オーシャナ初! 秘境・バヌアツへダイブトリップ(第7回)

2つのブルーホールと、南太平洋で一番美しいといわれるビーチ〜サント島・アフターダイビングのオススメコース〜

ブルーホールで有名なサント島では、世界のブルーホールとは違って淡水で水もクリア

ブルーホールで有名なサント島では、世界のブルーホールとは違って淡水で水もクリア

レックス・トゥ・レインフォレストのエスターさんに、1日かけてエスピリツ・サント島を案内してもらった。

サント島の人気アクティビティーは、断然「ブルーホール」。

ブルーホールといえば、カリブ海のベリーズやエジプト・アラブ共和国、南シナ海と有名なものがいくつかあるが、これらは全て海水。
だが、サント島のブルーホールは淡水。

その透明度、青さを求めて世界中から観光客が訪れるそうだ。
この日は「リリブルーホール」と「ナンダブルーホール」、ブルーホール以外にも「ポートオーリービーチ」や、「シャンパンビーチ」にも案内してもらうこととなった。

バヌアツ人の
温かい人々と触れ合う

ブルーホールに行く前に、どうしても行きたいところがあった。
それはバヌアツ人が集まっている場所。

今回バヌアツを取材していて、ずっと感じてた「人の温かさ」。
これをみなさんに伝えたくて、途中でエスターさんにワガママを言って、人が集まる市場に寄ってもらった。

現地の方と、とりとめのない話をしていた時に「なんだろう、この感じ。この人、本当に心の底から笑ってる」と感じたのは、エファテ島で街の人と話してた時のことだった。
その人は知らない僕に声を掛け、すぐに心の底から笑ったのだ。

バヌアツの人の温かさに心を打たれた

バヌアツの人の温かさに心を打たれた

東京が悪いと言っているのではないけれど、例えば電車でいきなり知らない人に話しかけられた時、心の底から笑えるだろうか。

知らない人から声をかけられると、ファーストインプレッションとして「警戒」が出てくるのではないかと思う。
この人は何を求めてる? 何がしたい? 話す前から警戒される。
自分自身、そんなことを感じることが多々あった。

もちろん、さまざまな犯罪や、人が多いからいろんな人がいて不安……というのはわかるが、なんだか悲しい。

ここではみんなが親切で心の底から笑っていて、とても幸せそうに見えたのだった。
バヌアツ人は「人と人のコミニュケーション」という、当たり前だけどとても大切なことを教えてくれた。

少し焼けた肌に真っ黒なクリクリの目が可愛い、バヌアツの子ども

少し焼けた肌に真っ黒なクリクリの目が可愛い、バヌアツの子ども

市場に着いて、写真を撮っている最中にも感じる場面は多くあった。
他の国でもそうだが、人の写真は難しい。
特に最近では携帯電話にもカメラがついていて、いろんな国に行きカメラを向けるとみんな嫌がるのだった。

もちろん一言声をかけてから撮ろうとするのだけど、大体は断られることが多い。
今回は現地人のエスターさんがいたので、撮影してもいいかを聞いてもらうことに。
エスターさんは「みんな優しいから絶対にオッケーしてくれます」と言い、声を掛けると見事にみんな「オッケーオッケー」と言って作業を止めてくれ、カメラの方を見てくれたのだった。

作業を止めてまでして、写真を撮らせてくれた

作業を止めてまでして、写真を撮らせてくれた

笑顔でポーズをとってくれた

笑顔でポーズをとってくれた

黒い肌に太陽の光が当たり、すごく美しいコントラストが生まれる

黒い肌に太陽の光が当たり、すごく美しいコントラストが生まれる

優しい人といっぱい触れ合えて、胸がいっぱいになった。
市場に寄ってくれたエスターさんに感謝し、時間があまりなかったので市場でおやつとしてピーナッツやフルーツを買い、目的地に向かった。

ピーナッツをおやつ代わりに買って車で頂いた

ピーナッツをおやつ代わりに買って車で頂いた

言葉で言い表せない美しさ
2つのブルーホール

しばらくしてリリリバーに到着。
道の横に看板があり、カヤックと書いてあった。
川を上流に向かってカヤックで進み、「リリブルーホール」に向かうとのこと。

ここからカヤックに乗り上流のブルーホールへ

ここからカヤックに乗り上流のブルーホールへ

手前がエスターさん。後ろのガイドさんが舵を取ってくれる

手前がエスターさん。後ろのガイドさんが舵を取ってくれる

あらかじめ、レックス・トゥ・レインフォレストのまゆみさんから事前情報を教えてもらっていたので、カヤックの先頭に乗りカメラを持って構えた。
熱帯雨林のなか、ゆっくりと静かな川を進んでいく。

途中、天候が安定せず雨が降ってきた。
「やばいなー、カメラ濡れちゃうな」なんて思ってたら「シュッ」と後ろからフォトジェニックな傘が登場。

エスターさんが事前に準備してくれていたのだ。
本当に気遣いが絶えない。

フォトジェニックな傘で後ろからサポートしてくれた優しいエスターさん

フォトジェニックな傘で後ろからサポートしてくれた優しいエスターさん

おかげで濡れずに「リリブルーホール」まで到着。
ブルーホールはとにかく美しかった。

本当に美しいリリブルーホールの青

本当に美しいリリブルーホールの青

ガイドの方にターザンをやってもらった後、もちろん僕もやったがとても気持ちがいい(笑)。

静かなところでするターザンはオススメ!

静かなところでするターザンはオススメ!

「スノーケリングも必ずしてください」という情報をもらっていたので水中カメラも準備してきた。
水の中へ入ると、なんだか面白い光景が広がっていた。
水面にはクリアな淡水、水底の方はおそらく若干の塩分も混ざった水があり、2層になった美しいブルーが見られた。

水面近くは淡水でクリアだが、その下は少し海水混ざっていてサーモクラインができていた

水面近くは淡水でクリアだが、その下は少し海水混ざっていてサーモクラインができていた

ハシゴもちゃんと設置してあり、簡単に上がることができる

ハシゴもちゃんと設置してあり、簡単に上がることができる

十分に満喫し、車へ戻って次なる目的地へ。
「ナンダブルーホール」にやってきた。
さっきのリリーより少しオシャレな足場があり、ボードウォークを歩いた先に円形のブルーホールが現れた。

先ほどとはまた違った色の青。
今までに見たことがないくらい青く、とても静か。
まるで神聖な場所のようだった。

ボードウォークを歩いた先には、今にも飛び込みたくなるナンダブルーホールが

ボードウォークを歩いた先には、今にも飛び込みたくなるナンダブルーホールが

この青は、石炭と透明な水が組み合わさってできているらしい

この青は、石炭と透明な水が組み合わさってできているらしい

最初は雨が降っていたので、まずマスクとフィンをつけて飛び込んだ。
熱帯雨林の中ともあったので少し涼しく、思わず「冷た!」と声を上げてしまったが、マスクで水中をのぞいて見たら水が透き通っていた。

スノーケルセットを忘れずに

スノーケルセットを忘れずに

透明度は抜群で水底の14mは軽々と見えてプールそのものだった。

ここは水底から湧き水が湧いていて、川となって海に流れている。
だから水も綺麗。
地元の人は川の上流の周りに住んでいて、生活水として使っていた。

素潜りで水底まで行き、下から撮影

素潜りで水底まで行き、下から撮影

周りには人も住んでいて、生活用水にも利用している

周りには人も住んでいて、生活用水にも利用している

まるでプールのような青さ

まるでプールのような青さ

水中から外が鮮明に見えるほど

水中から外が鮮明に見えるほど

しばらく泳いでいたら雨も止み、晴れてきたのでドローンを使い空からも撮影。

ドローンを使い、上空からブルーホールを撮影

ドローンを使い、上空からブルーホールを撮影

絶景はブルーホール以外にも!
おすすめのビーチもご紹介

「ナンダブルーホール」をあとにして、次にやってきたのは島の北東側にある「ポートオーリー」。

レストランなどがあるポートオーリーのビーチ

レストランなどがあるポートオーリーのビーチ

あとに書いているシャンパンビーチに並んで綺麗なビーチだった

あとに書いているシャンパンビーチに並んで綺麗なビーチだった

本来ならそこでゆっくりランチを食べるのだが、取材ともあって晴れているうちに撮影したかったので、お弁当にしてもらうこととなった。

待っている間にビーチを散歩していると、何やら少年が海沿いで遊んでいた。
自分はミュージシャンで、スーパースターになっているかのように、ドラムを叩くようにして、木の枝で水面を叩いている彼。
これもまた僕には「幸せ」を感じさせてくれるシーンだった。

日本では今の時代、10歳以下子どももインターネットやスマートフォンを使い、「Youtube」などを見るのが娯楽になってきている。
だけどバヌアツの村にはインターネットなんてなくて、むしろ電気すらない。
けれどみんな笑顔で幸せに暮らしているのだ。
本当に素晴らしい国だなと改めて実感した瞬間だった。

とても気持ちよさそうに演奏していた

とても気持ちよさそうに演奏していた

いろいろと思い入れのある瞬間だった

いろいろと思い入れのある瞬間だった

お弁当ができたので車内で食べながらシャンパンビーチへと車を走らせる。
それにしても先ほどから雲行き怪しい。
太陽の神様に祈っているとシャンパンビーチに到着。
すると、到着してすぐに厚い雲がいなくなりシャンパンビーチを照らしてくれたのだ。
太陽の神様ありがとう!

早速、撮影開始。
シャンパン・ビーチという名前は、「水底から真水と一緒に湧いてくる泡を見てシャンパンと名付けた」という説や、「上空から見たビーチの形が昔のシャンパングラスに似てるから」という説などがある。
どちらにせよ、南太平洋で一番美しいビーチと呼ばれている。

南太平洋一美しいビーチともいわれているシャンパンビーチ

南太平洋一美しいビーチともいわれているシャンパンビーチ

到着して運よく厚い雲が消えて、太陽がシャンパンビーチをライトアップしてくれた

到着して運よく厚い雲が消えて、太陽がシャンパンビーチをライトアップしてくれた

そんな美しいシャンパン・ビーチで本日の取材は終了。
この1日コースは個人的にもかなりオススメだ。
もし1日だと長いという方は、ナンダブルーホールとシャンパンビーチはぜひ見ていただきたい。

バヌアツダイビングツアー

■取材協力

レックス・トゥ・レインフォーレスト
ブルーホールなどの1日ツアーやサント島周辺のツアーなど、サント島の事ならお任せ。
現地オペレーターには日本人のスタッフもいるので日本語での対応も可能。
Wrecks to Rainforest Complete_2

ローゲンビルの街の中心にあり、送迎も行なっている

Wrecks to Rainforest Complete_4

ニューギニア航空
エス・ティー・ワールド
トラベルファクトリージャパン

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writer
PROFILE
1988年7月6日生まれ
東京にフランス人の父、日本人の母の間に生まれる。生まれて間もなくフランスのパリに移りフランス人として成長し10年。父は写真家、ダイビングインストラクター。
小さい時から父にフィリピン、タイ、ガラパゴス諸島など自然豊かな場所に連れて行ってもらい、いつの間にか自然が大好きになる。時が経ち2010年にダイビングを始め2011年から沖縄でダイビングインストラクターとして活動。2013年からオーストラリアのダイビングクルーズ船にて働くことになりそこで船内販売用に写真を撮る。今度は撮った写真をソーシャルネットワークにも載せたりするようになり友達に『世界にはこんな場所がある!こんな海がある!』などと紹介するのが楽しくなる。2014年10月にクルーズ船の仕事を終え帰国前にオーストラリアを一周することに決め念願の一眼レフを手に入れ放浪。 現在は、自然写真家として水中写真をメインに世界中を撮影し活躍中。
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