キモかわ?深海生物シギウナギが大瀬崎の湾内に出現。その名の通り”シギ”のような顔立ちにビックリ!

リュウグウノツカイやテンガイハタミノアンコウの幼魚出現か!?など、西伊豆・大瀬崎では今シーズン、多くの深海生物たちが姿を見せています。そんな“アツイ”大瀬崎から、またしても珍しい深海生物の目撃情報が届きました!

シギウナギを発見したとの情報を提供してくださったのは、大瀬館マリンサービスの熊谷翔太さん。
熊谷さんに、発見時の様子などを伺いました。

シギのようなくちばし(吻)が特徴
深海生物シギウナギが出現

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今回、珍しいシギウナギが見られたとのこと。そのときの様子を教えてください。

熊谷さん

姿を見せたのは2月24日(日)のお昼ごろ、ポイントは「湾内」です。

午前中に他のショップのゲストの方から「水面にシギウナギがいた!」との情報をいただき、見に行ってみたんですが、すでに失踪……。

その後、僕がゲストの方を連れてガイド中、水深20m地点の水底から2mほどの中層をクネクネと泳いでいるのを発見しました!

クネクネと泳ぐシギウナギ。通常300~2000mの深海に生息する(撮影/熊谷翔太)

クネクネと泳ぐシギウナギ。通常300~2000mの深海に生息する(撮影/熊谷翔太)

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写真を見ると、なんとも不思議な顔! まるでくちばし(吻)のような長い顎と口が特徴的ですね。

熊谷さん

そうですね、名前に“シギ”と入っているように、まるでくちばし(吻)の長い鳥、シギのような顔つきだと思います。

実は撮影中、顔の前に指をそっと出してみたら、パクっと一度噛まれました……笑 くちばし(吻)は硬くザラザラした歯が並んでいたのですが、顎の力は甘噛みだったのか、あまり強くなかったです。

通常なら絶対に不利なこの反り返った口でどのように捕食をするのか、とっても気になりますね!

先の反り返ったくちばし(吻)のような顎と口を持っている(撮影/熊谷翔太)

先の反り返ったくちばし(吻)のような顎と口を持っている(撮影/熊谷翔太)

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大瀬崎ではたまに見られるんでしょうか?

熊谷さん

大瀬崎では、瀕死の個体やすでに死んでいる個体も合わせて、過去に6〜8回程度目撃されていました。
それが去年の2月8日、今年に入ってからは2月11日、そして今回の2月24日と、ここ最近になって元気に泳ぐ姿が頻繁?に目撃されています。

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浅場に深海魚が増えるというのも、何だか普段と違う気がして気になりますが……。それはさておき、大きさはどれくらいだったんですか?

熊谷さん

体長は約80㎝。体は半透明で、水の色が透けて見えていました。特に目を引いたのは、エラの裏側にある赤い器官。

調べてみると、胸ビレの下あたりに肛門があるようなので、通常の魚と違い、顔のすぐ後ろに内臓が集中していることになります。赤い部分は恐らく、その内臓の色なんじゃないかと思っています。

全長80㎝で頭4㎝くらいなので、約20頭身! 菜々緒さんも顔負けのスタイル?ですよね~笑

ちなみにこのくちばし(吻)の部分、オスは成熟するとなくなるみたいです。この個体のサイズだとすでに成熟しているはずなので、この子はメスだと思われます。

えらの後ろの赤い部分(内臓と思われる)が特徴的(ゲストの方が撮影)

えらの後ろの赤い部分(内蔵と思われる)が特徴的(ゲストの方が撮影)

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それにしても熊谷さん、リュウグウノツカイやフリソデウオなど、今シーズンは大当たりですね!

熊谷さん

いえいえ、そんなことないです!
実は今回も、「僕、カメラ持って行かないので何か出ますよ~」と冗談で言いながら、いつも記録用にぶら下げているコンデジを陸に置いて潜っていたんです。そうしたら案の定、出てしまいました……笑

当然カメラを持って行っていないので、ただただ大興奮で撮影するゲストのアシストをしていると、その方がカメラを貸してくれたんです。
心優しいゲストのご厚意で、無事に撮影することができました!
その後のログ付けが大盛り上がりだったことは、言うまでもありません。

体の直径は2㎝ほど。伊豆で見られるアナゴやウナギよりも細いイメージ(撮影/熊谷翔太)

体の直径は2㎝ほど。伊豆で見られるアナゴやウナギよりも細いイメージ(撮影/熊谷翔太)

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最後に、オーシャナ読者のみなさんに一言お願いします!

熊谷さん

空前の深海魚フィーバーに続き、まだまだ何が出るかわからない今年の大瀬崎。日本初、はたまた世界初の発見もあるかも!?
奇跡を起こし続けている大瀬崎より、皆さまをお待ちしております!!

<情報提供>

大瀬館マリンサービス 熊谷翔太さん

ミツクリザメとパチリ。

ミツクリザメとパチリ。


西伊豆・大瀬崎にあるダイビングサービス「大瀬館マリンサービス」。店長の熊谷翔太さんは、大瀬の海の素晴らしさに惹かれ、現地スタッフとして働くことを決意。激レア生物から深海魚、季節によって姿を変える大瀬の海の魅力をしっかりガイドしてくれる。

大瀬館マリンサービス
〒410-0244 静岡県沼津市西浦大瀬325-1
TEL055-942-2725 FAX055-942-3252

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PROFILE
大学を卒業後、ダイビング雑誌の会社に入社。
雑誌編集を数年経験後、IT企業でメディア制作、妊娠・出産系ウェブサイトの広告編集などを担当。
現在はフリーの編集者・ウェブディレクター・校正者・ライターとして働く。
校正技能検定中級。2児の母。
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