はじめての水中写真上達サプリ(第5回)

脱・ピンボケ写真!必ずマスターしたい半押しのテクニック

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はじめての水中撮影上達サプリ

フサギンポの仲間(撮影:大川拓哉)

写真を撮るうえで理屈やテクニックはたくさんあります。
もちろんそんなことを知らなくてもセンスだけでいい写真を撮る人もいっぱいいます。

そして今どきのカメラなら、趣くままに被写体にカメラを向けて、シャッターを押せば「インテリジェントなAUTOモード」が、たいていのシチュエーションで、ピントや明るさや色合いについてはうまく処理して、そこそこの結果を描いてくれますよね。

「良い写真」の定義は難しいと思うのですが、「よく見える写真」として最低限必要と考えられる要素をいくつか、取り上げていきたいと思います。

今回は、「ピント」についてご紹介します。

“半押し”でピントを合わせる

写真を撮るとき、どうやってピントを合わせていますか?
「ん? オートなんだから自動的に合わせてくれるんでしょ?」

確かに最近は「顔認識」なんて機能も搭載されていて、人物を自動的にカメラが認識。
さらに複数人物をキャッチしてくれるくらい機能向上を果たしていますね。
なかには「水中で魚の顔も認識した~」なんて話も聞きます。笑

とは言え、自動的にピントを合わせる機能(=オートフォーカス)をきちんと働かせるために必要な動作があります。

「半押し」と言う言葉を聞いたことがあるでしょうか。

シャッターボタンを一気に押し込むのではなく、半分くらい押したところにクリック感を感じる段階があるはずです。
この半押しによりカメラはピントを合わせる動作をスタートします。

液晶画面には緑色などの四角い枠が表示され、「この部分にピントを合わせましたよ」とカメラはアピールしてくるはずです。
同時に「ピピッ」っという電子音も鳴るかもしれませんね。

シャッター半押しテクニック(撮影:大川拓哉)

シャッターボタンの半押しで、緑色の枠が点灯し、ピントがこの位置に合ったことを知らせている

この四角い枠が点灯している状態でさらにシャッターを押しこめば、ピントの合った写真が撮れるのです。

もしカメラがピントを合わせる事が出来なかった場合には、四角い枠が点滅したり、枠の色が赤や黄色などに変わったり、ビックリマークが点滅するなどして、ピントが合っていないよ!という注意喚起をしてきます。

シャッター半押しテクニック(撮影:大川拓哉)

枠の色が赤で点滅し、ピントが合っていないことを知らせている

水中で写真を撮る皆さん、陸でぜひこの半押しを意識して練習してみて下さい。
電子音は水中では聞こえにくいので、設定で消音しての練習もいいですね。

そしてハウジングにカメラを入れた状態で練習することをお勧めします。
シャッターボタンを押す感覚がカメラ本体とハウジングではだいぶ違いますからね。
グローブをはめマスクを装着して練習すればさらに完璧です。笑

水中撮影の練習(撮影:大川拓哉)

カメラをハウジングに入れて練習するのが効果的

ちなみに写真の哲学では、ピントを合わせる位置=表現したいもの・見せたいもの、という考え方があります。

ピントは中央に固定する

「半押しをしたけれど、違うところにピントが合ってしまうんです」

そうですね。
カメラも結局は機械ですから、あなたがどこにピントを合わせたいのかまでは理解してくれません。

でもたいていの場合は、写したいものは画面の中央付近にありませんか?
(いやそんなことはない、という人は中級者以上かもしれません)

画面上の広い範囲のどこにピントを合わせればよいかカメラが探すために、場合によっては、意図しているところと全然違うところにピントが合ってしまうこともあります。

シャッター半押しテクニック(撮影:大川拓哉)

ウミウシにピントを合わせたいのに、右手前のメロン熊にピントが合ってしまいました

ならば、ということで、画面中央だけにピントが合うように固定しまうという方法もあります。

機種により設定の仕方に違いはありますが、緑色の枠の位置を任意にセレクトする機能だったり、設定メニューの中で、「ピントを中央に固定」を選択するなど。

詳しくは説明書を調べてみるか、カメラをお買い上げのお店で聞いてみましょう。
インストラクターさんにカメラ講習を受けて、詳しく教えてもらうのも良いですね。

シャッター半押しテクニック(撮影:大川拓哉) シャッター半押しテクニック(撮影:大川拓哉)

真ん中にピント合わせ枠を固定することにより、水中でのイライラが減らせるので、ダイビングストレスの軽減にもなりますね!

さて、前回の予告通り、やっとシャッターを押すことが出来ましたね。笑

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PROFILE
グアムでCカードを取得~沖縄リゾートダイバーだったはずが、新千歳-那覇直行便が廃止となったのを機に?北海道で潜り始める。
 
セルフでしっかり潜りたくてプロダイバーになったはずなのに、インターンで目覚めて?ガイド業へ。

テレビのカメラマンだったはずが、水中デジフォトインストラクターに。
 
積丹半島をベースに、北海道を幅広く潜っています。
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