パプアニューギニア ”濃密の瞬間(とき)”(第4回)

パプアニューギニアといえばこの魚! ボロカサゴ=レーシースコーピオンフィッシュ

“パプアニューギニアといえばこの魚“

ダイバーにとって人気のある生き物といえばクジラやマンタ、サメなどの大物が万国共通で上位を占めるだろう。

しかし、欧米人ダイバーには、なぜかウツボやカサゴの仲間が絶大な支持をうけている。
ライオンフィッシュ(ミノカサゴ)の捕食シーンを目前にレギュを外しなにやら叫び握手を求めてくる欧米人ダイバーに遭遇した事も。
ミノカサゴに限って言えば、今や大食漢の外来魚としてフロリダやカリブなどでは駆除されているというからなんとも可哀想な運命である。

ここパプアニューギニアでもやはりカサゴ系は人気がある。

オニカサゴがいると現地人のガイドさんは必ずドヤ顏で撮影しろと言ってくる。
これもある種の異文化交流だと考えることにしているが、中には1cmほどの可愛らしい赤ちゃんを見せてくれる事もあり、そんな時は彼らの目の良さに敬意を払う。

ただ、カサゴはカサゴでも、パプアニューギニアに来たら必ず出会いたいカサゴがいる。

“ボロカサゴ”である。

多数の皮弁がボロ着を纏ったように見えるからか、なんとも可哀想なネーミングをつけられた魚だ。
しかし実物はとても美しい。

パプアニューギニアといえばボロカサゴというくらいポートモレスビー周辺の海域では遭遇率が高い。
黄色、小豆色、黒、白などカラーバリエーションも豊富だ。

厳密に言えば日本で見られるボロカサゴとは模様の入り方が異なる。
こちらでは英名のレーシースコーピオンフィッシュの名で呼ばれている。
カサゴ愛が強いだけにネーミングセンスは英名の方がしっくりきている。

レースのように繊細で美しいこの魚に出会うだけでもパプアニューギニアに行く価値はあるだろう。

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PROFILE
1975年東京都生まれ。

10才の時に沖縄のケラマ諸島でダイビングと出会い海中世界の虜となる。

師匠は父親である水中写真家の中村征夫。
活動の場を広げるため2001年に沖縄に移住。その頃から辺野古の海に通いながら撮影を始める(現在は拠点を東京に置く)。

一般誌を中心に連載の執筆やカメラメーカーのアドバイザーなどの活動もおこなう。
最近ではテレビやラジオ、イベントへの出演を通じて、沖縄の海をはじめとする環境問題について言及する機会も多い。

2014年10月にパプアニューギニア・ダイビングアンバサダーに就任。

■著書:『わすれたくない海のこと 辺野古・大浦湾の山 川 海』(偕成社)、『海の辞典』(雷鳥社)など。