珊瑚海モソ島で見つけた、優しいバヌアツブルーに包み込まれた幸せな時間 「Grouper gutterとBottle fish」
バヌアツのダイビングはいままであまり話に聞く機会がなく、ニューヘブリディーズ諸島に属するバヌアツの中で最大の島・サント島に大きな沈船があることから、レックダイビングが盛んな地域なのかと思っていた。
今回は首都・ポートビラのあるエファテ島を訪れた。
そこで海に入ったのは4日間。
出逢ってしまった“バヌアツブルー”。
まずは、これから訪れる方にぜひオススメしたいポイントを、2つ紹介していこう。
Recommend No.1
優しい青に包まれた「Grouper gutter」
エファテ島の北西にレレパ島とモソ島という2島が隣接している。
モソ島には超エコリゾートのトランクリティアイランドリゾート、レレパ島の北西側にはダイビングポイント「Grouper gutter」がある。
トランクティリゾートからボートで約30分しか離れていないポイントにあるのだが、エントリー前から明らかにリゾート前の海やほかのエリアとは色が違った。
淡い水色というか、子供の頃によくお祭りで飲んだラムネ色というか。
中に入ると、ラムネ色よりはもう少し青が深かったが、それでも透明度は余裕で40mを越えていた。
すごく気持ちがいい。
このポイントの沖は外洋。
そのままずーっと西に進めばオーストラリアのケアンズあたりに当たるのだが、そこに行くまではなにもない、ただひたすらに「珊瑚海」だ。
ポイント名の「Grouper gutter」は、直訳すれば“ハタの溝”だが、はたしてハタいたかな……(笑)。
ハタはさておき、「Grouper gutter」は流れもなく、あたたかかった。
「透き通った海に浮遊し、のんびりと海中で息をしているのが幸せ」というようなダイビングスタイルを好む人にとっては、楽園のよう。
日本で行われたバヌアツ取材のブリーフィングの時に“海底の白砂がきれいな場所がある”とニューギニア航空の担当者から聞いてはいたものの、正直、ここまでだとは思っていなかった。
数は少ないが、バヌアツで潜ったダイビングポイントの中では1番気に入ったポイントになった。
先ほどの地図にあるダイビングポイントへは、トランクリティリゾート泊ではなく、ポートビラの中心地に泊まっていても日帰りで行くことができるので、想像よりも気軽に訪れることができる。
Recommend No.2
海の中に歴史が見られる「Bottle fish」
トランクリティリゾートのある真裏に位置するのが、「Bottle fish」。
なぜこのポイント名がついたのかというと、時は第二次世界大戦に遡る。
大戦勃発後、アメリカは日本軍の侵略を阻止する目的で、サント島とエファテ島に基地を置いた。
その時にアメリカ軍が飲んでいたのが、瓶ボトルに入ったコカ・コーラ。
飲み終わったボトルを海の中に捨てていたことで、海の中がコカ・コーラのボトルだらけになってしまい、のちにダイビングポイントとしてついた名前が、「Bottle fish」。
なんとも言いがたいネーミングの由来だが、歴史を海底に見ることができる。
トランクリティリゾートのガイド・ジェームスに話を聞くと、そういう歴史的背景も面白く話してくれた。
「Bottle fish」で楽しむべきは
コカ・コーラボトルだけではない!?
もう一つオススメしたいものが、「海底温泉」だ。
ただでさえ温かい海ではあるものの、それでも吹き出る海底温泉に手をかざせば幸せを感じる。
アンカーを落とした場所から目と鼻の先にあったので、エントリーしてすぐに場所を確認。
最後の自由時間に少し肌寒くなったので再度そこに戻って一人で海底入浴を楽しんだ。
先に紹介した「Grouper gutter」とは楽しみ方が全然違うポイントだけれど、バヌアツの海を通し共通して思ったことがあった。
無理はしない
オススメのバヌアツダイビングの潜り方
「海外に来たら、リゾートに来たら、クルーズに乗ったら……できる限り、1本でも多くダイビングがしたい!」という方も多いだろうが、バヌアツではそれは一度封印してもらいたい。
今回潜って思ったことは、ダイビングを通して心も身体も癒されてほしいということ。
ダイビング旅行に出るとどうしても潜りすぎてしまうので、予想以上にへとへとになってしまうことも多い。
ここでは基本的に、午前1本、午後1本。
もちろんもっと潜ることもできるが、早めに切り上げて、のんびり町を歩いたり、次の記事で紹介する“カババー”に行って文化に触れてみたり、綺麗な夕日を眺めたり、日本でもみくちゃにされて疲れ切った身体を癒してほしいと心底思う。
バヌアツと聞いてどんなイメージをもっただろうか?
治安は大丈夫? 外務省の注意喚起出ていない? なにか予防接種でもしていった方がいいのでは?
私も初めはそう思って調べていたのだから、きっとそう思う人がいてもおかしくないと思う。
でも実際に行ってみて驚いたのは、治安の良さ。
びっくりするほど治安がいい。
それもそのはず、過去には「世界一幸せな国」に選ばれたことがある国。
さすがに夜女性一人で出歩くのはオススメしないけれど、複数であれば観光客であっても、なにも恐れずに出かけることができる。
昼は2本のんびりとダイビングをし、夜はホテルに戻ってゆっくりして、お腹が空いたかなと思うころにのそのそと食事に行く。
ハーバー沿いのオープンエアーレストランをオススメしたい。
海の中から眺める海ばかりでなく、外から眺める海の景色も堪能しながら、日ごろの疲れを癒しにくる。
そんな、まったり、のんびりしに来る島国が、バヌアツ。
「Grouper gutter」と「Bottle fish」、路線の違う2つのポイントに潜って、ビギナーの頃に感じた海に対しての“純粋なわくわく”を久しぶりに感じた。
バヌアツダイビングツアー
■取材協力
○Tranquillity Island Resort(トランクリティアイランドリゾート)
○ニューギニア航空
○エス・ティー・ワールド
○トラベルファクトリージャパン
○INON
オーシャナ初! 秘境・バヌアツへダイブトリップ(連載トップページへ)
- 珊瑚海モソ島で見つけた、優しいバヌアツブルーに包み込まれた幸せな時間 「Grouper gutterとBottle fish」
- 超エコリゾートは藁の家!? タイプ別宿泊施設と乗合バス〜バヌアツ、陸の過ごし方案内〜
- ポートビラからデイトリップ! 世界唯一の海底郵便局から手紙を出してみよう@ハイダウェイアイランド
- カバに、ブルーラグーン! ランドツアーでバヌアツ文化にどっぷり浸かる
- 海の中でタイムスリップ 〜サント島の歴史ある沈船「SS・プレジデントクーリッジ号」と「ミリオンダラーポイント」〜
- ついに、全長約200mの沈船「SS・プレジデントクーリッジ号」の内部に潜入
- 2つのブルーホールと、南太平洋で一番美しいといわれるビーチ〜サント島・アフターダイビングのオススメコース〜
- タンナ島で楽しめる、火山島ならではの地形ダイビング〜ブルーホール&ブルーケーブ〜
- 見られるのはここ、タンナ島だけ! 世界一近づける活火山「ヤスール火山」を体験