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沖縄離島のダイビング旅2018(第1回)

石垣島の海中にディメンター現る! コブシメの産卵地でまさかのイカ墨ダイビング!?閲覧無制限

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現地からレポート

石垣島(撮影:越智 隆治)

それは突然の出来事だった。

石垣島にダイビングで来たことのあるダイバーなら、きっと一度くらいは潜った経験があるだろうというポイント「竹富北」。
本来であれば、5月の梅雨前くらいの時期にはコブシメの産卵が見られる“超・平穏無事”ポイント。

そこがこの日はまるでなにか別の生き物の住処みたいになっていたのだ。

石垣島についた瞬間、気象庁から「沖縄・梅雨入り宣言」を勧告され、取材初日は大雨。
トップバッターでお世話になるMOSS DIVERSオーナーの森敬太さんは、「去年を彷彿とさせる絶好調な天気ですね!!!!!」と、昨年に引き続きなぜかテンションが高めだ(笑)

さて、話を戻すと、取材初日の「竹富北」は、エントリーした瞬間から、なんだか海の中が不穏な空気感。

いつものようにアンカーを降ろし、いつものようにエントリーする。
当然、いつものようにそこにはコブシメがいて、いつものように産卵行動や求愛行動が見られる“予定だった”。

しかし!

この日は「尋常じゃない数のイカが、産卵していた!」ではなくて、「尋常じゃない量の“イカ墨”が散乱していた!」のだった。

え?どういうこと? 何これ!?

「竹富北は幾度となく潜っているから、サンゴや根の上にコブシメがたくさんいるシーンを撮影すればいいんだな〜と思って潜ったんだけど……」と語ったのは同行の越智カメラマン。

予想を裏切り、イカのかわりにそこに鎮座していた大量のイカ墨。
竹富北を代表するコモンシコロサンゴの上をゆらめく大量のイカ墨は、まるで、ハリー・ポッターに登場する「ディメンター」のよう。

石垣島(撮影:越智 隆治)

次回このイカ墨に出くわしたら絶対に指示棒を振りかざして「エクスペクトーパトローナーム!」と叫んでやろうと思っている

イカの代わりにイカ墨しかいない……。
取材初日の記念すべきダイビングは何故か「イカ墨ダイビング」となった。

石垣島(撮影:越智 隆治)

マスク越しには、イカのかわりにガイドの森さんの目が泳いでいるのが見える。

「も、もう少しコブシメを探しましょう〜」と必死に書かれたスレートを掲げる森さんとは裏腹に、そのスレートの文字を消して、「亜人みたい」と、ちょっと楽しそうに書き直す越智カメラマン。

いつも自分は目が泳いじゃうと気にしている越智カメラマンだが、どうやら今日のところは森さんの目の泳ぎ具合の方が優っていたようだ。(嬉しくない? 笑)

石垣島(撮影:越智 隆治)

コブシメはいないのに、「亜人だ! 亜人だ〜!」と嬉しそうにイカ墨を撮影していた、越智カメラマン一番お気に入りのイカ墨ショット

その後奇跡は起きた!
この状況で、コブシメを発見したのだ。

しかし1杯のみで、しかも、この時期のコブシメにしては珍しくこちらがゆっくり近づくだけで、超特急で逃げ去っていく。
※この時期のコブシメは、文字通り“触れる距離”まで近づいても逃げることが少ない。

石垣島(撮影:越智 隆治)

この時期はこのくらいの距離まで寄っても逃げることは少ない

イカ墨があること自体がおかしいし、この時期の「竹富北」にいるコブシメがこんなに猛スピードで逃げていくこともおかしい。

おかしいといえばもうひとつ。
猛スピードで逃げるコブシメに、求愛している人間(オス)も、「竹富北」で1名発見した。

石垣島(撮影:越智 隆治)

苦し紛れに、コブシメに求愛する森さん。「アイコンタクトを何度もしてきて可哀想だから撮影した」とは、越智カメラマン

コブシメはなぜいなくなった?
イカが墨を吐く理由とタイミング

取材班は、この日どのダイビングサービスよりも先に「竹富北」に潜ったはず。
8:30前には、エントリーしていたので、間違いなくその前に入っているダイバーはいないだろうし、吐かれた墨の形状が綺麗に保たれていたことからも、吐かれてからそう長く時間は経っていないと推測できた。

森さんは、「石垣島でガイドを始めて10年目だが、あんなに大量のイカ墨が吐かれているのは初めて見た」と言っており、また、石垣島ダイビングガイド青年会(20〜30代のガイドで構成・森さんは青年会会長)20名以上にも聞いてもらったが、「誰も今日みたいな大量の墨は、ほとんど見たことがない」と言っていた。

ただ、過去(4年ほど前)にも「じゃがいも」でイカ墨が吐かれているのが確認されており、その後「じゃがいも」に戻ってくるコブシメの数は一時的に減ったらしい。
一度危険を察知すると戻ってこなくなることも多いという。

竹富南の「大崎ハナゴイリーフ」では、過去にあるガイドがコブシメを捕獲して、刺身にしてゲストに振る舞うという事件(あえて「事件」と書かせていただきます)があったそうだ。
その様子を自らSNSにアップし、その行為が明るみに出たそう。
最近、SNSに自慢のつもりで、法律違反行為をアップして捕まってしまう間抜けな人が話題になることがあるが、そんな感じだ。
その事件以降は、やはり「大崎ハナゴイリーフ」にはコブシメはあまり戻ってこなくなったという。

イカが墨を吐く理由として、イカの天敵であるカツオやマグロなどに対して、目くらましの意味合いがあり、イカに似せた形を作り出すのが特徴とされている。

※ちなみにタコが墨を吐く理由は、嗅覚を麻痺させるために吐くといい、イカとタコは同じ墨でも理由は異なり、また墨の粘り気なども違うそう。
イカ墨パスタがあって、タコ墨パスタがないのもこれらに起因するという一説がある。

つまり、イカにしろ、タコにしろ、墨を吐くということは、身の危険を察知したということになり、「今回も墨が吐かれたことで、その場に生息する仲間もその危険を察知して逃げた」とするのが妥当だというのが、この度の見解になった。

コブシメが察知した危険とは!?

では、どんな危険を察知してコブシメは逃げたのだろうか。

これに関しては、正直なところ正しい結論は出ないけれど、今回取材班と青年会の意見を踏まえて考えられた要因としては、

・サメなどの危険生物に襲われそうになった(あるいは食べられた仲間がいた)
・誰か(人間)が、私たちが潜るまでの間にコブシメを威嚇した(あるいは捕獲した)
・雷に怯えて逃げた(エキジット後には雷もなり出し、大雨になった)

この辺りのことが推測でき、あながち違ってはいないだろう。
ただ、この日の午後には私たちがディメンター(亜人!?)を撮影したコモンシコロサンゴの付近には、4杯のコブシメが戻ってきていたと報告も入っているので、どうやらコブシメがいなかったのは(正確には1杯だけ居たが)私たちが潜った時間だけだったのかもしれない。

「大量のイカ墨が見られてラッキー!モッテル!」と思ってしまうのが取材班のサガだが、森さんに言わせれば、「冷や汗が止まりませんでした」とのこと。

今回の“イカ墨の謎”は、誰もイカ墨の吐かれた瞬間を見ていないからきっと永久に解けることがないとは思うけれど、世界でも類を見ないこの恵まれたコブシメの産卵地が(世界中を取材している越智カメラマンも珍しいと念押ししていた)“イカ墨殺人事件現場”みたいになる光景は、もう訪れなくてもいいかなと思う、印象的なダイビングだった。

<おまけ>
イカ墨は、水中で触っても黒くならない!?

イカ墨ダイビングの時、イカ墨を触ってみたが、ふわっと裂けるだけで、手には墨がつかないし、黒くなることはなかった。
イカ墨パエリアなんて食べた日には、お歯黒はもちろんのこと、体内まで黒くなるというのに(笑)、水の中で触っても黒くならないというのは、今回のダイビングで一番の「へぇ〜」ポイントだった。

■Supported by 石垣島ダイビングセンター MOSS DIVERS モスダイバーズ

石垣島(撮影:越智 隆治)

独立してから4年目の新しいダイビングサービス。
Mはmemories、Oはocean、Sはsun、Sはstarで、「思い出作りを大切に、海で繋がる輪、太陽のように暖かく情熱的な心で、星の数だけの出逢いを」という意味を込めて、MOSS DIVERSと名付けられた。

石垣島(撮影:越智 隆治)

ランチは、奥様のエリさんの手作り。
一番得意なメニューはあんかけ麺(体も温まって好評♪)で、毎月のようにMOSS DIVERSに潜りにくるゲストは担々麺がお気に入りと話してくれた。
ちなみに昨年紹介した被り物は、この1年間の間に12個増えていて、「もう増やしません!」と言いつつも、今一番欲しい被り物は、吉本のすっちー(「全身コーデしたいです!」と言っていた)だと教えてくれた(笑)

石垣島(撮影:越智 隆治)

一人でも参加しやすい雰囲気で、人を楽しませることは天下一品のスタッフたち。
「ゲストからダイビングポイントのリクエストが基本的にない!」と言い、MOSSのスタッフと潜りたいから石垣にくる人が多いのがわかる。石垣島でダイビングを楽しみたければMOSS DIVERSへ!!

沖縄県石垣市石垣501-1 1階北
TEL/FAX 0980-87-5244/0980-87-5245
E-mail : info@mossdivers.com

URL : http://www.mossdivers.com

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