沖縄離島のダイビング旅2018(第6回)

日本初の星空保護区・西表石垣国立公園で天の川を撮影。そして話題は海中の星砂へ!?

西表島(撮影:越智 隆治)

日本初! 星空保護区に“条件つき”認定

残念なことに、世界遺産登録は延期になってしまった奄美大島・沖縄本島北部・西表島だが、今年3月、西表石垣国立公園が米国アリゾナ州に本部がある国際ダークスカイ協会によって、日本で初めて、「星空保護区」に “条件付き”ながら認定された。

星空保護区って?
光害の影響のない、暗く美しい夜空を保護・保存するための優れた取り組みを称える制度「ダークスカイプレイス・プログラム」で認定された場所のこと。
認定には、屋外照明に関する厳格な基準や、地域で光害に関する教育啓発活動などが求められる。

取材は、カスミアジの群れ狙いで、ちょうど新月回りの日程だったために、天気さえ良ければ、星空撮影には絶好のタイミング。おまけに、梅雨前線は、かなり北にあったために、滞在中は毎晩のように雲のまったく無い、満点の星空が広がった。

滞在していたうなりざき西表店のダイビングリゾート、イルマーレから歩いていける範囲で、星空、特にこの時期、南の空に見える天の川を絡めて撮れる場所を探して撮影してみた。

一番暗そうで、空が開けている場所として、うなりざきのダイビングボートの停泊している、浦内湾の海岸に来た。ここは、南西方向に開けている。ロケ期間中は、天の川が真夜中に南の空に上がってきて、雲一つない空に光り輝いていた。
おまけに、沖に停泊しているうなりざきの船と、天の川を絡めて撮影ができるから、プロモーション撮影としても、申し分無い。

西表島(撮影:越智 隆治)

天の川を手にのせるようなポーズを取ってもらって撮影してみた。右下の明るい部分が、うなりざきのダイビングボート

他には、どこかあるかな〜と、探してみた。少し明るいかなと思ったが、イルマーレのレストランを絡めた天の川も撮影。リゾートの外灯が邪魔かなと思ったが、思ったより、天の川がくっきり撮影できた。

西表島(撮影:越智 隆治)

イルマーレのレストランを絡めて天の川撮影

普段、夜はお酒を飲んで、酔っ払っている。最初は新鮮だった星空撮影も、連日撮影していると、だんだん億劫になってきて、楽して撮影したくなってきた。やはり、夜はお酒飲む方が、自分には合ってるみたいだ。

ということで、滞在している部屋のベランダから撮影しみることに。しかも、PanasonicのLUMIX G9proで撮影し、撮影アプリを使っていたから、一度カメラをセットしてしまえば、ベッドで寝ながら撮影も可能だった。
だから、撮影中に流れ星が流れたけど、当然気づく事もなし。こんな撮影で、いいのか……と思ったけど、撮影アプリ使うとこういうことも可能ですよって、情報にもなるので。

ときには寝落ちして、90秒開けるところを、10分近く経過してから気づいて、中途半端に流れる線の星空撮影になっちゃったり……。リラックスし過ぎるのは、それはそれで問題だなと思った撮影だった。

西表島(撮影:越智 隆治)

イルマーレの最上階の部屋のベランダからだと、こんな感じで撮影が可能。真ん中に流れ星が写っているけど、ベッドに寝ながら撮影していたので、当然気がついていない。

さて、「星空保護区」に日本で始めて“条件つきながら”認定されたというニュースは、ネタとしてはとっても興味深く面白い話なんだけど、やはりオーシャナだから、ダイビングの話をしないといけないので、ここから、どう海の話に持っていこうか……

あ! そうだ!

西表島には、星砂の浜がある。星砂は、有孔虫という生物の骨格が打ち上げられたもの。つまり、死骸であって、実際には、砂ではないのだけど。

ここの海岸の死骸、もとい砂が星の形をしていることから、星砂の浜と呼ばれているのだ。しかし最近では、観光客が大量に死骸、もとい星砂を持って帰ってしまうために、なかなか星砂を見つけるのも難しいらしい。

ところで、オガンの光の宮殿ポイントのあるリーフには、半端じゃない量の星砂が堆積しているのを、オガンリピーターはご存知ですか?

西表島(撮影:越智 隆治)

かなり好きなポイント、光の宮殿。快晴の日には毎回潜りたくなり、ランチタイムに潜らせてもらうことも

西表島(撮影:越智 隆治)

白い砂地の両サイドにある、リーフを良く見ると・・・

西表島(撮影:越智 隆治)

ほら!夜の星の数にも負けないくらい星砂だらけ!

オガンの光の宮殿のあるサンゴのリーフには、星砂が沢山堆積している。

海中でこんなに堆積しているのは、他の海では見たことがなくて、以前から気になってはいた。だから今回のテーマに絡めるネタとして紹介するのもいいかなと。無理やりですか? そうですか……まあ、いいじゃないですか。

急に思いついたので、あまりいい感じで、星砂を絡めた生物撮影はできなかったのだけど、例えばこんな感じだ。

西表島(撮影:越智 隆治)

星砂の上を移動する、テンテンウミウシ

もう少し綺麗に撮影したかったのだけど、諸事情があり、納得行く撮影ができなかったから、また次の機会に、綺麗に撮影してみたいかな。まだまだ何種類か星砂絡みの写真があるのだけど、それは、ウエブマガジンでアップ予定です。お楽しみ(?)に。

“オガン”と言えば、大物豪快ダイブのイメージが強いけど、こんなロマンチックなマクロ撮影も可能なんです。興味のある方は、うなりざき西表店のガイドに聞いてくださいね。

■Supported by ダイビングチームうなりざき西表店

西表島(撮影:越智 隆治)

オープンして33年の老舗店で、西表でも一番人気のダイビングサービス。
62フィートの大型船3隻と42フィートの小型船1隻の計4隻で、様々なダイビングに対応してくれる。

西表島(撮影:越智 隆治)

イソマグロの群れなど大物狙いのオガンでのダイビングを最優先したスタイルが人気で、リピーターも多い。
宿泊施設は、全室オーシャンビュー40室、レストラン併設のイルマーレと、西表パイン牛のBBQコースが楽しめるヴィラがあり、多くのダイバーの受け入れが可能。
西表島のお土産には、西表島パインをぜひ!

沖縄県八重山郡竹富町字上原10-172
TEL.0980-85-6146
E-mail:info@unarizaki.com
URL:http://www.unarizaki.com/iriomote/

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writer
PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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