水中ライトRGBlueから新製品「SYSTEM01:re(システムゼロワンアールイー)」発売! 8年ぶりのフルモデルチェンジの全貌とは

2013年に発売された「SYSTEM01(システムゼロワン)」をはじめ、壊れにくく水中で自然な色を再現できるRGBlue(アールジーブルー)の水中ライトは、水中写真家を筆頭にダイビングや水中撮影を楽しむ方に愛されている。その現行モデルを再設計した新製品「SYSTEM01:re(システムゼロワンアールイー)」、「SYSTEM02:re(システムゼロツーアールイー)」が2022年1月14日に発売される。またその内容を株式会社エーオーアイ・ジャパン代表の久野(くの)義憲(よしのり)氏に、音楽プロデューサーでフィルムメーカーでもある武藤洋氏がインタビューする動画が公開された。

現行モデルからより洗練されたバージョンアップの内容とは?そして、「長く使い続けられる製品を作り、余計なものを売らない」という久野氏に、開発ストーリーやその想いを伺ってみた。

自然な色合いが魅力のRGBlueのライトとは

RGBlue

そもそもRGBlueのライトとはどういうものなのか。RGBlueを開発する株式会社エーオーアイ・ジャパンは、1999年の創業から大手カメラメーカーのデジカメ用ハウジングなどをOEM(※1)で製造している会社。2013年に発売した水中ライト「SYSTEM01」が、オリジナルブランドとしては初めての製品だ。当時からその培った技術でタフなギアを作ることを念頭に、水中で失われる色を再現する光の質にこだわり続けている。そこには、いちダイバーとして、肉眼で水中の鮮やかな色を見て感動したいという想いがあったそう。

スーパーナチュラルカラーで撮影された鍵井靖章氏の作品

スーパーナチュラルカラーで撮影された鍵井靖章氏の作品

現在RGBlueから発売されている光源は、初期モデルを継承した「スタンダードカラー」、鮮やかさを引き出す「プレミアムカラー」、より自然な色を引き出す「スーパーナチュラルカラー」、ビーム光を出す「スポットビーム」、ツインライトの「SYSTEM03」。それぞれ太陽光の色の近さを表す「演色性(※2)」の高さが特徴で、鮮やかさや自然さなど求めるものによって色温度や光量が異なる。特に100に近ければ近いほど自然な色が出る演色性については、プレミアムカラー、スーパーナチュラルカラーはRa95以上という超高演色。

RGBlue

RGBlueのライトは、この光源部分とバッテリー部分が分離するモジュレーションシステムとなっているのも大きな特徴だ。バッテリーモジュールは「SYSTEM01」と大容量の「SYSTEM02」の2種類があり、ライトモジュールとの組み合わせを変えたり、予備としてバッテリーモジュールを複数用意したりすることができる。それぞれが防水加工されており、浸水による故障がしにくいうえ、修理対応や、水中ライトとしては初となるオーバーホールのサービスも行っている。

ライトモジュールとバッテリーモジュールはそれぞれに対応

ライトモジュールとバッテリーモジュールはそれぞれに対応

※1:OEM…他ブランドの製品を受託製造すること
※2:演色性…照明で物体を照らすときに、自然光が当たったときの色をどの程度再現しているかを示す指標のこと。平均演色評価数(Ra)を使って表し、数値が100に近いほど自然光が当たった時の色に近い。

道具として洗練された「SYSTEM01:re」、「SYSTEM02:re」
何が改良されたのか?

動画で解説する久野氏と武藤氏

動画で解説する久野氏と武藤氏

今回、光源の性能や現行モデルの各モジュールの互換性をそのままに、より道具として洗練されたものを目指し、再設計を行ったという。「SYSTEM01:re」、「SYSTEM02:re」の発売にあたり、久野氏はこう語る。

久野氏

re(アールイー)」には「re()design(デザイン)」、つまり再設計の意味が込められています。純粋にライトに求められるものは何かということに向き合った結果、そんなにたくさんの機能というよりは、当初から追求してきた光の色や質、道具として壊れないものということに行き着きました。そこで、もっと明るくしたらどうか、RGBlueらしい価値は何か、などを考え直して最終的に行き着いたのが、8年前に作った「SYSTEM01」の焼き直しだったんです。この8年の間に修理やオーバーホールを通して、はっきりしてきた弱点や問題点をまず改善することが必要なのではないかと。それから、今のお客さまがそのまま継続して使えることが大事なんじゃないかということに立ち返り、作り直しました。

「SYSTEM01:re」、「SYSTEM02:re」ここがバージョンアップ!

USB PD(パワーデリバリー)で急速充電の実現

今回大きく変わったのは充電方式。従来は専用の充電器が必要だったが、スマートフォンやパソコンの充電にも使われるUSBタイプC端子の新規格のUSB PD(30W以上)を使用することで、急速充電が可能に。充電時間はSYSTEM01は3時間から2時間、SYSTEM02は6時間から4時間に短縮された。

腐食しにくく、使いやすくなった充電端子

現行モデルの故障原因の一つに、充電端子の腐食による接触不良があった。直接本体にプラグを挿す仕様のため、蓋を開ける手間がない一方、完全に乾かさずにプラグを挿すと電触により腐食してしまうのだ。新しいモデルでは充電端子をフラットにすることで、水が溜まらず、乾かしやすくし、故障の原因と乾かす手間を低減させた。

充電端子の場所もライトの後方部に変更されたため、撮影機材に取り付けたままの充電も可能に。

モジュール間の防水・リカバリー機能向上

新しいライトモジュールとバッテリーモジュール同士で、より強固な防水構造を実現した。従来もライトとバッテリーの接合部には防水性能があり、浸水しにくい構造となっていたが、パッキンを追加することによって、さらに防水性が向上した。

また、もともとRGBlueのライトは万が一モジュールの間に水が入っても、自動で電源が落ち、真水で洗って乾かせば復活する仕様となっている。しかし、救出が遅れるとモジュールの接点ピンが塩で固着し、正常に作動しなくなることがあったため、新しいモデルではそのピンを大きくし、固着しづらくなった。

ユーザビリティがアップしたライトモジュール

アルミ製のライト先端部にラバープロテクターが標準装備となり、岩やコンクリートにぶつけても傷つきにくい仕様に。さらにボタンを大きくし、アルミからチタン製にすることで押しやすさと軽さを実現。モジュール着脱用のロックリングには、昔のカメラレンズのダイヤルにも使われていたローレット加工を施し、回しやすく高精度な見た目に。

抜本的に改良されたアクセサリー

赤フィルターや集光レンズ、スヌートといったライト本体に取り付けるアクセサリーも大きく変わった。今まではねじ込み式だったため、使用する際にいちいち取り付けなければならず、紛失や水中で取り付けにくいなどの問題があった。それをフリップタイプに変更し、あらかじめライトに取り付けておいて、必要な時にだけワンタッチで切り替えができるようになった。

フロートもつけ外しがしやすいものへと改良され、BCのD缶に取り付けるためのフックも新しく登場。また、「SYSTEM01:re」、「SYSTEM02:re」には従来のアクセサリーも取り付け可能なので、今まで使っていたものも使用できる。

環境に配慮した設計思想
ユーザーの一歩先を行くものづくり

再設計にあたり、今まで蓄積されたユーザーの声やノウハウに基づいた改良のほか、「環境に配慮した設計思想」も大きなテーマにしているという。

久野氏

環境に対する配慮は私自身はシンプルに考えていて、まずは作った物をいかに継続的に使っていただくかを大事にしています。また、海の中で相当手荒く使われるものなので、必ず修理の体制というのは持っておかなければいけません。その上で、今回改善したのは、余計なものを売らずに、個別に必要なものだけを選べるようにしたというところです。

今までライトを購入するとグリップや充電器、集光レンズなどさまざまなアクセサリーが同梱されていた。しかし、今後は別売りとなり、必要なものを選択して購入できるようにしたという。ケースはライトにフィットする形にし、緩衝材の使用を削減。ライトと充電アダプタ、ケーブルのみを入れられるシンプルな仕様に。充電器はUSB PDに統一し、手持ちのものと使い回せるようにしている。なおかつ取扱説明書はオンライン化し、そこにアクセスするためのQRコードは耐水性のある「LIMEX(ライメックス)」へ印刷・同梱されている。「LIMEX」は環境に配慮された新しい素材で、紙やプラスチックに代わるものとして注目されている。

久野氏

作り手もガンガン新しいものを作って売るだけじゃなくて、売った後のことを考えないといけないと思っています。例えば、現行モデルであればグリップが付いてきますが、人によっては使用しないケースもあります。その時、これは使われずにゴミになってしまいますよね。ゴミを減らすのは、売る時点でできるのではないでしょうか。

ものづくりの姿勢において「一般の人より意識を高く持ち、ちゃんと時代を先取りして新しいライフスタイルを提供していくことが必要」という久野氏。最後に、この製品を通して実現したい世界観を伺った。

久野氏

ダイビングは自然相手の遊びで、ダイバーは美しい海を大切に守りたいという想いを持っていると思うんですよ。なので、我々の企業やものづくりの姿勢として、そういう志向の方々にきちんと伝わるものを作りたいというのがありました。また、ダイビングをしていない人や知らない人に対しては、ダイバーが使っている機材が洗練されている、自然環境を守るための配慮がされているものだということを知って欲しい、それを目指したいと思っています。

8年の間、修理やオーバーホールを通してユーザーの声と向き合い続け、さらにその一歩先を行くものづくりの姿勢を反映させた新しいRGBlueのライト「SYSTEM01:re」、「SYSTEM02:re」。このライトは、今まで以上にダイビングを楽しませてくれることだろう。そして、久野氏の想いにもあるように、現行モデルをお持ちの方にはぜひ今お持ちのライトを大切に使い、愛し続けてほしい。それがきっと次のRGBlueの進化にもつながっていくことだろう。

「SYSTEM01:re」、「SYSTEM02:re」発売情報


発売日:2022年1月14日

お問合せ先
株式会社エーオーアイ・ジャパン
Mail : info@aoi-jp.biz
公式サイト

Sponsored by RGBlue(株式会社エーオーアイ・ジャパン)

RGBlue
光の三原色「RGB」と海の「Blue」から名付けた水中ライト「RGBlue / アールジーブルー」。1999年の企業設立以来その多くを水中撮影機材OEM開発に力を注ぎ、2013年にダイバーのための理想的な水中ライトを追求するブランドとして「RGBlue」が誕生。まだ見ぬ未知の景観や生物にもっとも太陽光に近い光を当て、色彩が失われる水中の色を届ける。

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PROFILE
IT企業でSaaS営業、導入コンサル、マーケティングのキャリアを積む。その一方、趣味だったダイビングの楽しみ方を広げる仕組みが作れないかと、オーシャナに自己PR文を送り付けたところ、現社長と当時の編集長からお声がけいただき、2018年に異業種から華麗に転職。
営業として全国を飛び回り、現在は自身で執筆も行う。2020年6月より地域おこし企業人として沖縄県・恩納村役場へ駐在。環境に優しいダイビングの国際基準「Green Fins」の導入推進を担当している。休みの日もスキューバダイビングやスキンダイビングに時間を費やす海狂い。
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