はじめての水中写真上達サプリ(第6回)

フラッシュをオフにする!?水中スナップ写真を上手に撮る方法

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はじめての水中撮影上達サプリ!

水中のダイバー(撮影:大川拓哉)

旅行に出かけてお友達と記念写真♪ 撮りますよね!

水中でカメラを持ったなら・・・やっぱり記念写真を撮りたくなりますよね。
でも意外と難しいのが水中スナップ写真。

「よく見える写真」のコツとして前回はピントを取り上げましたが、今回はフラッシュ(ストロボ)のお話をしたいと思います。

水が光を吸収する!?
陸上と異なる水中環境

飲み会やカラオケの時にスナップ写真を撮って、「ブレブレ」の写真ばかりになった事はありませんか?

カメラは暗いところが苦手なのです。

で、カメラは暗いと判断した時にはフラッシュが光るのですが、水中では陸上のように遠くまではフラッシュの光が届きません。
「水」により光が吸収されてしまうからなんですね。
カメラ内臓ストロボ程度の光量ではなおさらです。

結果、フラッシュが光ったのにあまり届かず暗い写真になってしまいがちです。
そして、OW講習で習った通り水中は深くなればなるほど赤系の光が失われていきますので青緑色の景色になっていきます。

また、透明度がいまいちだと・・・

透明度の悪い水中(撮影:大川拓哉)

目の前の浮遊物にフラッシュの光が強く当たった白い点ばかりの残念な写真になってしまいます。
(白い点の現象を「ハレーション」や「マリンスノー」と呼びます)

水中スナップ写真を上手に撮るコツとは?

ということで、スナップ写真を撮るのに適した条件は・・・

  • なるべく浅瀬で→太陽光の届く明るい環境
  • ストロボはオフにする→浮遊物によるハレーションを防ぐ

と言うのがコツになります。

同じ海で深度を浅くして撮ったのがこちら。

水中のダイバー(撮影:大川拓哉)

顔の表情が明るく見えるよう弱くライトを当ててはいますが、同じ海とは思えないほど良くなりましたね!

また、この写真は「水中モード」を用いています。
(最近のカメラにはこのモードがついているものが多くなりました。)

前述したとおり水中で失われる赤系の色を、カメラが電子的に補正して赤い色味を加えるなどして緑色のくすみを取り除いてくれる機能です。

ちなみに、経験がある方も多いと思いますが、水中モードはカメラが赤みを加えている都合上、フラッシュを光らせると真っ赤な写真になってしまいやすいのです。

最大のポイントはフラッシュ“オフ”

さらにコツを付け加えると・・・

なるべく近づいて撮る(=ズームして撮らない)

近づけば近づくほど、カメラと被写体の間の水による影響が減ってクリアに写ります。

またズームして撮るとブレが起きやすいため、これを防ぐためです。
(あまり海の中が明るくなく、ブレる場合は「感度」をアップして撮るのが有効です。)

注意点としては・・・

フラッシュをオフにする方法をきちんと学んでおく。

実はこれが今回の一番お伝えしたいことなのです。

スナップ写真は「水中ワイド」などの水中モードで写真を撮る事が多いと思いますが、おそらくフラッシュが強制的に光る設定になっていると思います。
これを、自らの意志でオフにする事が必要です。

水中のダイバー(撮影:大川拓哉)

なお、外付けフラッシュを使っている方。
外付けフラッシュの電源スイッチをオフにされる方をたまにお見かけしますが、そうではありません。
カメラ本体の液晶画面内の設定で、カメラ内蔵フラッシュをオフにする設定をするのが正解ですよ~。

もちろん!
透明度など、条件が良い時にはフラッシュ撮影もOKです。
絶対にオフで撮りましょうという意味ではありませんので、お間違えなく。

ということで、冒頭で「フラッシュのお話」と書きましたが、「フラッシュをオフにするお話」が今回のテーマでした。

人物だけではなく明るい海のサンゴなどの景色を撮るときにも有効ですよ!

青い海とサンゴ(撮影:大川拓哉)

フラッシュを使った撮影法はいずれ取り上げますね。

注)
スナップ写真」とは、本来「被写体の人物に事前に同意を得て撮影される写真とは区別される」ことを考えると、厳密にはカメラ目線の記念写真とは異なりますが、今回は、「リラックスして気軽に撮る」という広義の意味で使用しました。
カメラによっては“水中スナップモード”もありますしね。

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PROFILE
グアムでCカードを取得~沖縄リゾートダイバーだったはずが、新千歳-那覇直行便が廃止となったのを機に?北海道で潜り始める。
 
セルフでしっかり潜りたくてプロダイバーになったはずなのに、インターンで目覚めて?ガイド業へ。

テレビのカメラマンだったはずが、水中デジフォトインストラクターに。
 
積丹半島をベースに、北海道を幅広く潜っています。
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