲載
旅行前から準備をしよう
プラスチック使用量の削減へのチャレンジは旅行に出る前からスタートする。旅行中は必要なアイテムをすぐに手に入れることが難しい場面もあるため、出発前に必要なものを購入しておこう。
旅行にも持っていこう!マイエコバッグ
再利用可能な買い物バッグ(=エコバッグ)を用意しよう。 これだけで使い捨てのビニール袋を使わなくて済むため、プラスチックの使用量を削減できる。また、折りたたみのものなどにすればスーツケースのスペースを取ることもない。
水筒持参でペットボトルを削減
水を浄化するライフストローも
使い捨てのプラスチック製ペットボトルはすべて、埋め立て処分されている。例えば、2週間の旅行中、毎日1本ペットボトルの飲み物を購入した場合、旅行中のプラスチック廃棄物の数は1人14個となる。旅行に行くたびに繰り返されると、どれだけの量になるか想像がつくだろうか。このプラスチックゴミの排出は、再利用できる水筒を常に使用することで避けられ、普段使いすることでさらに排出を抑えることができる。また、安全な飲料水を見つけることが難しい旅先の場合は、ライフストローなど浄水機能を備えたフィルター付きボトルにトライしてみては。
▶︎参考:【外部リンク】LifeStraw
マイコップの使用でさらなる削減を
洗って再利用出来るマイコップを持参することで使い捨てコップのゴミを減らそう。最近では折りたたみ可能なデザインなど、鞄やスーツケースの場所を取らずに持ち運べるタイプのものも手に入れることができる。
竹の歯ブラシなど
パーソナルケア用品にも一工夫
これは日常生活でも実施できるチャレンジの1つでもあるが、プラスチックから竹または木製の歯ブラシに切り替えてみてはいかがだろうか。この少しの変化でどれだけのプラスチックを削減することができるか想像してみよう。昨今ではプラスチックが使用されていないエコなデンタルフロスも登場している。
▶︎参考:【外部リンク】Yes, Glass Floss Containers Are a Thing
また、使い捨てカミソリを安全カミソリに切り替えることで、長期的なコストダウンもでき、女性の場合はタンポンや生理用ナプキンを月経カップに切り替えることにより、環境への悪影響をはるかに減少させることができる。
パッケージのゴミも減らせる
固形タイプのシャンプーバー
固形タイプのシャンプバーとコンディショニングバーの使用も、持ち運び用やホテルなどにある使い捨てのボトルを使用しなくて済むため、大量のプラスチック廃棄物を避けることができる。
▶︎参考:【外部リンク】エティーク・シャンプーバー
ストローやその他のプラスチック製品へは「ノー」の一言を
旅先では、まだまだプラスチック製のストローを提供しているバーやレストランに出くわすかもしれない。飲み物を注文する際には、「ストローはなしで」の一言を忘れずに。
クリーンアップに参加する
多くのダイビングショップ、ホテル、リゾートエリアでは、定期的にビーチや海中のクリーンアップを行っている。このようなクリーンアップは、参加しているエコ志向の旅行者と出会うチャンスにもなるので、ぜひ一度参加してみては。参加しなくても、ただ目に見えるゴミを拾って適切に処分するだけでも大きく違うはず。
グリーン・フィンメンバーの
ダイビングショップを選ぶ
グリーン・フィンメンバーで、グリーン・フィンの行動規範に沿っているダイビングショップは、環境への悪影響を軽減するための対策を積極的に行うことを約束しており、使い捨てプラスチックの使用量を最小限に抑えている、または完全に排除しているため、そのショップを選ぶことでプラスチック使用量の削減に繋ぐことができる。
できることからやってみよう!
旅行中は、どうしても使い捨てのプラスチックを回避することが難しい場合もある。 しかし、できることからチャレンジすること、そしてその変化でどれだけのプラスチックの使用量が削減できるかを想像してみよう。それはあなたが思っている以上に効果的なはず。
翻訳:Naomi Tashiro
元記事:How to Reduce Your Plastic Footprint While Travelling by Green Fins
Green Fins 連載(連載トップページへ)
- 日焼け止めとサンゴへの悪影響について、できること・知っておきたいこと
- 旅行中のプラスチック使用量を削減するヒント
- 海中クリーンアップを成功させるためのポイント
- 「海洋プラスチック」の存在について、私たちが知っておきたい8つのこと
- 写真家の声を集約!Reef-Worldが発表した水中撮影の新ガイドラインをチェック
- 魚にエサを与えてはいけない5つの理由
- はじめてのスキューバダイビングで学んだ5つのこと
- 市民科学が海を守るためにできること
- サステナビリティ・インタビュー vol.1「Bali Scuba」
- サステナビリティ・インタビュー vol.2「Bubbles Dive Centre」
- ゲストがサンゴ礁にダメージを与えないように促す9つのポイント【ダイビング事業者必見】
- ビーチクリーンや水中清掃が世の中に与える7つの良いコト