セブ・マクタンでマクロ三昧ダイビング!熱烈ガイドでマクロ写真撮影に目覚めました
すいかのダイビング旅ログ第2回目の行き先はセブ・マクタン島。
マクタンは昔一度だけ潜ったことがあり、ドロップオフとか・・・魚影とか・・?なイメージだった。
ただ、事前情報によると今回取材でお世話になるダイビングショップ、PCOM DREAM(ピーコムドリーム)のガイドさんはとにかくマクロに強くて良い写真も撮らせてくれる!とのこと。
・・・今までの連載を読んでくれた方ならわかるかと思うが、私がいつも持っているのは360度カメラとiPhone。
そう、「マクロとは?」って感じのダイバーなのだ。
しかしとにかくピーコムさんはマクロ・写真好きにはうってつけとのことで、「それならその魅力に気づかせてもらおうじゃないか!」と、360度カメラとiPhoneを置き、TG-6を持って潜って来ました!
※TG-6:ダイバーお馴染みオリンパスのコンパクトデジカメTGシリーズ最新版。マクロモードを超える顕微鏡モードの設定ができる。詳しくは→「OLYMPUS Tough TG-6」発売日決定!待望の新機種は水中に特化した機能が充実
マクロの世界の入り口へ
こんなところにこんな生物がいるなんて
結論から言うとマクロ、そして写真、めっちゃ面白かったです。
1本60分とたーっぷり潜ったのですが、次から次へと小さい生物をガイドのトモさんが案内してくれるので全く飽きず。
しかもマクタンでこんなに見られると思っていなかったのでイメージがガラリと変わってしまった。
ダイビングポイントはダイビングセンターがある港からボートで十数分と、長距離移動がなかったのも嬉しい。
ポイントに到着しエントリーすると、色とりどりのサンゴと魚たちが所々に群がっている。
水温もほぼ30度と暖かいしサンゴとカラフルなお魚、幸せ〜と普段の私ならここで満足していたことだろう。
しかしここからが見所なのである。
ウミトサカに近づいて行って見てみよう。
お分かりだろうか。
リトルファイルフィッシュという3cm程の小さなハギが漂っている。
うまいことウミトサカに姿を似せているのでぱっと見では見逃してしまうところだった。
さらにこんなところにも生物が。
よくいるホヤである。
大きさでいうとちょうど私の人差し指の爪くらい。
一見普通のホヤだが中をのぞいてみると・・・。
チラッ。
ホヤの中に棲んでいる、その名もホヤエビ(まんまやん)が現れた。
こんなところに棲んでいるなんて、こちらも知らなければ見逃していた・・・・。
ホヤが1cmくらいだからホヤエビは5mmとか、3mmくらい・・?
そしてホヤの横からいい感じにライトを当ててくれるトモさん。
マクロ写真初心者の私でも見られる写真が撮れている。さすがである。
マクタンの海でさらにミリ単位の生物の世界へ・・・
ここまででも普段大きい生物にわーっと言っている私にはだいぶ驚きの世界なのだがさらに小さきものたちが次々に現れる。
こちらは現地人ガイドが見せてくれたエルコラニア・エンドフィトファガというウミウシ。
体長はなんと約3mm。もはやカメラを通さないとよく見えない。
このウミウシ、産卵前になるとバロニアという球状の海藻の中に入り、中の葉緑体を食べ尽くして卵を産み付けるそう。
この個体はまだバロニアに入る前だったのか、一生懸命に海藻の上を動き回っていた。
この球状の海藻の上に乗っているオレンジ色のカタツムリみたいなやつはタカラコゴメガイ。
3mm程度。
そして羊にそっくりと言われているテングモウミウシ!
餌である海藻や藻の葉緑素を体の突起部分に貯めており、そこで光合成もできてしまうというなんともエネルギー効率の良いウミウシ。
これまた体長5mmくらいだけど、顔がしっかりあってとってもキュート。
シャッターが止まらない。
ガイドの水中撮影サポートも抜かりない
それはフィコカリス・シムランスを紹介してくれた時のことだった。
聞きなれないその生物は主に熱帯地域に生息するモケモケしたエビの仲間だ。
この子も5mmくらいなのだがとにかくふわふわと海藻から海藻へ飛び回る・・。
じっとしてくれないのでブレるわマリンスノーでぼやけるわで写真を撮るのに苦戦しているとトモさんが横から大声でアドバイスをし始める。
「ストロボ切ってー!」
「露出ちょっと下げてみて!」
「◯×△※・・・!!」
(水中なので割と聞き取れない)
そして止まったところを横からライトで照らしてくれる。
必死でトモさんの松岡修造ばりに熱いアドバイスに耳を傾け、撮れたのがこちらの写真である。
モケモケと卵が綺麗に写ってる・・・!
マクロでこんなに綺麗に撮れたのは初めてで、思わず水中でトモさんに画面を見せて「キター!」と歓喜の声をあげてしまった。
シムランスだけでなく、ワレカラを撮ったときもこの熱烈サポートをいただいた。
ワレカラはカマキリやナナフシに似た1cm程度の甲殻類だ。
このバ●タン星人な1枚を撮るまでもとても苦労していた。
なぜかというと、大量にい過ぎてどうしたらいいかわからなくなってしまったからである。
茶色い枝のようなところの周りについているのは全てワレカラ・・・。
しかも体を曲げたり手を広げたり、ずーっと動き回っているのだ。
動揺しながら撮影しているとトモさんが横からサポートしてくれた。
「被写体一個に絞って!」
「顕微鏡モード!」
「◯×△※・・・!!」
(やっぱり聞き取れない)
・・・そうして撮れたのがあのバ●タン星人だったのだ。
なぜそんなに生物を見つけられるのか
写真を上手に撮らせてくれるのか
メインガイドのトモさんはピーコムドリームで17年ガイドをしており、経験本数は1万7000本にものぼるそう。
どこに何がいるかを知っているのはもちろん、「見つけてやる!」という気概がすごい。
ロンブロンでしか見られていなかったクロスジウロコウミウシがマクタンにいる可能性がわかった途端「絶対に見つけてやる」と言って本当に見つけてきたのだから恐ろしい。
さらにその師匠でありピーコムドリームのオーナー、Yoshiさんは生物の生態、行動の学者であり水中写真家なのである。
こちらは最近の写真だが、過去の写真集も見せてもらったら全く写真の雰囲気が違って驚いた。
なんでも1つの撮影方法や表現方法にこだわらず、常に新しい手法にチャレンジし続け、表現の幅を広げ続けてるとか。
船の上でも写真のことを教えてくれた。
ほぼほぼ初心者の私にはストロボのセッティングや原理を丁寧に教えてくれた。
おかげで初めての2灯ストロボだったが楽しく使うことができた。
マクロだけじゃない、オスロブのジンベエザメダイビングを1日2本できるのはピーコムドリームだけ
ここまで「マクロに強い!」と紹介してきたピーコムドリームだが、実はオスロブのジンベエザメダイビングも得意としている。
しかも、1日に2本潜ることができるのはセブのダイビングショップでもピーコムドリームだけ。
オスロブのジンベエザメといえば”観光客に見せるために餌付けするなんて”というイメージを持つ人もいるのだが、実際は生態系に影響を与えずにジンベエザメを引き止める仕組みを作り、そこを観光客に開放をしているのだ。
始まりとしても、無理に餌付けしたのではなく、オスロブの漁師が少量のオキアミを使ってグルクマを釣っていたところに、ジンベエザメが集まって来るようになったのがきっかけだ。
そこから市が管理に入り、ルール作りを行う際に研究者としてアドバイザーに入ったのがオーナーのYoshiさんだ。
Yoshiさんによるとジンベエザメは水深30~300mの間を上下しながら回遊しており、浅瀬に来るときは湧昇流に乗って海底から上がって来るプランクトンを食べにきているときだそう。
つまりオスロブにやって来るジンベエザメはもともと湧昇流が発生しているポイントに食事に来ていたが、その近くでオキアミ釣りがされていたので寄って来るようになったのだ。
この習性を利用し、食事に来たジンベエザメに餌を与えることで引き止めているのだ。
さらにこの餌に依存しないように、1日に与える餌の量はジンベエザメが1日に必要とする摂取量の10%に満たない量に定め、ツアーもジンベエザメが自然に集まって来る時間帯(7時〜10時)でしか催行していない。
実際にジンベエザメの個体識別を行なっているのだが、毎日同じ個体が来る訳ではなく、識別された約300個体のうち7〜15匹が入れ替わりでやって来るそう。
最近では単独ではなく決まったグループでやって来ていることもわかり、どのようにグループを作ってコミュニケーションを取っているのかといった研究も進めているとのこと。
ピーコムドリームに訪れた時にはぜひYoshiさんに個体識別の方法や、少しずつ明らかになって来たグループ行動の秘密など聞いてみてください!
ここでは書ききれないほどのジンベエザメの話をおもしろわかりやすく教えてくれます。
セブ・マクタンの海で生物を楽しむならピーコムドリーム
ここまで読んでいただいたならもうお分かりかもしれないが、すっかりマクロと生物の行動の話に夢中になってしまった私。
次はオスロブのジンベエザメダイビングにも連れていってもらいたい。
フィッシュウォッチングや海の生物が好きな方なら水中でも陸上でも楽しく過ごせるはず。
写真も始めたばかりの方もベテランの方も楽しく上達することができるのでは。
そして私のようにあんまりマクロ知らなくても少しでも生物に興味があればぜひ行ってみてほしい。
きっと新しい世界が広がるのでダイビングがもっと楽しくなるはず!
■ショップ紹介
水中写真家Yoshiさんが経営するダイビングショップ。
その下で17年ガイドをしているトモさんが紹介するマクロ生物はマクタンの海のイメージを変えること間違いなし。
ゆっくりと生物を見るダイビングスタイルで、紹介する生物や潜るポイントはゲストのレベルに合わせてくれる。
また、Yoshiさんはオスロブのアドバイザーも務めているため、1日2本のオスロブでのジンベエダイビングも可能。
CLUB Paraisoというリゾートも併設しており、Yoshiさん自ら振る舞う夕食はゲストからも評判。
夕食時にはぜひ生物のことをYoshiさんに聞いて見てほしい。
わかりやすく面白く生物のことを教えてくれる。
機材提供:OLYMPUS、INON
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