【連載】ダイバー必見!2022年、全国各地のガイドたちが薦める海はここだ!(第13回)

【鹿児島県・奄美大島】ダイバー必見!2022年秋、全国各地のガイドたちが薦める海はここだ! 連載No.13

「あの海、今年はどんな感じかなぁ…」、「秋はどこに行こうかなぁ…」と考えているダイバーの皆さまへ、全国各地のガイドたちが今シーズンの現地の海情報を提供!

今回は、鹿児島県大島郡にマリンスポーツと宿泊の総合施設を構える、「ゼログラヴィティ」のガイド・栗原亮太氏(以下、栗原氏)にお話を伺った。

編集部

おすすめの海を教えていただけますか?

栗原氏

特におすすめなのは大島海峡内エリアの「嘉鉄(かてつ)」と「安脚場(あんきゃば)」です!

編集部

大島海峡は奄美大島と加計呂麻島の間にある幅約2kmの海峡ですよね。サンゴの生息する美しい海中景観が評価され、海峡全域が奄美群島国定公園に指定されたと聞きました。
最近の海の様子はいかがですか?

栗原氏

まず「嘉鉄」は、メインの根では魚影が濃くお魚パラダイス状態!スカシテンジクダイ、キンメモドキ、リュウキュウハタンポがギュギュッと濃縮されており、カスミアジが捕食しに現れた時の魚のアクションも迫力満点です!また、キンギョハナダイやヨスジフエダイの群れもきれいですし、日本で見られる6種類のクマノミのうちトウアカクマノミという種以外は全部見られちゃいます。少し離れた根にはケラマハナダイの根があり、そこにはパンダダルマハゼちゃんもいます!水深も8mくらいで根の上が3〜5m。根の上以外は砂地で着底もしやすいため、このポイントは、ベテランのフォトダイバーから体験ダイバーまで人気のスポットです。

スカシテンジクダイとヨスシジフエダイ

スカシテンジクダイとヨスシジフエダイ

ケラマハナダイの根

ケラマハナダイの根

パンダダルマハゼ

パンダダルマハゼ

薄く色味がかったエダサンゴの群生

薄く色味がかったエダサンゴの群生

栗原氏

次に「安脚場」はサンゴが所狭しとどこまでも続く場所です。温かい水温に包まれて、のんびりほんわかとサンゴの上を散歩できます。砂地に降りればガーデンイール(チンアナゴ)なども群れています。サンゴ好きにはたまらない世界ですね!

「安脚場」を上空から見たところ

「安脚場」を上空から見たところ

複数種のサンゴが群生

複数種のサンゴが群生

サンゴの上を散歩

サンゴの上を散歩

栗原氏

大和浜」と「清水」もおすすめのポイントです。「大和浜」には、コバンザメが秋から群れてきます。11月以降が特に増えてくると思いますが、生物につかず、砂地に寝っ転がってる“サボりまくり”のコバンザメが数十匹の群れで見られちゃいます。しかも丸々と太っている…。とても珍しい光景です。水深は15〜25mくらいにいるので、初級者でも見られる可能性が高いです!しかも浅場(3〜5m)にはキイロサンゴハゼというかわいいハゼちゃんがわんさかいます!アップで撮る(見る)と、ほっぺがほのかにピンク色…、見惚れてしますね!サンゴがずっと続く場所もありますが、着底できる砂地もありますので、そこでのんびりとウォッチングを楽しんでください!

大和浜

大和浜

キイロサンゴハゼ

キイロサンゴハゼ

サンゴが続く場所

サンゴが続く場所

ニシキテグリ

ニシキテグリ

栗原氏

最後に「清水」。ここでは、まだこのエリアでしか発見されてない、めちゃめちゃレアなヤドカリ、スツボツノサンゴヤドカリちゃんに会えます。生きたサンゴを背負っている数センチの赤い体に白い足をしたヤドカリちゃん。めちゃプリティーですよー!また、イレズミミジンベニハゼも見られたりします!しかし水深が25mくらいなので、30mまでいけるCカード(ライセンス)をお持ちの方だけのご案内にはなります。マクロが好きな方は是非!

イレズミミジンベニハゼ

イレズミミジンベニハゼ

スツボツノサンゴヤドカリ

スツボツノサンゴヤドカリ

編集部

見どころ満載じゃないですか!個人的にはコバンザメの群れが気になります(笑)。
最近のゲストは幅広い層がいらっしゃっているようですね!

栗原氏

そうですね。ゼログラヴィティでは、体験ダイバーやビギナーダイバー、そしてブランクダイバーも結構多いかと思います!施設にはプールもあるので、プールで練習してから海に行きたいというリクエストも多くあります。

プール

プール

栗原氏

また、自社で所有する船は、カタマラン船(双胴船。2つの船体を甲板で繋いだ船)のバリアフリー仕様の船なので、健常者、障がい者問わず、のんびりダイビングしたいという声にもお答えできます。特に今年は障がい者のダイビング希望が多く、体験ダイビングや、ファンダイビング、シュノーケリングなどに多くいらっしゃっています。

編集部

カタマラン船ではゆっくりと過ごせそうですね!

栗原氏

2つのトイレと温水シャワー、ドライルーム、エアコン、冷蔵庫などを完備しており、快適に過ごしていただけると思います!

船内

船内

船前方

船前方

編集部

最後に一言、お願いします!

栗原氏

大島海峡内のほとんどポイントは、港から約10〜15分で到着します。しかも、リアス式海岸になっているので、風が強い日でも出港さえできれば、穏やかな海で潜れるというメリットもあります。ゼログラヴィティでは、ダイビングだけでなくさまざまなマリンアクティビティも提供し、さらに宿泊施設やプールも併設しています。泊まりから海遊び、ダイビングまで、滞在中はのんびり充実した時間をお過ごしいただけますよー!

編集部

栗原さん、ありがとうございました!

    
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PROFILE
0歳~22歳まで水泳に没頭し、日本選手権入賞や国際大会出場。新卒で電子部品メーカー(広報室)に入社。同時にダイビングも始める。次第に海やダイビングに対しての想いが強くなりすぎたため、2021年にオーシャナに転職。ライターとして、全国各地の海へ取材に行く傍ら、フリーダイビングにゼロから挑戦。1年で日本代表となり世界選手権に出場。現在はスキンダイビングインストラクターとしてマリンアクティビティツアーやスキンダイビングレッスンを開催。
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