イルカ好き女性3人 それぞれのドルフィンスイムの楽しみ方〜2017御蔵島〜(第1回)

イルカ先生に学ぼう! スキンダイビングの上達はドルフィンスイムが効果的

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こんにちは。
フリーダイバーの武藤由紀です。
先日、オーシャナ主催の御蔵島ツアーに同行いたしました。

ツアー当日の様子と、フリーダイバーであり、15年以上御蔵島に通っている私が考える、御蔵島のイルカについてお話ししたいと思います。

黒潮に恵まれたドルフィンスイム

今回は6月ということで梅雨空を心配していましたが、スッキリとした青空。
天候に恵まれたうえ、黒潮がドンピシャ。

東海汽船に乗船すると天気図や黒潮の様子が貼り出してあります。黒潮の蛇行がちょうど北上し、御蔵島エリアに上がって来た様子。

東海汽船に乗船すると天気図や黒潮の様子が貼り出してあります。黒潮の蛇行がちょうど北上し、御蔵島エリアに上がって来た様子。

往路の東海汽船も危なげなく着岸。
カメラ派のゲストのみなさんと一緒に御蔵島の旅を満喫しました!

初日はべた凪の黒潮ブルーの中、30〜40頭もの圧巻の群れに出会いました。
この日は島を一周できたので、のべ130頭以上、島中のイルカに会えたのでは? という状況。

ただ、この朝のイルカたちは人懐っこく遊んでくれるモードではなく、見向きもせずに群れをなして泳いで行きました。
ですが、そんな野生の姿を遠巻きに眺めるというのも素晴らしいものです。

2日目には、私が出会ったことのない、イルカのコミュニケーションを体験しました。

こちらがその動画。
ゲストのM山さん、ありがとうございました!

◎こっちこっち! と呼びにくるイルカ

あるイルカが、私のほうにゆっくりと近づいて来ました。
そして「こっちこっち」と首を振って、方向を示して泳ぎ始めたのです。
まるで言葉の通じない外国の子供がジェスチャーするような感じでした。

時折、「ちゃんとついて来てる〜?」と確認するように振り返っては、泳いでいきます。
イルカにしてはこちらに気を遣ってかなりゆっくり泳いでいるつもりなのでしょうけれど、これがかなり速くてついて行くのがやっと。

ある場所まで私を連れて行くと、急にスピードを上げて、モノフィンの私でも追いつかない速さで泳ぎ去ってしまいました。
「あれ? 何だったのかな?」と少しだけその場で待っていると、さっきのイルカが友達を連れて戻ってきてくれたのです!

◎魚を持ってくるイルカ

このどや顔!
お友達イルカが大きな赤い魚を捕まえ、そのことを自慢したくて、わざわざ私を呼びに来たものの、私たちの泳ぎが遅いので、「こいつは駄目だ」とじれったくなり、逆に友達イルカを連れて来てくれたのです!

イルカが自分がくわえている魚を泳ぎながら自慢しに来る、というのはよくあります。
しかし、「友達の獲った魚を自慢するためにわざわざ人間を呼びに来る。でも、じれったくて結局友達の方を連れて戻ってくる」。
こんな場面に出会ったのは初めてでした。

毎回いろいろな場面に遭遇出来ることも御蔵島の楽しみです。

御蔵島をリピートしてしまう理由

かれこれ15年以上は通っている私。
時には毎週のように通うこともあります。
「良く飽きないね!」と言われますが、飽きるどころか毎回ワクワクし、足を運ぶ度に魅せられています。

photo by Yuki Muto

photo by Yuki Muto

都内から週末だけで手軽に行ける島ということもあり、私のようなリピーターがとても多く、オンシーズンに行くと知り合いだらけということもよくあります。
なぜこんなにも多くの人がこの島に、イルカ達に魅せられてしまうのでしょう。

「一目で良いから、野生のイルカと会いたい」と訪れ、実際に水中で本物のイルカ達に出会った時は感動で泣いてしまう人もいるほど。
ところが実際に水中で何度もイルカに出会ってしまうと、「一目見る」だけでは満足しなくなります。

photo by Yuki Muto

photo by Yuki Muto

「ただ見るだけではなくてもっと長く一緒に泳ぎたい」
「イルカにもっと遊んで欲しい」
「もっと素潜りが上手になりたい!」
とどんどん思いが強くなってくるのです。

ドルフィンスイムがきっかけで「もっと素潜りの練習をしたくなった」とオーシャナのスキンダイビング講習にいらっしゃる方もたくさんいます。
実は、私自身もドルフィンスイムがフリーダイビングのトレーニングを始めたきっかけのひとつなんです。

素潜りのトレーニングとイルカ先生

私は今ではフリーダイビングのおかげで、比較的長くイルカと一緒に泳げるようになりました。
近頃ではこちらから追いかけるのではなく、イルカの方から後を追ってもらうという至福の体験をすることもあります。

ある時、私が新しいモノフィン(足が合体した一枚フィンで、フリーダイビングの競技用のフィン)を持って、御蔵島に行ったときのこと。
最初はなかなかイルカが遊びモードではなく、諦めた私は自分のフィンの履き心地を楽しみながらひとり泳いでいました。
そしてふと振り返ると、好奇心旺盛なイルカ達がいつのまにか沢山私について来ていたのです!

photo by Mami Shimizu

photo by Mami Shimizu

photo by Mami Shimizu

photo by Mami Shimizu

「どうしたらそんな風にイルカと泳げるんですか?」
「イルカの気を惹くテクニックを教えて下さい」
と質問いただくことがあります。
気を惹くテクニックというのは私も知りたいくらいです。
イルカは本当に気まぐれなので……。

でも確かにいえることは、
「素潜りが上達すると、イルカが相手にしてくれる率が高くなる」
「そして素潜りの上達には、イルカと泳ぐのが一番!」
ということ。

私はフリーダイビングという競技で深く潜ったり、長く息を止めたりなどのトレーニングをしているので、人間の中では比較的、イルカに近づく努力をしている方です。

photo by Mikhael Dominigo 深く潜るための、フリーダイビングのトレーニングの様子。ストイックにひたすら潜ります。

photo by Mikhael Dominigo 深く潜るための、フリーダイビングのトレーニングの様子。ストイックにひたすら潜ります。

にも関わらず、毎度御蔵島の海で野生のイルカたちと出会うたびに「彼らはなんて泳ぎが上手いんだろう」「格が違いすぎる、とても、叶わない……」ということに気づきます。
当たり前ですね、彼らは24時間海中で暮らし、一生を海で終えるのです。
「人間は所詮、陸上の動物だ」と思い知ります。

たとえ大きなモノフィンを着けて泳いでも、イルカと比べると自分の泳ぎなど赤ちゃんの“ハイハイ”に過ぎないのです。

こんな泳ぎがヘタな人間に対して、たまにイルカ達は「お前泳ぎヘタだな、こうやって泳げ」「こんな風に泳ぎなよ」とまるでコーチのように一緒に泳いでくれると感じることがあります。

photo by Mami Shimizu

photo by Mami Shimizu

photo by Mami Shimizu

photo by Mami Shimizu

こんな風にイルカと泳ぐことが、私にとっては何よりの素潜りのトレーニングになっています。
小学生の時、足が速い子と一緒にかけっこをしていると釣られて早く走れるということがありましたが、それと似ていてイルカと一緒に泳いでいると、いつのまにかその動きを真似て上手く泳げるようになる気がします。
「見取り稽古」の一種かもしれません。

photo by Yuki Muto

photo by Yuki Muto

また、初心者でほとんど潜れなかった方が御蔵島に行くと、格段に素潜りが上達していることもよくあります。
これまで潜れなかった人がいつの間にか潜り込みをしていたり、滑らかな泳ぎに変化していたりということも多いのです。
スキンダイビングインストラクターの私が数ヶ月かけてレッスンした生徒さんを、たった1日で上達させてしまうイルカたち……。
まさに「イルカ先生」には頭が上がりません。

◎初心者のまわりをくるくる回るイルカ

水面に留まる初心者の彼女をからかうように、はたまた歓迎するように。
たくさんのイルカ達が彼女の近くに寄って来て、いっせいに白いお腹を向けています。

水底でイルカ同士がお腹を向けて絡み合うことは良くあります。
でも水面の人間に向かって沢山のイルカがお腹をみせる様子は珍しいですね。
彼女はこれをきっかけに、すっかり素潜りに魅せられてしまいました。

御蔵島ツアーへGO!

というわけで、素潜りが上手になりたい方はドルフィンスイムがおすすめです!
これから秋にかけては、海も暖かく泳ぎやすいシーズン。
オーシャな御蔵島ツアーにぜひご参加下さい。

■今後の日程と空き状況

今年のオーシャナの御蔵ツアーの日程は……
◆7月21日夜出発 7月23日夜戻り
うみかめらまん むらいさちさん同行

◆8月18日夜出発 8月20日夜戻り
Well-being&Happinessライター 小笠原愛さん同行

詳細は以下のページからご確認ください。

そしてイルカ先生の実地練習の前に事前練習をしたい方。
オーシャナのプール講習会も開催します。(講師は私たちフリーダイバー、人間です!)
実践的な練習をしますので、ぜひご参加下さい。

7/24(月)は辰巳国際水泳場のダイビングプールで、ドルフィンスイム用の特設レッスンも行います。
私自身も、イルカともっと遊ぶためにイルカ先生とのトレーニングを続けます。
みなさんとご一緒する日を楽しみにしています!

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PROFILE
Apnea AcademyAsiaフリーダイビングインストラクター。 2015年フリーダイビング日本代表選手。CWT(フィンをつけて潜る競技)では水深-60mの公式記録を有する。オーシャナ主催のスキンダイビング講習会ではメイン・インストラクターをつとめる。また、自ら主催するフリーダイビング&スキンダイビングサークル「リトル・ブルー」や地元葉山での素潜りを通じ、素潜りや水の世界の素晴らしさを伝える活動をしている。
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