沖の吉右衛門で深場のハナダイを狙え! ~串本変態ダイビング 前編~
串本ダイビング取材、最後にガイドしていただくのは「マリンステージ串本店」の谷口勝政さん。
越智カメラマンが数々のドラマを一緒に築き上げてきた、「ガイド会」のメンバーである。
しかも、串本にいる魚のデータベース図鑑を作ってしまうほどの魚好き。
となれば、きっと変態に違いない……。
「谷口さん、何か“変態ダイビング”がしたいっす!」とリクエストすると、大きな瞳でこちらをギョロッと睨むと、ニヤリと左の口角を上げながらサムアップ。
串本に変態が出た!
ということで、深場大好き、ディープ谷口と深場の世界へ。
レアなハナダイと窒素に酔う恍惚
まずは「沖の吉右衛門」という聞きなれないポイントへ。
ナイトロックスも80%が用意されている。
水深40mオーバーの水底からそびえ立つ根で、トップがすでに水深27mという変態度高めのポイントだが、「他のポイントでは見られないハナダイ系が見られる」とのこと。
難しそうな山立てをして落としたアンカー沿いに潜降し、あとは根の東側の壁にへばりつき。
「もっとハナダイが欲しいのかい!」「ヒィ~」(恍惚) ※イメージ
ドロップオフにはスジハナダイが群れ、その中に混じって、めったにお目にかかれないハナダイたちが!
その他、ベニハナダイも見られ、さらに、大瀬崎をメインに潜りつつ、串本にも通う、変態ちっくダイバーの小久保さんは、灰色で地味に見えるスズメダイをよだれを垂らして(いるように見える)撮っている。
聞けば、デルタスズメダイやフカミスズメダイというレアなスズメダイで、なかなかお目にかかれないらしい。
深場ということで、20分程度のあっという間の変態プレイだったが、レアなハナダイと窒素に酔い、恍惚に感じいるには十分。
これ以上は体がもちません(笑)。
あまり潜られていない「沖の吉右衛門」だが、明らかに他のポイントとは雰囲気が違う。
伊豆の深場でも話題となるオキノスジエビの大群が現れたりもする、マニア垂涎のポイントだ。
“そのけ”がある人は、機会があれば、ぜひリクエストしてみてください。
【おまけ】
ハナダイを撮る越智カメラマン。
なぜか、ストロボをたかず、RGブルー(水中ライト)で撮影している。
そういう撮り方?
モニターで見たままが撮れるライト撮影は注目されているが、光に敏感なはずのハナダイ……。
聞けば、ストロボのトラブルで光らなかったとのこと。
「根のトップで試しだきした時は光ったのに・・・と一瞬どうしようと思い悩んだが、深いから船に戻るわけにもいかない。しょうがない、もうライトに頼るしかないと判断して、光量を上げて撮影してみた。それでも、ここのハナダイ、あまり逃げなくて撮りやすくてなんとか助かったって感じ・・・」
とりあえず、窒素酔いじゃなくて良かった(笑)。
「生物好き、写真好きダイバーはぜひ僕と潜って欲しいです」というオーナーガイドの谷口勝政さんは、世界のトップ水中ガイド集団「ガイド会」のメンバー。「いつも魚を見つけて自分が驚いて自分が喜んでいるのが伝わってくる。絶対に本人が一番楽しんでいると思う(笑)」とリピーターが言うように、うっかり休みまで潜ってしまうほどダイビングと海の生物が大好き。「珍しいもの見たい」「~の生態が見たい」「マニアックな~がしたい」など、目的がはっきりしていたり、マニアックなリクエストが大好物。フィッシュウォッチングとフォトダイブをじっくりしたいダイバーには最適だ。
マリンステージ串本店
〒649-3503
和歌山県東牟婁郡串本町串本1418-20
TEL:0735-62-4775 FAX:0735-62-4776
Email:kushimoto@marinestage.com
http://marinestage.com/kushimoto/
紀伊半島・串本ダイビング特集(2016Autumn)(連載トップページへ)
- 紀伊半島最南端のダイビングエリア「串本」の魅力を現地からお届けします! ~思い出の詰まった海~
- 世界の海を潜る越智カメラマンが、串本初ダイビングで心奪われたのはメジナ玉の“魚圧”
- 狙って会えた回遊魚! 串本№1遭遇ポイント「島廻り」 ~カンパチの集め方は「どんだけ~」~
- ダイバーを利用した捕食シーンを目撃! 串本で潜ったら絶対に見たい“アザハタ劇場”
- バブルリングの世界記録達成! ワンフレームに16個を激写
- これを読めばバブルリングのすべてがわかる! ~ダイバーのためのバブルリング究極版~
- 宮古島と串本の「ランチが美味しい」と評判のダイビングサービスの意外な共通点とは?
- 越智カメラマンが最もテンション上がった串本のフォトジェニックシーン ~海の中のタタリ神!?~
- 串本の海が凄いと思う本当の理由~伊豆ダイバーが驚く、本州で唯一の亜熱帯の海~
- ダイバーに人気の南方系マクロ生物が、数本でこれだけ撮れました
- 沖の吉右衛門で深場のハナダイを狙え! ~串本変態ダイビング 前編~
- フィナーレを迎えた「アンドの鼻」で砂泥のハゼを狙え! ~串本変態ダイビング 後編~