ハナダイが乱舞する極楽サンゴスポット「八重干瀬(やびじ)」
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八重干瀬「ユラビジ」
ベストシーズンの八重干瀬を潜る!
元気のバロメーター・サンゴがびっしり
宮古島の看板といえば“地形”。
サンゴが隆起し大地を作り、海が大地を削って生まれた迫力ある造形美はダイバーを虜にしています。
そんな宮古の海が、夏になると女性的で優しい横顔を見せる場所。
八重干瀬(やびじ)。
広大なリーフ(水面近くまである根や瀬)をサンゴが覆う、沖縄屈指のサンゴ礁群です。
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池間島の北約5~22kmに位置する 八重干瀬(やびじ・やえびし)の地図・マップ – 沖縄ツアーランド旅カタログより
平良港から東へおよそ40~50分。
それまで群青色だった海の色はリーフエリアまで来ると一変し、辺り一面、美しいエメラルドグリーンの世界が広がります。
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ダイビング歴15年目にして初めて潜る憧れの八重干瀬。
まず、驚いたのはその広大さ。
これまで、数百メートルほどの浅瀬のサンゴ群のことだと勝手に思い込んでいたのですが、聞けば、南北約17km、東西約6.5kmにわたる広大さで、浅瀬のサンゴだけでなくアウターリーフにはドロップオフのポイントもある、一大ダイビングスポット。
水深5mにも満たない水底には色とりどりのエダサンゴがびっしり。
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リーフトップは、若いテーブルサンゴで覆われていました。
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一番好きな水中シーンはサンゴだという、うみカメラマンのむらいさちも、エグジットするなり「サンゴは海の元気のバロメーター。元気なサンゴは見ているだけで、とっても幸せな気分になってくる」と嬉しそう。
昔に比べると減ったとはいえ、これほどのサンゴが残っているとは。
沖縄のサンゴというと陸続きの沿岸部の浅瀬という印象ですが、だいぶ沖にあるリーフ群なので、潮当たりがよく新鮮な水が供給され続け、生活排水の影響も受けにくいのかもしれません。
宮古島の看板である地形ポイントは魚があまり多くありませんが、対照的に、命の源であるサンゴがびっしりの八重干瀬は、ハナダイやスズメダイが群れる、誰もがダイビングを始める前に思い描いていた、ザ・南国の世界。
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北風に弱いエリアなので、行きやすいのは南風が多い5~9月ごろ。
ベストシーズンは夏場の6~8月ごろと言われています。
今回の取材ではおもいっきり北東風が吹いていて、水面はややざわめいていますが、夏場は、つるつるの鏡のような水面のことも多く、カラフルなサンゴが透けて見えるようなシーンが見られるチャンス!
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アウトリーフのソフトコーラル。ドロップオフでは群れや大物に期待できる
宮古島の八重干瀬を潜るならショップ選びが重要
平良港からは時間がかかることもあって、八重干瀬に行かないダイビングショップもあります。
逆に、八重干瀬を専門とするショップは、地形ポイントの集中する西側の下地島・伊良部島方面まではほとんど行きません。
今回、お世話になったFish a go go!のように、積極的にどちらも潜っているショップを利用すると、地形の下地とサンゴの八重干瀬を両方楽しむチャンスがあるでしょう。
真っ青なディープブルーの地形ポイントと、淡いスカイブルーのサンゴの世界。
この対照的な宮古島の魅力が最大に発揮されるのもこの季節。
う~ん、どっちを潜るか悩みます(笑)。
※
八重干瀬の海を潜るなら…
Fish a go go!
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今回、八重干瀬をナビゲートしていただいたのが「Fish a go go!」。
宮古島全域をカバーする機動力がウリのお店ですが、初めてお世話になった、うみカメラマンのむらいさちいわく“優しい雰囲気のお店”。
人見知りで、スタッフ同士がピリピリしているとショボンとなっちゃう繊細な彼には(笑)、朴訥な佐瀬章さんのキャラクターが醸し出すお店の空気感がとても居心地がよかったようだ。
また、船名が「さちこ食堂」というだけあって、さちこさん手作り料理の味はもちろん、可愛い色も大好物のむらいさちが反応したのは、料理の色彩や小物たち。
ゲストの方々をおあずけさせて(すいません……)、嬉しそうに写真を撮っていたのでした。
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デザートの杏仁マンゴー
「Fish a go go!」
http://fg2.jp/
TEL:0980-73-6266
おまけ動画
アフターランチで談笑していると、海に不思議な物体がどんぶらこ。
う、海坊主!
逃げ惑うダイバーたちの運命やいかに!?
宮古島・ダイビング新発見の旅!(2014.7)(連載トップページへ)
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