沖縄離島のダイビング旅2018(第2回)

石垣島、夏のマンタポイント全制覇! 初のパナリビッグコーナーで6匹のマンタに遭遇!

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石垣島(撮影:越智 隆治)

梅雨入りした沖縄地方。しかし、過去10年で2番目に降水量が少なく、沖縄本島の貯水池は、平年の50%を下回る貯水量というくらいの空梅雨。石垣島も同様で、予想以上に晴天の日が続いている。

そんな状況にも関わらず、MOSS DIVERSでの、ロケ最初の2日間は、まさに梅雨という天候で、竹富北、大崎エリア、トカキン、サンドロックなどを潜ったが、綺麗なワイド撮影ができるようなコンディションではなかった。

というわけで、撮影したのはマクロの写真ばかり。せめて、”インスタ映え”するようなマクロ撮影を……みたいな感じで、色々撮影してみたが、バックグランドの青も暗めだったので、ネタ探しには、苦労した。

石垣島のアマミスズメダイ(撮影:越智 隆治)

トカキンの根の上に沢山いるウミシダをバックに、アマミスズメダイを撮影

石垣島のキンギョハナダイ幼魚(撮影:越智 隆治)

サンドロックでは、根に群れるスカシテンジクダイを玉ボケさせて、キンギョハナダイの幼魚を撮影

石垣島のイシガキカエルウオ(撮影:越智 隆治)

婚姻色で顔が黒くなったイシガキカエルウオが大きな口を開けているところ。大崎ハナゴイリーフ

石垣島(撮影:越智 隆治)

水温が下がっても白化したままのイソギンチャク。黒島テラピー

石垣島(撮影:越智 隆治)

水深5mで見られるクダゴンベ。パナリ竜宮の根

石垣島(撮影:越智 隆治)

同じく、パナリ竜宮の根で、イソバナをバックにササスズメダイを撮影

石垣島(撮影:越智 隆治)

笑いボヤのバックになっている、赤い岩肌が映える。サンドロック

今回取材するもう1つのダイビングサービスが、スーパーマクロネタのネイチャー石垣島ダイビングサービスなので、できれば、ワイドの取材をと、本来取材を予定していなかった日に再度ダイビング取材をさせてもらうことに。

石垣島(撮影:越智 隆治)

取材再チャレンジのこの日は、快晴! 意気揚々と海へと飛び出したのだが・・・

その日の風向きからして、多くの船が大崎エリアや、マンタスクランブル、MCPなど、石垣の北に向かう中、少しでも透明度の高い癒し系の砂地ポイントがいいと、無理なリクエストをして向かったのは、南の黒島方面。が、しかし、何故か黒島手前から西表にかけての空は、雲に覆われてしまっていた。

「こ、これは、選択を誤ってしまったか……せっかくの快晴なのに…俺のせいか?」と内心不安になっていた所に追い打ちをかけるように、大崎エリアに向かった他のダイビングサービスのガイドから、「大崎晴れてます!」のメッセージとともに、森さんのiphoneに、青空の写真がこれ見よがしに送られて来た。

「くっそ〜! で、でも、今更、あっちには、行けないし…………」

「マ、マンタはどうなの?」と恐る恐る尋ねると、「遠目に1匹移動してるの見ただけみたいです」とのコメントに、正直、内心ほっとしてしまった。

こちらに向かったのは、もう一つ理由があった。石垣の新しいマンタポイントであるパナリビッグコーナーに潜れる可能性もあったからだ。石垣に来て、マンタスクランブル、MCP、ヨナラ水道と、夏のマンタポイントは、すでに何度も潜ったことがあったが、パナリビッグコーナーは潜ったことがなかった。

その日の風と波だと、多分うねりが入って潜れない可能性が高いとは言われていたけど、「もしかしたら!」という一縷の望みにかけていたのだ。

黒島テラピーの砂地で潜った後、後に引けなくなった僕たちは、さらに雲が広がるパナリ竜宮の根へと移動した。外洋に近いこともあり、透明度は良い。海の青さは夏のベストシーズンを彷彿とさせていた。あとは、雲が無くなってくれれば・・・・。その願いが通じたのか、徐々に雲が掃けて、青空が広がり、最後には、太陽光が砂地に降り注ぎ始めた。

石垣島(撮影:越智 隆治)

イソバナが生い茂るパナリ竜宮の根

石垣島(撮影:越智 隆治)

「やった!!!」竜宮の根でマクロ撮影していた取材チームは、両手を揚げて、砂地へと移動して、撮影を行った。砂地には、降り注ぐ太陽の光で作られた、ダイバーの影がくっきりと写し出された。

石垣島(撮影:越智 隆治)

両手を挙げて、砂地へと移動した取材班。太陽光が降り注ぎ、癒しの空間が広がった

「あ〜、これだよ、これ!この癒しの空間が、石垣島の海のイメージなんだよ〜。あ〜!し・あ・わ・せ」と海中を見上げて、太陽の光を見ながら、思わず微笑んでしまった。

石垣島(撮影:越智 隆治)

砂には、くっきりと、ダイバーの影が映し出された

石垣島(撮影:越智 隆治)

全快!とは言わないまでも、晴れた黒島をバックに、明るさも復活したMOSS DIVERSの二人

とりあえず、目的の一つは達成できて、胸をなでおろした。しかし、できればマンタのポイントにも潜りたい。「やっぱり潜れないかな〜?」と森さんに尋ねたら、「うねりが入っていて難しいとは思います、でも様子を見てみましょうか?」と島の反対側にあるパナリビッグコーナーを見ると、「あれ、船がある? もしかしたら、潜れるかもしれませんね。行ってみますか?」とのこと。

「そりゃあ、行くしかないでしょ!」

雲が掃けて、太陽が出たのも、予想以上にうねりが弱くて、マンタのポイントに潜れることになったのも、ラッキーと言えばラッキー。もう潜れるだけでも、ありがたいけど、できれば、1匹くらいはマンタを見たい。

パナリビッグコーナーは、2年前の秋からマンタが見れると話題になり始めた、本当に新しいマンタポイント。見られる環境は、マンタスクランブルや、MCP、西表島の鹿川同様、連なる丘陵上のサンゴの根の上にあるクリーニングステーションにマンタが集まってくる。水深も浅く、根のトップは5m程度。うねりが入るとなかなか入れないのもうなづける。

石垣島(撮影:越智 隆治)

エントリーのタイミング良く、まったく船がいない状況。まあ、今日の天候と風向きからすると、多くの船がマンタスクランブルやMCPに集まっているだろうから、それもラッキーだった。

エントリーするとすぐに、マンタ発見! それも、1匹、2匹、3匹……4匹! 入れただけでもラッキーなのに、4匹も! と思っていたら、さらに2匹が加わり、一番多いときで、一度に、6匹のマンタが姿を見せた。

石垣島(撮影:越智 隆治)
石垣島(撮影:越智 隆治)

4匹が写っているが、実際には6匹が一度に姿を見せてくれた

本来は、冬のマンタポイントと言われていたが、まだまだ情報が少ない新ポイント。もしかしたら、夏の間も見られる可能性があるのかもしれない。

石垣島(撮影:越智 隆治)

他の船が来ていなくて、独占状態でマンタを堪能

石垣島(撮影:越智 隆治)

そうなると、北のマンタスクランブル、MCP、南のヨナラ水道、パナリビッグコーナーと、なんと4箇所も夏のマンタポイントが確立されることになる。

この夏、石垣島でマンタを見たいダイバーの皆さん、ぜひ、この4つのマンタポイントを完全制覇してみてください。

とにかく、今回の取材は、終わりよければ、全てよし! 大逆転で終了した。ちなみに、この後、青空の写真を送ってきたガイドに、マンタの写真を送ったことは言うまでもない。

■Supported by 石垣島ダイビングセンター MOSS DIVERS モスダイバーズ

石垣島(撮影:越智 隆治)

独立してから4年目の新しいダイビングサービス。
Mはmemories、Oはocean、Sはsun、Sはstarで、「思い出作りを大切に、海で繋がる輪、太陽のように暖かく情熱的な心で、星の数だけの出逢いを」という意味を込めて、MOSS DIVERSと名付けられた。

石垣島(撮影:越智 隆治)

ランチは、奥様のエリさんの手作り。

一番得意なメニューはあんかけ麺(体も温まって好評♪)で、毎月のようにMOSS DIVERSに潜りにくるゲストは担々麺がお気に入りと話してくれた。

ちなみに昨年紹介した被り物は、この1年間の間に12個増えていて、「もう増やしません!」と言いつつも、今一番欲しい被り物は、吉本のすっちー(「全身コーデしたいです!」と言っていた)だと教えてくれた(笑)

石垣島(撮影:越智 隆治)

一人でも参加しやすい雰囲気で、人を楽しませることは天下一品のスタッフたち。

「ゲストからダイビングポイントのリクエストが基本的にない!」と言い、MOSSのスタッフと潜りたいから石垣にくる人が多いのがわかる。石垣島でダイビングを楽しみたければMOSS DIVERSへ!!

沖縄県石垣市石垣501-1 1階北

TEL/FAX 0980-87-5244/0980-87-5245

E-mail : info@mossdivers.com


URL : http://www.mossdivers.com

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writer
PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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