「結婚相手はダイバーがいい」が7割以上~今週の編集長・多事総論~

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セブ島のサンゴと魚の群れ(撮影:越智隆治)

ダイビングは最高の出会いの場!?

2014年からスタートしたマンスリーイベント&セミナー。
1月の統計から見るセミナーとはガラッと趣を変えて、2月は“ダイバー出会いパーティー”を企画、募集しました。

この企画をぜひやりたいと思ったのは、以前行ったアンケートの結果が頭にこびりついていたからです。

Q.結婚相手はダイバーがいいですか? 366人

■絶対にダイバー    34人(9%)
■できればダイバー  246人(67%)
■どちらでも      72人(20%)
■できればノンダイバー 10人(3%)
■絶対にダイバーは嫌  4人(1%)

結婚相手にダイバーが良いと考えているダイバーは実に76%!
当時、個人的には「できればダイバーじゃない方がいいな~」と思っていたこともあって驚きました。

“どちらでも”という方はダイバーでも良いというわけなので、そう考えると96%。
ダイビングはまさに出会いの場として最高、と思うわけです。

実際、イベントやツアーを開催すると、知らぬ間にカップルが誕生し、婚姻届けの保証人になったことも1回や2回ではありません。
そういえば、オーシャナスタッフの既婚者たちも、海やダイビングを通じて知り合っています。

こんな素敵なエピソードだって。
残圧20の水中プロポーズ | オーシャナ

同じ趣味を持ち、仲睦まじく潜っている彼らを見ていると、嬉しい気持ちになってきます(心のコンディションによっては、チッって舌打ちすることもありますが・笑)。

海だと“出会わない”謎

しかし、実は海での出会いで、交際まで発展するケースは、需要ほどは多くないような気がします。

なぜでしょうか?
ヒントとなる、これまた驚きだったアンケート結果があります。

先ほどの結婚相手は…のアンケートが僕の頭にはこびりついていたので、「ダイビングって出会いだよね」と思っていました。

しかし、「あなたにとってダイビングの楽しみ(魅力)はなんですか?」というアンケートをしたところ、出会いはたったの3%。

ええっ! と驚き、自分なりに分析したところ、そうか、「海では、出会いが1番の目的ではない」ということに気が付きました。

複数選択できるアンケートなら、ダイビングの楽しみの中に出会いも入ってくるかもしれませんが、やはり目的は海。
女性ダイバーの中には、「自分は海を楽しみたいだけなのに、異性を求めてガツガツする人は嫌」という人も少なからずいます。

では、どうしたらよいのか?
海ではないところで、“出会いを一番の目的に”しちゃえばいいのではなかろうかと。

それなら、オフ会や飲み会でいいのでは?

確かに、飲み会でカップルになる人もいますが、“自然の流れで”、“結果として”とオフ会に参加しても、自然の流れで海の話で盛り上がり、結果としてボッチで帰るダイバーさんが後を絶ちません(笑)。

出会いを求めていても、なかなかその気持ちを表明はしづらくて、つい“自分は出会いなんて求めてない”とすかしてしまったり、積極的になれなかったりしてしまいます。

では、どうしたらよいのか?
“目的を明確に出会い”にしちゃえばいいのではなかろうかと。

ということで、出会いという目的を明確に、そして一番の目的にしたイベントを開催しようと、ダイバー出会いパーティーと相成ったわけです。

あっちへ行くと女性ダイバーから「素敵な男性ダイバーいないのかしら?」と言われ、こっちへ来れば男性ダイバーから「素敵な女性ダイバーどこにいるの?」と言われ、心の中で「この人たちが出会えばいいのに」と思うことも多いのですが、こうした単なるミスマッチみたない人にもこのパーティーは最適です。

やはり需要もあるようで、告知したところ、あっという間に定員になりました。

こうしたパーティーの一番のハードルは、申し込むこと。
つまり、申し込むということは、気恥ずかしさから、海やオフ会ではなかなか表明しづらい“出会いたい”という気持ちを表明すること。

しかし、逆に言えば、申し込んでさえしまえば、目的ははっきりしていますし、一般的な出会いパーティーとは違って皆ダイバー。
そもそも皆、同じクラスタですから、コミュニケーションもとりやすい。
合コンなんかより、かなり、“あとちょっと感”がありますよね。

以前、同じようなパーティーをしたときは、12組中7組のカップル誕生という高確率でしたが、今回も良い出会いとなって、幸せなダイバーカップルが誕生してくれると嬉しい限りです。

客観的なデータの重要性

今週の「データでわかるダイビングの本音と建て前」では、高野さんの研究内容の一端が紹介されました。

ヒヤリ・ハット体験がないのはプロダイバー1%、一般ダイバー27%。その差とは? | オーシャナ
※コメント欄にも貴重な情報が掲載されています。

事故の事例を調べることはもちろん大事ですが、1つの事故の裏に隠されている300のヒヤリ・ハットの方に注目し、統計に基づいた調査・分析をして安全潜水につなげるという高野さんの存在はとても貴重です。

2014年1月25日開催の高野さんのセミナーの打合せで、それらのデータを見せていただいたのですが、興味深いデータばかり。
いろいろ読み解けそうです。

例えば、ダイビング事故の原因では“はぐれる”が多いのですが、Cカード講習の内容に関するアンケート調査では、インストラクター、講習生ともに、はぐれたときの対処スキルが十分でないと感じたまま送り出されているのでは? ということが見えてきたりします。

こうした客観的なデータを集め、調査・分析を行っているのは高野さんしかいないので、今後、研究の根幹となる、データの収集の際には、ダイバーの皆さまもぜひ協力をお願いします。

2014年1月25日開催「データでわかるダイビングの本年と建て前」

今週から始まった連載“オーバーホールの現場から”にあった、高尾さんの言葉、「器材は見えないからこそ伝えねばならない」は印象的です。

高尾さんに連載を頼んだとき、「私はダイバーに知られた存在でもないし、誇れる経歴もないし…」と謙遜していたのですが、僕が彼女に書いていただきたいと思ったのは、言葉と行動に説得力があるから。
まっすぐ誠実に正論をぶつけ、行動しているからカッコいいんですよね。

現場で、いわゆる手抜きのようなオーバーホールを目にして、「波風立てないように」とか「オーバーホールの印象が悪くなる」となりがちなところを、むしろ伝えて説明することによって変えようとする姿勢。

器材そのものに関しても、「どうせ中は見えないし」「言ってもわからないし」とは逆に、見えないからこそ伝えるという姿勢。

こういう姿勢は、他のすべてに当てはまるのかもしれません。
Cカード講習だって、これからダイビングを始める人にはまったくの未知数。
わからないからこそ、誠実に伝えなければいけないということでしょう。

そして、伝えている人の声を拾って、皆様にお届けするのがオーシャナの役目です。

その他いろいろ気になったこと

■免責同意書
免責同意書って意味あるの?」を読んだダイバーから、「今度は海外の場合も知りたいです」と言われました。

なるほど、言われてみれば、海外の陪審員制では、心象に大きな意味を持つので免責同意書のポジションも変わってきそうです。
これは気になるテーマです。

■辺野古
今話題の辺野古の海を撮り続けているカメラマン・中村卓哉さんと飲む。
政治や利権の絡む複雑な現場ですから、発言も慎重です。
埋め立てに反対も賛成も言いません。ただ、「一緒に潜ろう」と。
酔うにつれ、卓ちゃんの本音もチラリ……。
とにかく潜ってみようと思ったのでした。

ニコンvsキャノン、トリミング、レンズ、レタッチ、いろいろ深い話を聞けておもしろかったな~。
皆さんにも聞いて欲しいと思ったのでいずれ。

■M値
オーシャナで連載中の山中さんとやどかり仙人とお茶をしながら、22日にあるセミナーの打合せ。

お二人がおっしゃっていたことで印象的だったのは、「M値がわかっていないイントラはイントラじゃない」。
イントラの皆さん、M値大丈夫ですか? 僕はギリギリです(笑)

今週はこの辺で。
では、また来週!

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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