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沖縄離島のダイビング旅2018(第3回)

石垣島マクロ界のレジェンドvsマクロ撮影ブランクダイバー! お題は、肉眼では見えないカビ!?閲覧無制限

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現地からレポート

石垣島(撮影:稲生薫子)

「最近、多羅尾さんがハマっているものありますか?」
と、ネイチャー石垣のオーナー多羅尾さんに尋ねると、見ただけでは何が写っているのかわからないほどの綺麗な写真を、「カビみたいなやつかな?」という言葉を添えて紹介してくれました。

カビって(笑)

石垣島(撮影:稲生薫子)

殿堂入りしているゲストの長瀬さん撮影。いわゆる「生えもの系」と呼ばれる生き物で、多羅尾さん曰く、自分で移動することができないものは、生えものと呼ぶとのこと

これって、なんですか?
大きさはどのくらいですか?
どうやって撮影するんですか?
と、1年ぶりに会った多羅尾さんに、挨拶もそこそこに質問攻め。

情報をまとめると、見せていただいたものは生えものの一種で、マクロより細かいため「スーパーマクロ」と呼ばれ、簡単に言えばサイズは「カビくらい」で、撮影をするには、マクロレンズに、テレコン(外付けのズームレンズ)をつける必要があるといいます。

というわけで、今年の撮影のテーマは、ワイドでもなく、マクロでもなく、もはや“魚”でもない、カビサイズのスーパーマクロ(ミクロ)の世界に決定!

……大丈夫なのか!?

360日マクロ撮影ブランクダイバーにも撮らせる
多羅尾さんの技術

毎年恒例のテーマで、ネイチャー石垣では、マクロ撮影ビギナーの稲生が撮影を行います。

前回マクロカメラを持って撮影をしたのは360日前……つまり、昨年のネイチャーでの取材以来ということ。

<2017年の記事>

多羅尾さんに恐る恐る「1年間マクロ撮影していないので、完全にマクロブランクダイバーですけど、いきなり“カビサイズ”で大丈夫ですか?」
と尋ねると、「大丈夫!かかってこい!」とのこと。

無謀にも、「マクロ界のレジェンド多羅尾さんに、マクロブランクダイバーが挑む」という筋書きになってしまいました。

石垣島(撮影:稲生薫子)

石垣島(撮影:稲生薫子)

船上でレクチャーを受け、戦場へ

まずは、練習でと、昨年挑戦した「カンザシヤドカリ」や「カエルアンコウの幼魚」、「セジロクマノミの親と卵」などに挑戦。
初めは通常のマクロレンズのみで、そのあとテレコンをつけて撮影することに。

まず、マクロレンズで撮影。
あ、去年はこんな感じだったかな、と少し感覚を取り戻したところで、いよいよテレコンを装着、覗く……が、なにも見えない。

石垣島(撮影:稲生薫子)

このようなレンズをマクロポートの先につけることでさらに大きく撮影ができるようになる

なにが写っているのか、なにもわからないんですけど、どういうこと!?(笑)

マクロレンズよりも大きく写せるため、見える範囲がとても狭くなるため、ちょっとの動きでも振れ幅が大きく、どこにカメラを向けているのかわからなくなります。
高速道路でスピードが速くなるほど、ハンドルの振れ幅を小さくしないと車線からはみ出しそうになるとと同じような感覚です。

カビみたいな撮影をすると言ってしまったことを後悔……。いまから多羅尾さんに「無理です、やめましょう」と謝ろうと思っていると、「OK〜?」と笑顔で多羅尾さんが近づいて来ます。

必死に“NO!“と首を振りますが、もうちょっと頑張ってみてというジェスチャーと共に次の被写体を探しに去って行ってしまいました。

……もはや、やるしかないのか。

見よう見真似でシャッターを切り、なんとか3種類を写真に納めました。

石垣島(撮影:稲生薫子)

綿棒サイズのヤイトギンポの幼魚 —テレコンあり・ノートリミングー

3つ目に挑戦したセジロクマノミくらいになってくると、少し要領がつかめてきましたが、それでもプロからすれば100倍くらいの時間がかかっている感覚です。

ですが、卵を撮影してみると、テレコンの威力がとてもよくわかりました。
卵の中の目がちゃんと大きく見える!
一気に撮影が楽しくなってきました!

石垣島(撮影:稲生薫子)

セジロクマノミの親と卵 —テレコンなし・端を少しだけトリミングー

石垣島(撮影:稲生薫子)

セジロクマノミのハッチアウト寸前の卵 —テレコンあり・ノートリミングー

楽しかったのは束の間、魔のカビサイズに挑む

2本目以降は、いよいよスーパーマクロの世界に挑むことになりました。

こんな天気の良い日に、船から10m以内しか行動せず、ずっとがれ場に寝そべり、広い海の中でカビサイズの生えものを60分間撮影する……はたからみたらただの変態です。

石垣島(撮影:稲生薫子)

生えものを撮影するときの注意点としては、触ってしまうと引っ込んでしまうということ。
多羅尾さんも触らないように、指示棒を使ってこれだよと指示してくれるのですが……、「えー!これー!?」と思わず水中で叫んでしまいました。
もう、意味不明なくらい小さいのです。

例えるならば、たまに目の中に小さな細い埃が入ることがあるじゃないですか、あれくらいの大きさです。
あの埃みたいなのが、がれ場や岩やホヤなどから「ひょろろ〜ん」と出ているのを多羅尾さんはこれこれと指示を出してきます。

うぅ、辛い。

石垣島(撮影:稲生薫子)

初めてテレコンをつけて撮影を開始し、なにも見えませんと涙目になっていると……

石垣島(撮影:稲生薫子)

「ここを抑えて撮影するといいよ」とポジションまで指示してくれました

多羅尾さんの教えを忠実に守り、粘りまくって撮影した初日の作品がこちら。

石垣島(撮影:稲生薫子)

オウギウミヒドラ ーテレコンあり・ノートリミング・実物は緑の点は目に見えず、紫から先端までが3mmくらいー

石垣島(撮影:稲生薫子)

ウミヒドラの仲間 —テレコンあり・1/2程度トリミング・実際は放射線状の部分が2mmくらい−

石垣島(撮影:稲生薫子)

ケヤリムシの仲間。大きさは、5mm程度

どうやって作品にしているの?
編集の裏側を公開!

今回の撮影は、マクロレンズにテレコンをつけ、フォーカスはマニュアルで最短にしました(必要があればフォーカスも動かしてOK)。

これでもかってくらい大きく写る機材で撮影していますが、さらにトリミングをして、必要であれば色彩補正をして、作品に仕上げます。

・オリジナル作品からトリミングしたい場所を探す
・トリミングした画像を必要があれば色補正する

実際の画像はこちら。

石垣島(撮影:稲生薫子)

オリジナル ーテレコンありー

石垣島(撮影:稲生薫子)

トリミング後

このあと、色補正をすると……、なんということでしょう〜

石垣島(撮影:稲生薫子)

色補正後

でも、驚くのはまだ早いです。
実際、これは海の中だとどこなのか、というのが気になる方もいますよね。
実は……

石垣島(撮影:稲生薫子)

がれの裏側です

こんな感じの場所です!!(笑)
丸で囲んだところの大きさは、親指の長さくらいの大きさです。
実際にここを撮影した画像は、次回の記事でご紹介しますので、お楽しみに!
もう、自分で言うのもなんですが、本当にびっくりすると思います(笑)

できあがった作品については、トリミング後の色が好きだという方もいれば、色彩補正後(今回は少し青を足しました)が好きだという方もいると思います。

「トリミングの範囲や色彩については好みがあると思うので、正解はない」と多羅尾さん。
「トリミングも色彩補正も決して悪いことではないし、フイルム時代のダークマンの仕事が今は簡単にPCで個人ができるようになったということなので、個性を出して写真を楽しめばいいと思う」と越智カメラマン。

私も今回色々な色に補正したりして、どちらがいいかな〜と悩みました。
2〜3個色を作ったものもありますが、そういうアフターダイビング後の編集も撮影をする楽しみの一つですよね。

それにしても、ネイチャー石垣島ダイビングサービス、年々多羅尾さんのマクロ変態度が増していると思うのは、私だけでしょうか(笑)

ネイチャー石垣ダイビングサービスでの取材2日目は、多羅尾さんの「生えものリサーチ」に参加することになりました。

リサーチで撮影してみて、この生えものは紹介できるか、否かを判断します!
取材中に発見した生え物はどんな形をしていて、果たしてそれはこれから来るゲストのみなさまに紹介できるものなのか、多羅尾さんに判断してもらいます!
乞うご期待!

■Supported by ネイチャー石垣島ダイビングサービス

石垣島(撮影:稲生薫子)

浦底湾の最奥部の森に囲まれた緑深い場所にあるネイチャー石垣島ダイビングサービス。ガイドは、多羅尾拓也さんの他、水中写真大好きな畑大介さんと、いつも笑顔を絶やさない松野祥子さんの3名。

「緑豊かな場所から船を出したかったんです」という夢を実現させてサービスをオープンしたのが14年前で、今では、多羅尾さんの豊富な撮影知識やマニアックなマクロを見せるガイドの腕と経験に惚れ込んで、リピートしてくるゲストも多い。
今回も、1ダイブまるまる同じ被写体にかじりついて船の下から動かない人も多く、今回も船の下でほどんど動かないダイビングだった。(笑)
水中でカメラを確認して、全力で褒めてくれるので、マクロ撮影が苦手だけどやってみたいというビギナーにもオススメのダイビングサービス。

沖縄県石垣市桴海148-493
TEL/FAX 0980−88−2273
E-mail:nature@ishigaki-diving.com
URL:http://www.ishigaki-diving.com/

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