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紀伊半島・串本ダイビング特集(2016Autumn)(第6回)

これを読めばバブルリングのすべてがわかる! ~ダイバーのためのバブルリング究極版~閲覧無制限

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串本バブルリング(撮影:越智隆治)

前回の記事で、バブルリング世界記録達成の様子をレポートしました。

きっと「やってみたい!」と思ったダイバーも多いことでしょう。

そこで、南紀シーマンズクラブの岩崎俊哉名人に、バブルリングの作り方から練習法、熱い思いまで、余すことなくお聞きしました。

バブルリング決定版、いや、究極版です!

バブルリングの吹き出す時の3つのコツ

1.吹き出す「強さ」のコツ

息を吐き続けるのではなく、一瞬で、強く、出すのがコツ。
「少し離れたろうそくの火を、瞬時に吹き消す」ような強さ&イメージです(開閉は一回)。

2.吹き出す「方向」のコツ

“正確な”垂直方向に出すことが大事。
そのつもりでやっている人が多いのですが、仰向けになって水面を見上げる時、目線を基準にすると、意外と口の角度が垂直でない場合が多い。
ですので、“思った以上に反り返る”“のけ反るくらいの目線”の体勢から吹き出すのがコツ。

串本バブルリング(撮影:越智隆治)


アゴをあげて、水面に向かって口を垂直に向ける

中層でやるときは、水深を落とさないように注意が必要
一定の水深を保つコツは周りの浮遊物。
浮遊物が視座となり、自分のいる位置を吐くできます

3.吹き出す際の理想の「場所」選び

名人は、この場所選びが特に大事だと言っています。
理想の場所は「水が静止している場所」。
その場所を見極めるためには、浮遊物の観察が有効です。
自らが出している排気の泡ですら邪魔な動きを生みますので、水が静止している場所を見つけられるようになれば、泳ぎながらでもバブルリングが容易になります。

バブルリングの理想的な口の形とイメージ

これまで、「唇から舌を出し、頬を膨らませたら、唇を引く」「唇を折りたたむ」などなど、いろいろなコツを聞いてきましたが、名人の場合は“普通の口の形”。 ただ、吹き出し方が重要で、これまでバブルリングを音にすると“ぷっ”とか“ぽっ”でしたが、名人がバブルリングを表現する活字で行きついた答えは……

バブルリングの作り方

「遠くのロウソクを吹き消す強さで、ぷっふ(“ふ”は小文字)!」が名人の出した答えです。

串本バブルリング(撮影:越智隆治)

まずは体を固定しよう! バブルリングの練習法

1.着底してヒザ立ち姿勢になる

バブルリングの作り方
捕まるものがあれば岩などをつかんで、体勢が崩れないようにします。

2.呼吸を整えてセカンドステージをはずす

バブルリングの作り方

あるいは、写真のように寝てしまうのもあり

のけ反るように体を倒して、正確な垂直方向を意識しながら、浮遊物を見て水の動きが静止、あるいはそれに近い状態になるタイミングを待つ。
注意!:外したセカンドステージは手放さずに、すぐにくわえられるように、必ず保持しておきましょう。

3.正しい吹き方で垂直方向に吹き出す

バブルリングの作り方

あるいは、写真のように寝てしまうのもあり

名人に教わったコツと練習法を参考に、早速、試してみると……

できた!

串本バブルリング(撮影:越智隆治)

コツを聞いてシミュレーションしてからトライすると、成功率はグッとあがるでしょう。

バブルリング 応用編

バブルリング乱れ打ち

串本バブルリング(撮影:越智隆治)

まずは、連打できるようになることが名人への第一歩。
これができれば、一直線、螺旋など、水中の泳ぎ方でいろいろな作品ができるようになります。

何より、まずは、仰向けで中性浮力を取れることが前提で、この時も浮遊物が目安として役立ちます。

「流れがあるとできないのでは?」と思われるかもしれませんが、電車の中で煙草の煙を吐いてもそのまま上に行くように(!?)、浮遊物を目安に、自分自身を流れに同化させることができれば、自分の口の周りには水が静止した環境ができて、きれいなバブルリングを発射できるとのことです(打ちあがったバルリングは斜めに連なりますが)。

バブルリングミックス

先に出したリングを、後のリングが追い越して、くぐったと思ったら、今度は、先に出したリングが追いかけて……と、リングの追いかけっこができるとプロの域。 まずは基本的なバブルリングを出せることが前提で、先に出すバブルリングと後のバブルリングを発射する座標と軌道をそろえることがコツ。

その上で、後から出すバブルリングを強めに発射します。
後のバブルリングが追い越したらそのまま行ってしまいそうですが、先のバブルリングを引っ張り上げる力が働き、追いかけっこ、くぐり合いになるというわけです。

さらに、応用技で2つのバブルリングがひとつになるバブルリングミックスができれば一人前。

串本バブルリング(撮影:越智隆治)

串本バブルリング(撮影:越智隆治)

「そろそろ世界一を自称してもよいかなって」
岩崎名人、バブルリングを語る

―――バブルリングを始めたきっかけやマスターするのにどれくらいかかったのか教えてください。

岩崎名人

ガイドを始めたころ、先輩がバブルリングを出しているのを見て、すぐに真似しました。当時、安全停止中が一般的になってきた時期で、3分間の変な間が気になったんです。そんな時にバブルリングをやると、ゲストが喜んでくるので定番になりました。日々ちょっとずつ練習する程度でしたが、毎日潜るガイドという仕事なので、経験が積み重なるうちに1~2年でできるようになりました。

―――僕や越智カメラマンは仕事柄、たくさんのガイドさんと潜ります。バブルリングができるガイドさんは多いですが、2人共通の認識として、間違いなく岩崎さんが世界一だと思うのですが、自覚はありますか?

岩崎名人

最初は僕なんかが……と思っていましたが、バブルリングにかける情熱は誰にも負けないことに気がつきました(笑)。えばるわけでも「どうだ!」と言いたいわけではないですが、単純に、バブルリングって素敵だし、おもしろいと思うんです。だから、安全を確保した上で広めたいし、自分にできないバブルリングができたりアイデアがあるガイドがいたら名乗り出て欲しいです。負けたくないという思いもありますが、切磋琢磨して新たな視点を得たい気持ちもあるんです

■「熱中スタジアム」岩崎名人の出演回 ~バブルリングのバリエーション動画~

まとめ

たかがバブルリングと思うなかれ。

水の中でひとつのスキルを追求することから得られる発見や技はダイビングの幅を広げてくれるでしょう。
バブルリングが上手な人は、ほぼダイビングも上手です。

また、写真や動画の被写体としても面白く、単純に人気者になれます(笑)。

ただ、自分も息を吐き過ぎて水を飲みそうになったり、中層で浮かびながらやったら、知らずに水深を落として耳を傷めそうにたりしたことがありますので、しつこいようですが、安全の確保を第一に、楽しんでくださいね。

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