深すぎる群れ、届かない産卵──ミカヅキツバメウオ初日の攻防
ついに現れた、数百匹規模のミカヅキツバメウオの群れ。
しかし、その姿は遥か深場、水深70〜80m付近。産卵前集群と思われる巨大なトルネードを確認しながらも、ダイバーが近づける距離ではない。さらに周囲にはサメが待ち構え、魚たちは警戒して浮上してこない。
「見えているのに撮れない」
初日から突きつけられた自然の壁。決定的瞬間を追う挑戦は、想像以上に難航していた。
- “誰も見たことがない”産卵を追え──パラオで始まったミカヅキツバメウオ極秘リサーチ
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初日

ダイビング前に行われる綿密なブリーフィング。参加者は真剣に耳を傾ける
1本目
エントリー。今回のメインイベント、いよいよミカヅキツバメウオの産卵行動を狙ったダイビングが始まる。ゲストを入れてのアプローチは今回が初めて。果たして皆さんにしっかり見てもらえるのか。秋野さんたちも内心では、成功を願っていたはずだ。
秋野さんたちのこれまでの実績から最適だと思われる時間帯にエントリー。潮の流れも緩く、中層を難なく進むことができる。想定通りのコースでしばらく進むと、ドロップオフの少し沖合に白っぽく、ゆっくりとトルネードのように巻きながら群れが動いているのが見える。ミカヅキツバメウオの数百匹の産卵前集群だ。しかし深い。水深30mの中層から見下ろしているので、彼らが実際に群れている水深は正確にはわからないが、おそらく70〜80mぐらいだろうか。

ミカヅキツバメウオの産卵前集団。水深70mほどだろうか。深くてアプローチできなかった
目下に彼らの動きが見えてはいるものの、深くてアプローチできないというもどかしさを我慢しながら、遠目ながらの証拠写真をさっと撮り終えて、その後は少しの変化も見逃さないように、ひたすら目で群れを追いながら、産卵の際に上昇してくるというタイミングを期待しながら待つ。時折、群れから離脱するような形で少数の群れが小さく産卵してはいるものの、ダイバーがいるせいか、アプローチできそうな水深までは上がってこない。群れはまだ、遠くて深くて目で追うのが精一杯だ。
ナイトロックスを使っているとはいえ、程なく減圧不要限界が迫ってきたため、後ろ髪を引かれる思いで浮上を開始。決定的な繁殖生態の瞬間を押さえることは出来ず、全く歯が立たないままにエキジット時間を迎える。
2本目
エントリー。インターバルの後にもう一度チャレンジしてみたが、潮も状況も先ほどと大きな変化はなく、ほぼ同じ内容であった。
今日分かったこと
ミカヅキツバメウオの産卵前集群は、ダイバーを警戒していた。そして、周囲には産卵の瞬間に警戒が手薄になる間を狙うサメの集団が待ち受けており、同時に大勢のダイバーが浅場で陣取ることで、集団は警戒してなかなか上に上がってこない状況になっていた。
この日は、取材班にとっては最初のロケハン機会ととらえ、明日以降に決定的瞬間を必ず抑えるべく、最適なアプローチのための作戦会議を行うことにした。
とりあえず、ゲストに群れを見せることができたのは大きかった。実は約1ヶ月前の潜水では、この産卵集団を確認できていなくて、今日も入ってすぐに集団が見つけられなかった時間帯は「もしかして今回もいないじゃないか」と内心ハラハラ・ドキドキしていたそうだ。そういう意味ではとりあえず見せられて、「ホッとした」とエキジット後の秋野さん。そして翌日は、群れに警戒されないよう、アプローチ方法を見直すことになった。
2日目、3日目と潜り続けるも、決定的な瞬間は訪れない。状況はさらに厳しさを増していく——
第3回:2日目・3日目のレポートは7/24公開!

DayDreamパラオのスタッフたち

龍馬Iの外観(DayDream Palau提供)

龍馬Iのキャビンの一例。バス・トイレ付のデラックスルーム
日本人スタッフ常駐で安心して楽しめるパラオ屈指のダイビングショップ。自社で積極的にダイビングポイント開拓も行うパラオダイビングのパイオニア。もちろん、透明度抜群のブルーコーナーやジャーマンチャネルなど、世界中のダイバーが憧れる定番ポイントにもご案内。「龍馬クルーズ」では、快適なクルーズ船で移動しながらパラオの海を満喫することができる。食事や宿泊も船内完備で、仲間と語らいながら贅沢なダイビングライフを楽しめる。初めてのパラオの方にもリピーターにも、安心・快適・充実の海旅を提供してくれる。
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