沖縄ダイビング・シュノーケリングで会える海の生き物10選! 初心者〜上級者必見ガイド

日本列島の南西海上に散らばる、大小様々な島で構成される沖縄。ほぼ全域が亜熱帯気候に属し、海の中には色とりどりのサンゴ礁が広がっています。ここで見られる海洋生物は多種多様すぎてとても数えきれませんが、その中から編集部が「沖縄らしい!」と感じた10選を本記事ではお届けします。

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沖縄の基本情報

691島からなる沖縄県

「沖縄」と聞いて多くの方が連想するのは沖縄本島でしょう。県庁所在地の那覇市があり、県民の約9割が暮らし、面積も県内で最大です(北海道・本州・四国・九州を除くと、日本全体では択捉(えいろふ)島、国後(くなしり)島に次いで第3位)。

でも、私たちダイバーの場合、「沖縄」からイメージする島はきっと人それぞれではないでしょうか。ある人にとっては慶良間諸島の座間味島や渡嘉敷島でしょうし、西表島や石垣島、久米島や宮古島が頭に浮かぶ人もいるでしょう。周囲12kmという小さな粟国島や日本最西端の与那国島もファンが多いですね。
なんたって、沖縄には691もの島々があるのですから!

豊かな大地と美しいサンゴ礁

沖縄の大地には豊かな自然があり、ユニークで貴重な生き物が多数生息しています。2021年には奄美大島・徳之島(鹿児島県)とともに、沖縄島北部・西表(いりおもて)島が世界自然遺産に登録されました。沖縄島北部とは、山原(やんばる)と呼ばれる広大な森が広がるエリアで、この地の固有種であるヤンバルクイナやヤンバルテナガコガネが生息しています。八重山諸島に属する西表島にはイリオモテヤマネコが暮らす原生林があります。

沖縄島北部に生息するヤンバルクイナ

沖縄島北部に生息するヤンバルクイナ

イリオモテヤマネコ発見の地の記念碑

西表島にあるイリオモテヤマネコ発見の地の記念碑

もちろん、沖縄の水辺や海も素晴らしい。例えば、環境省指定の「日本の重要湿地633」のうち、66カ所が沖縄にあります。沖縄各地で見られる大型河川や干潟、マングローブの群生地のほか、水納島周辺海岸、宮古島・八重干瀬(やびじ)、石垣島・川平湾など海辺も少なくありません。

そして海中には美しいサンゴ礁が広がっています。日本で確認されている約400種のイシサンゴの仲間のうち、沖縄の海にはそのほとんどが生息(380種以上)。ひとつのエリアでこれほど多くのイシサンゴが見られるのは世界的に珍しいそうです。その理由として、沖縄の島々を沿うように流れていく大暖流、栄養分豊かな黒潮が挙げられます。また、大きな河川がある島では、森から運ばれてくる栄養豊かな水もサンゴの成長、サンゴ礁の発達に役立っていることでしょう。

ダイビングで有名な主な島

スキューバダイビングが盛んな沖縄には、ほとんどの島にダイビングポイントがあります。すべてはフォローできないので、ここでは有名な島々を紹介します。

沖縄県地図

➀沖縄本島
那覇空港を擁する沖縄の中心地。北谷(ちゃたん)本部(もとぶ)、恩納村、東海岸などにダイビングエリアがある
②座間味島
ケラマ諸島西部の主島。島の周辺は箱庭的な優しいポイントが多い
③渡嘉敷島
ケラマ諸島最大の島。阿波連やとかしくなど白砂ビーチが有名
④西表島
イソマグロやマンタなど大物系のほかマニアな生物系でも人気
⑤石垣島
八重山諸島の玄関。美しいサンゴから珍種、マンタまでオールマイティ
⑥久米島
地形ポイント「トンバラ」や真っ白な砂浜からなる「はての浜」で有名
⑦宮古島
隆起サンゴ礁からなる海洋島で、アーチや洞窟など地形ポイントが多数あり
⑧粟国島
周囲12mという小島ながら、ギンガメアジの大群やロウニンアジなど大物が魅力
⑨水納島
抜群の透明度を誇り、島の形状から「クロワッサンアイランド」の愛称あり
⑩与那国島
日本最西端の島。迫力満点の「遺跡ポイント」、冬場のハンマーヘッドシャークで有名

沖縄で会いたい海の生き物10選

①金銀に光り輝く小魚の大群

金色に輝くキンメモドキの群れ

金色に輝くキンメモドキの群れ

沖縄で金色の魚群を見たら、きっとそれはキンメモドキ。砂地の根や大きなイソバナ周辺でよく見られ、インド-太平洋に広く分布する、成長しても5cm程度の小さな魚です。密集隊形を崩さず、まるで一つの生き物のように動きまわる群れは壮観! 特に夏は大きな群れとなり見事です。

キンメモドキを単体で見ると、背中あたりは金というより赤茶色。目の周囲と、吻端から腹部にかけて黄色を帯び、それが光の加減で金色に見えるようです。
ただ春先、まだ個体も群れも小さい頃は全身あまり色味がありません(吻端(ふんたん)などは黄色のことが多い)。この時期は、同じような環境に生息するスカシテンジクダイとしばしば混同されます。

スカシテンジクダイは成魚でも3~4cmほどの小型種。その名の通り体が透明、腹部はメタリックに輝いており銀色にも見えます。
キンメモドキとの違いは、スカシテンジクダイにはボディに金や黄などの色がなく、尾ビレの付け根に小さな黒点があることです。

透き通るボディのスカシテンジクダイ

透き通るボディのスカシテンジクダイ

巨大イソバナに金銀の小魚が群れる

巨大イソバナに金銀の小魚が群れる

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PROFILE
東京水産大学(現東京海洋大学)在学中、「水産生物研究会」でスキンダイビングにはまり、卒論のサンプルであるヤドカリ採集のためスキューバダイビングも始める。『マリンダイビング』『マリンフォト』編集部に約9年所属した後フリーライターとなり、現在も細々と仕事継続中。最近はダイビングより弓に夢中。すみません。
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