ニタリ? ウバザメ? 大瀬崎に出現したサメの正体とは!?
2016年5月8日(日)、伊豆半島、西の横綱「大瀬崎」で、体長4mはあろうかという巨大なサメが出現した様子を以下の記事でお伝えしました。
遭遇したはまゆうマリンサービスさんのfacebookページやOcean+αのfacebookページでは、ウバザメが有力視されていました。
ほかにもアオザメやオオメジロザメ、はたまたホオジロザメというような声も聞こえてきたので、改めて生命の星・地球博物館の瀬能宏先生にお話をうかがってみました!
まずは写真をお見せするとアッサリ。
「出現場所と、背鰭・腹鰭の大きさや形、各鰭の位置関係から判断して、オナガザメ科のニタリですね」
えっ!?!?
予想外のお答えでした。
ニタリといえば長い尾鰭が特徴。
確かに今回のサメの写真は尾鰭部分が欠けてしまっており、そこに長い尾鰭を想像すると、段々とニタリに見えて来るような気もします。
正直、ウバザメ説を裏打ちするお話をうかがおうと思っていたところに予想外のニタリ説。
瀬能先生にもう少し詳しくうかがってみました。
あ、あの…なんだか皆さん「ウバザメ」じゃないかって言ってるのですが、ど、どうなんでしょうか……?
「ウバザメぇー!?うーん……」
どうやら瀬能先生にとってはウバザメという答えの方が予想外だったようです。
念のために資料やWeb上にあるウバザメの画像などを確認しながら、「いろんな点で、ニタリと考えると納得が行く点が多く、逆にウバザメと考えると矛盾する点が出てくる」ということでした。
お話をうかがった限りでは、ありとあらゆる部分でなんとも言えない「ニタリ」感が出ているようなのですが、瀬能先生が特に注目したのは以下の点です。
1.顔の形
ウバザメの頭の形に見えないこともないが、ウバザメは口を開けて泳いでいることが多く、今回の写真は口を開けている様には見えない点。
2.第2背鰭
写真最左部が、ウバザメだと考えると第2背鰭ということになるが、他の鰭の大きさとのバランスから考えると大きすぎる点。
逆にニタリだと考えると尾鰭ということになるが、他の鰭の大きさとのバランスを考えると丁度良い。
3.背鰭の形
ウバザメの背鰭後方はなだらかに降りるが、ニタリは直角に近い点。
もちろんこの写真1枚から断定することはできないものの、少なくともこの写真で判断できる要素からはニタリの可能性が高いのでは、との事でした。
ちなみにニタリだとすると、最大級の大きさということになります。
果たしてニタリなのか、ウバザメなのか。
みなさんはどちらだと思いますか?
いずれにしても貴重な出逢いであることには変わりありませんね!
(取材・文/細谷 拓)