越智カメラマンが最もテンション上がった串本のフォトジェニックシーン ~海の中のタタリ神!?~
串本ダイビングも5日目。
今回、串本初の越智カメラマンが、「ここ、ワイド写真を撮るのに最高だね! おもしろかった」と最もテンション上がったポイントは、意外なことに「中黒礁(なかぐるみ)」。
“意外”と言ったのは、このポイント、「雨の影響を受けやすく、透明度が抜けにくい」「時期が限られている」からなのか、あまり現地のダイビングサービスは潜らないからだ(ポイントMAPにも載っていないことも)。
ただ、ガイドをしていただいた《センターウェル》の中井嘉昭さんは、「水深が浅いのにものすごい魚群で、しかも珍しく白砂なんです。ですので、講習が終わった後の1本目に連れて行くととても喜ばれます。ただ、ビギナーならともなく、プロカメラマンをお連れするのがよいのか……」と悩んでいたので、とりあえず潜ってみると、プロかぶりつき(笑)。
そんな「なかぐるみ」の水中をのぞいてみると……。
クロホシイシモチとキンメモドキの
魚群の積乱雲
エントリーし、遠目から根を見ると、根の表面が何やらユラユラ、モヤモヤ動いている。
近づいていくと、その正体は、根をすべて覆うほどの圧巻の大魚群!
魚群には濃淡があって、大多数を占めるクロホシイシモチに隠れた奥の方に濃い魚群が見える。
群れをかきわけていくと、やがて視界が晴れ、濃い魚群の正体はキンメモドキの大魚群。
さらに、魚群の底をヨスジフエダイが泳ぎ、表層をアジやカマスが滑走する何とも不思議な魚群積乱雲。
ハナミノカサゴが静かに魚群の雲に突っ込んでいくと、魚群はハナミノカサゴを縁取るように割れていく……。
このポイントはすごい!
越智カメラマンが夢中になった
タタリ神の正体とは……?
ふと、夢中で撮影する越智カメラマンの向こう側にいるロクハン(真っ黒な6.5ミリのウエットスーツ)の中井さんが、撮影の邪魔になるポジショニング……。
越智カメラマンもそう思ったようで、撮影の手を休めて中井さんの方を見ているので注意でもするのかと思ったら……なぜか、中井さんに近づき撮影し始める。
何事かと近づいていくと、黒い物体の正体は中井さんでなく、巨大なゴンズイ玉!
中井さんによると、陰を好むゴンズイ玉が表に出てくることは少なく、ましてや、中層で玉になっていることは希だそうだ。
曇天と雨の空模様にテンションが下がっていたが、逆に暗い光が良い方向に作用したようだ。
ゴンズイ玉を観察していると、外側に押し出されたゴンズイは、我先に群れの内に潜りこみ、代わりに外側に来てしまったゴンズイがまた潜りこみ……といった動作を繰り返している。
そんな、禍々しく蠢く姿はまるで「もののけ姫」タタリ神のよう。
ふいに中井さんがゴンズイ玉に近づいていくので見ていると、何と手を突っ込むではないですか!
そんなことをすると、祟られ……いや、毒針に刺されるのでは?
「釣った後のゴンズイや陸に打ちあがっているゴンズイを触る時は注意が必要ですが、水中で毒針を出すことは、つかんだりしない限りめったにないんですよ」との言葉は「へ~、知らなかった」とためになったが、良い子の皆さんはマネしない方が無難ですよ。
エグジット後、「水深が浅いので、晴れると太陽光もきれいなんですよ」と中井さん。
「タタリ神は出なくなっちゃうけど、晴れたら明日もここ潜りましょう!」と越智カメラマン。
アザハタの根でもなく、浅地でもなく、備前、住崎などの人気ポイントでなく、初めて積極的にもう一度潜りたいとリクエストした「なかぐるみ」。
ワイド写真を撮るダイバーには、良い時期にぜひ潜って欲しい穴場ポイントかも。
2014年4月、自宅を改装して夫婦二人で始めた「田舎の実家に帰ってきた」ようなアットホームなお店。ゲストは6人まで(初心者は4人まで)の少人数制なので、初心者でも安心だ。港はすぐ目の前で、施設もコンパクトにまとまり、ダイビングから宿泊、食事まで、全部がここで事足りる店。とにかく人柄がよいと評判の中井さんと奥さんの明日香さんの家庭的なサービスでリピート率が高い。
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センターウェル
〒649-3514
和歌山県東牟婁郡串本町有田670
TEL.0735-70-4472
info@center-well.com
http://center-well.com
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