むらいさちの「Dive in JAPAN!」(第2回)

【「Dive in Japan!」vol.02:北海道】ウトロでクリオネと流氷ダイビング!(2/39)

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皆さん、こんにちは。
むらいさちです!

Dive in Japan!」ということで、日本の海に面している39都道府県を潜り歩くこの連載。
2回目となる今回は、北海道に行ってきました!

DiveinJapan!02

場所は知床半島のウトロ、季節は2月下旬。
・・・といえば、そう流氷ダイビングです!

「北の海に流氷が流れ着いているその時に、南の沖縄ではサンゴ礁の上をお魚が泳いでいる」国なんて、そうそうありません。

日本の海のすごさは、この海の多様さだと思うんです。
Dive in Japan!」と言うからには、まず北の流氷の海を覗いてみないことには始まらないと思い、一路ウトロへ向かいました!

ウトロってこんなところ!

女満別空港から、レンタカーで走ること1時間半。
斜里町ウトロに到着します。

北海道東部にある知床半島は、世界自然遺産としても知られ、多くの野生生物が暮らしている地です。
冬になると、ロシアのアムール川から流氷が流れ着き、海が真っ白に染まるんです。
その流氷の下を潜る「流氷ダイビング」は、世界でも珍しいダイビングスタイル!!

そして今回、僕が写した陸の絶景は、プユニ岬から見た、ウトロの街並みと海を埋め尽くす流氷です。
日本にいるとは思えないほどの素敵な景色でした。

おすすめの陸の風景―プユニ岬からのウトロの街と流氷―

おすすめの陸の風景―プユニ岬からのウトロの街と流氷―

今回潜ったのは、ウトロの港の中。
ただ、流氷の接岸状況によって潜る場所は変わってきます。

ドローンで上から撮影してみました。
真ん中に三角形に空いた穴が、エントリーホールになります。分かります?

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知床半島は、野生生物の宝庫でもあります。森では、とてもかわいいエゾフクロウに出会うことが出来ました♪
海だけじゃなく陸も楽しめるのも魅力です!

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はじめての流氷ダイビングにドキドキ
不安要素を取り除こう

ワールドダイブさんのシェルドライ「IC7200-PRO」と専用のインナーウェア+ヒートベストでマイナス1度の水温に耐えることができ、レイアリングの大切さを学びました

ワールドダイブさんのシェルドライ「IC7200-PRO」と専用のインナーウェア+ヒートベストでマイナス1度の水温に耐えることができ、レイアリングの大切さを学びました

さて、いよいよ流氷ダイビングスタートです!

期待で胸がワクワクしつつも、とにかく寒いのが苦手な僕。
水温はマイナス1度。

「寒くてちゃんと写真が撮れないのでは?」という不安も大きくありました。そのため今回は、できうる限りの寒さ対策をしました。
「ワールドダイブ」さんのシェルドライを着て、中には専用のインナーウェアを着用。秘密兵器として、フィッシュアイさんで今度発売になる、ヒートベストを着こみ、靴下も厚いものを2枚重ね履き・・・という、万全の対策をしました。

結果から言うと、「寒くなかったです」。
通常、流氷ダイビングは、15分~20分ほど。
そのくらいの時間ならば全く問題無いでしょう。

僕は取材なので、長めに潜らせていただきましたが、それでも問題ありませんでした。
インナーのレイヤリングさえちゃんとしていれば、どんな寒い海でもちゃんと潜れるということを身を持って実感。準備を整える大切さに気づかされました。また、寒いのが苦手な僕でも快適に潜れたことで、自分自身にも自信がつきました。(笑)

しかし、末端の手先足先はどうしても冷えてしまうので、ここをもうちょっと改善すればもっと快適に潜れるでしょう。

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チェーンソーで氷の上に空けた穴からエントリーになります。
必ずガイドさんと潜るのと、体にロープを付けているので、迷うことはまずありません。安全に安心して潜ることができます。

皆さん同様僕も、寒さと水中でのロストが不安要素でしたが、実際潜ってみると海の中も光が入って明るいですし、安全管理も徹底されているので不安なく潜ることができました。

いよいよワクワク☆ドキドキの
流氷ダイビングへエントリー!

完全なる泥棒スタイルですが(笑)、フェイスガードのあるフードはとても温かかったです

完全なる泥棒スタイルですが(笑)、フェイスガードのあるフードはとても温かかったです

いざ、エントリー!
どんな世界が見れるのか、かわいい生物達に会えるのか、もうワクワクと緊張のドキドキが止まりません(表現が昭和ですね・・・)。

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エアーを抜いて、そっと海の中に入ると、こんな世界が広がっていました。

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とても静かだ
最初の印象はそんな感じでした。
なんだか息を吐くのもはばかられるほどの静けさ、それは寒さと緊張のせいもあったのでしょう。

自然が作り出すなんとも不思議な世界に、言葉を失い、ただただ見つめていました。

ガイドの西村さんの後に続き、いろいろな形の流氷を巡りました。
地形ダイビングともまた全然違う感覚、どちらかというと美術館を見て回っている気分です。同じものが一つとしてない、自然が作り出すアート作品を鑑賞しているよう!
この独特な世界を見られたことに、感謝しながら潜りました。

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流氷の間を通り抜けたり・・・、まるでアトラクション!?

場所によって、流氷の色が違ったりもしました、それはアムール川で凍った時の栄養素の違いもあるそうです。

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この氷の中には、多くの植物プランクトンが閉じ込められいて、流氷が解けるとそれを食べに多くの動物性プランクトンをはじめとした生物たちが集まり、この豊饒な北の海を作り出しているそうです。
なので、この流氷はとても大切なものなのです。

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北の生物たちに出会う

今回3日間ダイビングをしたのですが、本数を重ねるごとに寒さにも慣れ、自分自身にも余裕が出てきました。そうすると、そこに住む生物たちにも目が行くようになります。
今回は港内だったのでそこまで生物が多くはなかったのですが、それでも北の海ならではの生き物に出会えました。

砂に馴染みすぎる、アイカジカ

砂に馴染みすぎる、アイカジカ

さらに砂になじむ子、カズナギ

さらに砂になじむ子、カズナギ

岩には、ケヤリ達も多く見られました

岩には、ケヤリ達も多く見られました

ウミウシも数種類見ることが出来ました、エダウミウシ

ウミウシも数種類見ることが出来ました、エダウミウシ

流氷の天使クリオネとの出会い

流氷ダイビングで、会いたい生物のダントツ1位といえば、皆さんご存知クリオネちゃんですよね!

僕も会えるのをとても楽しみにしていました。
普通に潜っていたらきっと気づけないけれど、ガイドさんが指さす方をじっと見ていると、ヒラヒラと泳ぐクリオネ君の存在に気づきます。

一度目に入るようになると、自分でも探せるようになります。
幸いにこの時、毎回のダイビングで見ることができました。

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いや~これがね「超かわいい!!!」、と言いたいのですが、とにかく写真が撮りずらい被写体で、とても苦労しました・・・。なんせ透明ですし、思った以上に動きが速いのです。
しかも、ヒレをヒラヒラして泳いでいるので、両ひれを広げている瞬間を撮るのがとても難しく、とにかく何枚も何枚もシャッターを切ってやっと撮影できました。

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まさに「流氷の天使-さち風仕立て-」と、いったところでしょうか(笑)。
これが撮れていた時は、本当にうれしかったです。粘って頑張りました!

そしてよく見ると、内臓の部分にピカチュウのような生き物の顔が見えます(笑)。
そして個人的にお気に入りの一枚があります、それは・・・、

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コマネチ!

はい、失礼しました・・・。
でも、まさに流氷の天使です。本当にかわいく、癒されます。
この子を見るだけでも潜る価値がありますよ。

Dive in Japan!」Vol.2は、北海道の流氷ダイビングをお伝えしました。
色々あるダイビングスタイルの中でも、かなり特殊なスタイルです。だからこそ、見られる独特の世界。

本当に楽しかったです。日本の海はやっぱりすごいです!!
そして、すっかり流氷ダイビングにはまってしまいました、来年もまたぜひ行きたいと思います!

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流氷の向こうに沈む夕日がとても美しかったです、

今回のアイス

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「道の駅うとろ・シリエトク」の3色ソフト。
こけもも・バニラ・モカの3つの味が楽しめます♪

Dive in Japan!」は、youtubeチャンネル「うみさちTV」でも、ご紹介中〜!
流氷ダイビングの模様をアップしています。
まずは、前編です。(後編もお楽しみにー!)

ぜひぜひ、この記事と合わせて、動画でもゆるっと楽しんで下さいね〜!

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お世話になったショップさん

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ガイド会会員でもある西村浩司さんが率いる「ロビンソンダイビングサービス」。
北海道札幌市にあり、通常は札幌周辺の海や湖に潜っています。

流氷がやってくる冬の時期の1か月だけ、ウトロにて流氷ダイビングの受け入れを行っています。スタッフの皆さんは、流氷ダイビングを長年行っており、とても安心して潜ることができます。不安なことがあれば遠慮なく相談してみましょう。地元の素材を使った、美味しいランチも大人気!

取材時も、皆さん温かく受け入れてくださって、とても楽しく潜ることができました。ありがとうございました!また行きますね~。

■「Dive in Japan!」にかけるむらいさんの熱い思いはこちらから↓
【むらいさちインタビュー】日本の海の魅力を発信したい〜「Dive in Japan」、youtubeチャンネル「うみさちTV」始動への思い〜

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PROFILE
沖縄座間味島でのダイビングガイドを経て、写真の世界へ。
広告カメラマンの助手を経てダイビング雑誌の出版社に入社し、その後独立。
現在、水中はもちろん、ボーダレスに地球のあらゆるところで「しあわせなとき」をテーマに撮影を続ける。
その独特の淡い写真表現が特徴。 

著書に写真集「ALOHERART」「LinoLino」「きせきのしま」「FanataSea」「しあわせのとき」、最新写真集「Life is Beautiful」が発売中!
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