フィリピン(レイテ島)への支援金の募集と、現地での援助活動(第10回)

セブ周辺で通常営業するリロアン、モアルボアル、マクタン、ボホールに聞く現地の状況

台風被害が少なかったセブ・マクタンエリア、南セブエリアでは、直後から通常に潜っているダイビングサービスが多かったようだ。
ということで、数件のダイビングサービスに、台風後の状況などを聞いた。

セブ島でのダイビング(撮影:越智隆治)

南セブエリア、リロアンより

まずは、南セブエリア、リロアンにサービスのあるトロピカルパラダイスのガルーダ五十嵐さん。

先日フィリピン中央部を襲った台風30号ですが、レイテ島やサマール島、またセブ島北部、マラパスクワ島などで甚大な被害をもたらせたことはマスコミ等の報道でご存知のことと思われます。
現地では援助活動が始まった様子で、食料や飲料水などの物資が届き始めたようです。しかしながら、日を追うごとに被害の実情が顕になり、被害者の数も増えてきています。
フィリピン政府および各国からの援助活動によって、一日も早い復旧と復興を祈るばかりです。

本来台風が通ると予想されていたコースよりかなり北側に進路をとったおかげで、我がリロアン周辺、セブ島南部では殆ど被害を受けることなく済みました。

が、しかし、台風の副産物と言っては何ですが…(!?)リゾート前のビーチには波とうねりで打ち上げられた大量の海藻と大量の漂着物によって埋め尽くされました。
海藻に関しては、あっという間に分解され姿を消してしまうので問題ありませんが、厄介なのはプラスティック製品等のゴミ!!!
こちらは出来る限り海に戻されてしまう前に回収しなければと考えております。

ところで水中世界では、ある程度砂を被った状態にはなったものの、去年の台風時の影響に比べると、さほどでもない感があります。
が、しかし、水中もやはり大量のゴミが流れ着いており、こちらの処理にもかなりの手間と時間が必要になると思われます。

が、まぁ、何とかなるっしょっ!!!
とにかく、全体的に見れば、今回の台風の勢力とコース等を鑑みて、本当にごく僅かな被害程度で済んで良かったと胸を撫で下ろすばかりです。

今回の台風で亡くなった方々や被災された方々に心からご冥福をお祈りすると共に、ご心配くださった多くの方々にこの場を借りて心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。。。

という事で、実際、通常どおり毎日ダイビングに出かけられるようになりましたので、これからもいつも通りな情報をご提供できるものと思いますので、今後共ヨロシクお願い致しますです。。。

セブ島のジンベエザメ(撮影:越智隆治)

セブの南西・モアルボアルより

セブの南西にある、モアルボアール、チキチキダイバーズの大谷ゆい香さん。

いつにも増して情報が飛び交っていた今回の超大型台風ハイエン。
ラジオでも幾度となく注意を促され、住民の間でも『大きな台風が来るから注意するように』と言われていました。

本当に台風が来るのかと疑いたくなるような晴天でしたが、“セブ直撃”と言われていたので、飛ばされそうなものはすべて室内に片付け、ボートは隣町の島影に移動させる等の対策をしました。

セブ上陸直前、ハイエンが進路を北に変更。
そのため、セブ南部にあたるモアルボアルでは周辺の木がいくらか倒れたものの、半日にわたる断水・停電のみで、幸いにも大きな被害はありませんでした。

現在は台風一過の晴天で、青い空と海が戻っています。
荒波で自慢の大きなテーブルサンゴがひとつ崩れてしまいましたが、その他のサンゴは力強く残っており、海中の大きな変化の情報も入っていません。

お越しいただいたお客様には、棚上一面に広がるお花畑のような珊瑚、そこに住むローランドダムゼルや、マンジュウイシモチ、ニシキテグリなどの可愛い魚たち、砂地に暮らすブルーバードリボンゴビーやブラックベリーゴビー等の珍しいハゼなど、ワイドもマクロも楽しんで頂いています。

ハイエンの影響で悲しい話も多く聞きますが、フィリピンの海の美しさを多くの人に知ってもらいたい、それは私たちの変わらない想いです。
皆さん是非遊びに来てくださいね。

そして最後になりましたが、同じ海で暮らす仲間として、一日も早い復興を心より願っています。

セブ島のソフトコーラル(撮影:越智隆治)

マクタン島より

BLUE CORAL 同様、マクタン島に店舗を構えるアクアスケープの柏志穂さんのリポート。

直撃を予想していた私も、台風が過ぎ去った8日の15時頃表に出てみて、思いのほか被害が少なかったことにほっと胸を撫で下ろしたのも束の間、2日後くらいから情報が入り出し、お隣のレイテ島を始めとする周辺の島の被害が甚大だったことに気付いたのです。

幸い、予定したよりわずかに北に進路が逸れたおかげで、私の住むセブ島及び、マクタン島では木が倒れたりする程度の被害に留まっていただけだったということに…。

一番被害が大きかったレイテ島では、支援活動が始まってまもなく、支援物資のトラックが襲われるなどの暴動がおきているようで、支援活動を行う団体の現地入りも現在制限がかかっている状況のようです。
これらのことは、日本でも多く報道されているとのことで皆さんもご存じかと思います。

今回の台風後、多くの方々からご心配を頂きました。

当初の報道では『フィリピン・セブで台風被害』というような見出しも出たとのことで、先の報道などもセブ島での映像だと思われる方も多かったようです。
前にもお伝えした通り、私の住むマクタン島及びセブ島は、幸いさほど大きな被害もなく、難を逃れることができました。

ところどころ木が倒れたり、停電、断水などライフラインが遮断されるなどの影響もありましたが、現在は復旧しており、治安も以前と同じ、通常通りの生活ができています。

また台風翌日から通常どおり、ダイビングもできております。
海の中も、台風による被害は今のところ見受けられません。

今月ご予約を頂いているお客様からご心配、またお気遣いのメールを頂いており、同時に渡航自体に不安を抱いてらっしゃるご様子でしたが、セブ島、マクタン島については問題なくご滞在頂けるものと思います。

今後もフィリピンを代表するリゾート、セブ島にたくさんの方々がご来島頂けるよう、私たちも精いっぱいできることからやって行きたいと思います。
そして、今回の台風でお亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈りすると共に、一日も早い復興を願っています。

セブ島でのダイビング(撮影:越智隆治)

ボホールより

BLUE CORAL ボホール支店の渡邊大輔さん

現地時間、10月15日午前8時10分におきたマグニチュード7.2Mの地震で、ボホール島にあるサグバヤンという地域が大きなダメージを受けました。
その他にもカティグビアン、アビ、トゥビゴン、ロオン、マリボホック、アンテプエラ、サン・イシドロ、カルメン、ロボック、イナバンガも地震により影響がありました。

観光スポットとしても有名なバクラヨン教会やロボック教会も被害がありました。
どちらも400年程の歴史を持つ教会なので、今回の被害にあってしまい残念です。

その他の観光スポット、ターシャ(世界最小メガネザル)やチョコレートヒル等は一時影響はありましたが、今現在では観光可能になっております。

今は地震も落ち着き、なんとか落ち着きを取り戻していますボホール島ですが、11月8日の大型台風ハイエン(ヨランダ)にてボホール島まで電気を供給しているラインに影響があり、今現在ボホール島&パングラオ島は電気が供給されていない状態です。
電気を供給している元にいつまでこの停電が続くのか聞いた所、「一ヶ月と2週間程度」だと…。
しかし、ボホール島内でも発電機があるホテルなどは大丈夫とのことです。

弊社がいつも使用しておりますタグビラランという繁華街にあるホテル(メトロセンター)はその内の一つです。
またBOHOL Lightという元から電気が供給されている地域に関しては、途切れ途切れにはなりますがなんとか電気は供給されているところもある状態です。

また、ボホールエリアの海・ダイビングに関して、台風の影響等も落ち着きいつも海に戻っておりますので、ご心配なく遊びに来て頂いて大丈夫です。

これらの被災地にはフィリピン赤十字や各種NGO団体、現地ボランティア団体が支援を行っております。
また、弊社でも先日おきた大型台風の影響で大きな被害があったレイテ島タクロバンに支援物資を届けるため支援活動を行っており、皆様からの支援金も集まり、その支援金で物資を購入し、物資に替え各被災地へ。
それらは引き受け先となっているテレビ局ABS-CBNに届けられ、各被災地へ届けられことになっております。

皆様、引き続きご協力程宜しくお願い致します。

セブ島でのダイビング(撮影:越智隆治)

多くのダイビングサービスが伝えるように、セブ・マクタンエリア、南セブエリアの海は健在です。
治安も問題ありませんので、皆さん是非潜りに来て下さい。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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