福田朋夏のフリーダイビングライフ(第5回)

[連載]フリーダイバー勢揃い!6月に開催されたフリーダイビングキャンプを人魚JAPAN・福田朋夏がレポート

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みなさんこんにちは!いかがお過ごしでしょうか?
沖縄は梅雨が明けてから毎日暑い日が続いていますが、やっと!海の季節がやってきましたね!今年もたくさん潜りましょう!

実は、今年は人魚JAPANが結成されて10周年という節目の年なんです。そう考えると10年前、フランスのニースで金メダルを獲得してから、もう10年がたったんですね…。何だか感慨深い。

人魚JAPANはそもそも、フリーダイビングの世界大会の団体戦に出るために結成されました。メンバーは岡本美鈴さんとHANAKOさんと私の3人。このメンバーだからこそ色んな事を乗り越えて金メダルを掴めたんだなと。そして周りで支えてくれた人や、応援してくれた人たちは本当に私たちのパワーに変わって突き進めたんだと思います。

先日、そんな人魚JAPANが沖縄に集まって、6月1日~9日にかけてフリーダイビングトレーニングキャンプを開催しました。今回は、一般向けのフリーダイビングトレーニングキャンプを中心に、その様子をお伝えしていきたいと思います。

団体の垣根を越えたインストラクターキャンプ

主催の一般社団法人 人魚JAPANは、どの団体に所属していても垣根を作らずにちゃんとした知識を持って安全に楽しく日本のフリーダイビングを向上していくのが目的です。ですので、インストラクター向けと一般のフリーダイバー向けにそれぞれキャンプを開催しました。

最初の2日間はフリーダイビングのインストラクター向けにトレーニングキャンプが行われました。普段はできない自分のトレーニングや、レスキューの確認、そして教える上で誰にも聞けない悩みなどを話しあうことができて、本当に濃い時間になりました。参加して頂いたインストラクターの方々は本当に向上意識の高い方ばかりだったので、今後の活動が楽しみです!

こうやってインストラクター同士が自分たちのティーチングを確認して向上しあえるのは、日本のフリーダイビングの質を上げることになるので、もっとこういう機会を増やしていけたらなと思います。

今までフリーダイビングのインストラクターって、個々でやっていて、あまり横のつながりがなかったように感じます。それぞれの団体によっても教え方が違っていたりしますが、色んな団体があるけどフリーダイビングが大好きで、もっと良くしていきたいって気持ちはみんな同じなんです。だからこんな風にみんなで輪になって協力し合いながら学べたり、確認できたりする場所ってこれからは本当に大切。

なので次回も、もっともっとたくさんのフリーダイビングインストラクターに参加していただきたいです!

参加して頂いたインストラクターの皆さん、ありがとうございました!これからも一緒に安全に楽しくフリーダイビングを盛り上げて行きましょうね!

参加して頂いたインストラクターの皆さん、ありがとうございました!これからも一緒に安全に楽しくフリーダイビングを盛り上げて行きましょうね!

3日間の一般向けフリーダイビングキャンプ

インストラクター向けキャンプの後は、3日ずつ前半後半に分けて、一般向けのフリーダイビングトレーニングキャンプが行われました。参加して頂いた方の中には第一回目に参加してくれたフリーダイバーもたくさん来てくれました。「前回のトレーニングキャンプがとても楽しかったからまた来ました!」と嬉しいお言葉も。ありがとうございます!

海に馴染む体をつくる1日目

トレーニング初日はゆっくりと脱力して海に溶け込める体を作るのが大切です。急に深く潜ると体がびっくりしてしてしまうので、浅い深度での往復練習をします。

私たちもシーズンの初めは、急に深く潜ったりしないでゆっくりと海に体を馴染ませていきます。海と体が合わさった時ってすごく気持ちの良いダイブができるんです。

大切なのは深さではなくて、1本1本のダイブでどんな気づきや何を感じられたかということ。 リラックスして海を受け入れると、海も自分を受け入れてくれます。

海洋トレーニングではフロートからラインを出してグループに分かれて練習してもらいました。そして3人魚が周りながらアドバイスしていきます。

1日目はみなさん少し緊張気味だったのですが、海を少しずつ受け入れる体や心を作る良い初日だったと思います。

そして海から上がった後は、今回人魚JAPANのHANAちゃんとCafe & Bar GAJIMARUでコラボした野菜や発酵食品がモリモリ入った「人魚JAPANボウル」をみんなでいただきました!とっても美味しくて、疲れた体も喜んでました!

ランチ後は、みなさんお悩みの耳抜きについてなどを人魚からレクチャーさせていただきました。耳抜きはやっぱりそれぞれに課題がありますね。耳抜きしているつもりでも抜けていなかったり、耳を抜くはずの空気が違うところへ運ばれていたり、耳抜きはフリーダイビングでは永遠の課題だと思っています。

みんなでストレッチもしました!

みんなでストレッチもしました!

そして初日はみなさん初めましての方もいたので、夜はみんなで懇親会をしてたくさん盛り上がりました!

それぞれの課題に集中する2日目

2日目は前日の課題を引き続き練習したあと、翌日に控えている記録会に向けてもトレーニングをしました。

海に潜ると一言でいっても、意識をしなくてはいけないことがたくさんあります。
吸い込みの呼吸、耳抜きや、フィンワークや力の抜き方、上がった後のリカバリーブレスなど、これらを全て自然に体が動くように落とし込んでいきます。大人数でトレーニングすると、それぞれの人の潜りを見れて良い刺激をたくさんもらえるので上達がとても早くなります。

そして自分の潜りの良いところ、もっと向上したいところもたくさん見えてきますね。
2日目の海が終わってからはプールへ移動してそれぞれの課題に合わせて3人魚がみなさんにアドバイスをしました。

海でかなり体力を使った後にプール講習は体力的にきついのではないかと思ったのですが、みなさん積極的にプール講習も参加していただいたおかげで、みなさんフィンワークが格段に上手になりました!

最終日は本番さながらの記録会

そして最終日の3日目は、いよいよ記録会!
実際に大会さながらの形式でボトムにタグをつけて、潜ってタグを持って帰ってきてもらいます。

タグには3人魚からのメッセージが書かれています。ワカメも付けてみました(笑)

タグには3人魚からのメッセージが書かれています。ワカメも付けてみました(笑)

大会のような本格的な形式で潜ると、練習の時とは違う緊張が出てきます。その緊張をいかに集中に変えて潜れるか。それがとても大事になってきます。その緊張感の中、2日間練習したことを最大限に発揮して真剣に自分と向き合うみんなの潜りが素敵すぎました。

そして海の中から戻ってきた笑顔がキラキラ眩しくて、周りの人達もみんなが成功を喜んでいて、そんな姿を見ているととっても感動して毎回泣きそうになります。

一本一本の潜りの中にも色んなドラマがあってフリーダイビングってなんて素晴らしい競技なんだろうって、私自身も改めて感じさせられました。

この3日間のキャンプで、それぞれの課題を頑張って取り組んで、みんなが成長しているのを見られてとっても嬉しく、私たちもたくさん学びを得ました!

トレーニングキャンプを振り返って
3人魚から

そして今回は、みみずんさん(岡本美鈴)とHANAちゃん(HANAKO)にもインタビューしました!

TOMOKA

人魚JAPANトレーニングキャンプを振り返ってどう思いましたか?

岡本美鈴

楽しく濃い一週間!みなさんの気持ちにエネルギーをもらったキャンプでした。初心者からプロの方までご自身の課題を持ち、シーズン初めの水慣れやスキル確認を思い切り練習いただけたと思います。さらに私たちのミッションの一つである、海に潜る事や深さを目指す上での安全な考え方などを、みなさんとシェアできた事も大きな一歩でした。人魚JAPANはまだ失敗や試行錯誤を続けながらの活動ですが、貢献できる形や手段をDEEPに追求し続けたいと思います!

HANAKO

初めての方同士も、このキャンプで共有する時間でスキルだけではなくたくさんの想いやパワーをシェアし、一人ではなし得ない成長を感じてもらえたんじゃないかなと思います。そんな瞬間を間近で見ていた私たちも多くの学びを得ることができました。取り組み方や目標もそれぞれだけど、“安全に” “楽しく” というキーワードはみんな同じはず。ハードルを感じずに今後も色んな方に参加してもらいたいな!

今回出会えて大切な時間を共有してくれた皆様、本当にありがとうございました!!

次回の人魚JAPANキャンプは、10月を予定しております。そして、人魚JAPANは海洋大会やプールの大会も催していきますので、キャンプも大会もご参加お待ちしております!

詳細、予約はこちら
https://www.ningyo-japan.org/about

人魚JAPANキャンプの最中、私は新しいお家に引っ越しも同時進行で行っていました…。
なかなかハードな毎日でしたが、次回は新居についてもご紹介していけたらと思います。

それでは皆様、最後まで読んでいただいてありがとうございました!また次回お会いしましょう!

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PROFILE
2011年から本格的にトレーニングを始め、日本代表の『人魚JAPAN』の一員として金メダルを2回獲得。個人としても世界各国の大会で好成績を収め、メダルを獲得。
コンスタントウェイトウィズフィンと言うモノフィンを履いて自分の泳力のみで潜る競技ではケイマン諸島で-100mの記録を出す。
現在は沖縄を拠点にフリーダイビングをしている。
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