沖縄離島のダイビング旅2016(第3回)

久米島のアイドル・モンツキカエルウオとダイバーの3つの遊び方

久米島(撮影:越智隆治)

取材3日目にして梅雨入り宣言の久米島・・・・雨は降り、港は赤土が流れ込み、沖に出れば風が吹き、波は高い。
2日目までは青空が広がっていたので、海も玖美の島といった青色でしたが、今はもう冬に逆戻りしたかのよう。
そろそろザトウクジラのブリーチングでも見られそうな勢いです。

さて、そんな梅雨真っ最中の久米島ですが、この時期の海の中は新しい生命に満ち溢れています。

産卵、抱卵、卵保護にハッチアウト。

ハッチアウトは急激な水温の上昇により予想日より一日早く終わってしまい見ることが叶いませんでしたが、あとの3つは取材期間中(5日間)にいろいろと見せてもらいました。

セダカギンポとクマノミの産卵や、キンチャクガニの抱卵、イシガキスズメダイやシリテン(仮称)、モンツキカエルウオの卵保護、他にも婚姻色を出してメスにアピールするスミレナガハナダイなどなど。

久米島(撮影:越智隆治)

産卵中のクマノミ

久米島(撮影:越智隆治)

キンチャクガニの抱卵

久米島(撮影:越智隆治)

イシガキスズメダイの卵保護。卵にチュってして守っている

正直、こんなに生態観察が楽しいと思ったのは初めて。
おせじではなく、川本さんの解説の面白さがそう思わせたのは間違いありません。

久米島(撮影:越智隆治)
久米島(撮影:越智隆治)

2年前オス、1年前メス、今年未亡人のセジロクマノミ

年間を通じて生態観察をしているガイドだからこそなせるワザです。

モンツキ柄が爪に!?
久米島モンツキカエルウオから、初ハムハムを受ける

生態観察も楽しいこの時期ですが、ビギナーでも楽しい、久米島の生物との遊び方をひとつ。
名付けて「モンツキハムハム」です!

ダンゴウオと並んで人気がある(と思っている)モンツキカエルウオ。
ダイビングポイントに選んだのは、鳥島沖というポイントで、川本さん言わく「モンツキ村」。

久米島(撮影:越智隆治)

鳥島沖は左下の鹿児島の海とガラサー山沖の間らへん

基本的にはドロップオフの地形なのですが、そこを完全に無視して浅場に行くと、あっちこっちにモンツキカエルウオが生息しているというポイント。

「大量に生息しているので、卵を守っているのも見られると思うし、指を突っ込めば噛みついて威嚇してくるのも体験できる。運がよければ、身体を黒くして求愛行動をしている個体にも出会えるかもしれない」と川本さん。

3つのパターンに出会うのをミッションに潜ることにしました。

ミッション1:卵保護

まずは、フタモチヘビガイがいたサンゴ内の穴を利用して、産み付けられた卵を守るオス。

久米島(撮影:越智隆治)

この穴は、表面が綺麗なので、卵を産み付けやすいらしく、卵もキラキラ。
至る所で卵を守っているオスを見つけることができるので、マクロは見つけるのが苦手という人でも見つける喜びを体感できます!
まさしくモンツキ村。

ミッション2:ハムハム!

ハムハムといっても、遊んでいるわけではなく、モンツキカエルウオからしたら、本気の戦い。
こっちが指を出すと、闘ってきます。※個体差あり

しかしこれにもコツ(?)があって、「指を入れてパクッてしてきたら、たまには人間が負けてあげないといけない」というのです。

あまりにも人の指が動じないと、卵を守り切れないと自信を失い逃げ出してしまうのだとか!
なんて弱可愛いの!!(笑)

しかも個体によってはたんだん闘わなくなるというので、写真を撮りたい場合は、なるべく早めに撮りましょう。

ということで、さっそく入れてみました。

私「さあ、こい!」
モ「・・・・・・」

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最初の子が無反応だったので、別の子でチャレンジ。

私「さあ、こい!うりゃ」
モ「・・・・ぱく」

久米島(撮影:越智隆治)

はん(はぁと)
噛んでくれた~!(嬉)
にしても、ネイルのセンスがまさかモンツキと同じだったとは・・・・、越智カメラマンにも「柄が移っちゃってるじゃん」と(泣)。

痛くないの?という声が聞こえてきそうですが、モンツキカエルウオに噛まれても痛くないです。
主食が藻類なので、歯が柔らかく、最初は私もビビッていましたが、本当に痛くない!

ただし、クロスジギンポは、主食が魚の皮膚とかなので、歯が強い。

久米島(撮影:越智隆治)

穴から顔を出しているので雰囲気はだいぶ似てますね

誤って同じようなことをすると、こうなります。

久米島(撮影:越智隆治)

「ゲストの前でクロスジギンポにわざと噛まれてみせて、水中でぎゅって絞ると血がぶわってにじんでくるんだけど、それを見た時のゲストのうわっていう表情見たさに、たまにやって見せるんだよね」

え・・・・川本さん、Mなのでしょうか?(笑)

でも、けっこう痛いから、本当はあんまやりたくないとボソリ。
リクエストするのは・・・・要相談で。

ミッション3:求愛行動を狙え

求愛活動中のオスは、身体を黒く変色させて巣穴からぴょんぴょん飛び跳ねるのですが、人が近づくと、跳ねるのをやめてしまいます。

したがって、「遠くから観察して、黒くなっている個体を見つけたら、サンゴの溝や畝に入って身体を隠し、さながらモンツキカエルウオのごとく顔だけを見せて観察するのがコツ。その時は“私はサンゴ”って思ってじっとしてね」と。

しかし、今回は、黒くなっている個体はいても、時間的にぴょんぴょん求愛までは待つことができなかったので、次回に持ち越し。

ちなみに、飛ぶと、こんな感じに。

久米島(撮影:越智隆治)

モンツキ村のモンツキちゃんたちは、梅雨時期の久米島のアイドルですね!
水深も5mの浅場なので、帰る日の前日とかにリクエストしてもいいかもしれませんよ。

【参加者募集中!】
エスティバンでは、Black Water Diveを今年も開催!
昨年は、夜8時頃から海に繰り出し、集光ライトを設置して2ダイブを楽しんだそう。
今年はどんな生物が現れるのか!?
「昨年はコンデジでも綺麗に撮影している方もいましたよ」とスタッフ。
興味のある方はお早めにダイブエスティバンまでお問い合わせください。

■日時
第一回:2016年7月28日(木)~31日(日)
第二回:2016年8月4日(木)~7日(日)

■Supported by ダイブエスティバン
_29A3久米島「エスティバン」(撮影:越智隆治)

久米島一の大型ボート(53フィート)で6人のスタッフが対応。シャワー・トイレ、お茶やコーヒーなども完備され、船上も快適。
焼肉屋では一人一皿ずつサラダを食べるのがエスティバンスタッフルール。スタッフのムキムキ筋肉の秘密は、もしかしたらここに隠されているのかも。ビギナーやシニアのケアから、データをもとにした生態など、フォト派やマニアックなリクエストで対応可能な懐の広さが魅力。

ダイブエスティバン
〒901-3108
沖縄県島尻郡久米島町比嘉160―69
TEL:098-985-7150
http://www7b.biglobe.ne.jp/~dive-estivant/

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writer
PROFILE
成蹊大学文学部国際文化学科卒業。
ナレーター、司会、ダイビング・モデルとして、TV、雑誌、モーターショー、トークショーなどで活躍。宝くじのキャンペーンガール「幸運の女神」では、46都道府県を旅する。

2013年からは、大物運・海況運をつかさどる「海の女神」へと転身し、舞台を海に変えてオーシャナの突撃体験レポートを担当。
潜水士資格も取得し、2014年は伊豆大島復興観光大使「ミス椿の女王」として、伊豆大島をはじめとした被災地復興支援活動にも尽力する。

「ダイビングがきっかけで、物の見方も感じ方も生き方も180度変わり、自分の周りまでもキラキラ輝き出したことを実感。 
いろんなことを体験しながら、たくさんの“きっかけ”を届けていきたいです」

【経歴】
・第25期 日本テレビイベントコンパニオン
・第11~12期 スバルスターズ
・第33期 宝くじ「幸運の女神」
・第23代 ミス椿の女王(2014.2~)
・第29代「ミス熱海・桜娘」(2016.1~)
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