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はじめての水中写真上達サプリ(第12回)

ダイバーにオススメの水中ストロボ2機種 ~S-2000とYS-01~閲覧無制限

カテゴリ:
器材(カメラ)

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

今回は外付け水中ストロボのお話をしたいと思います。
最近はコンパクトデジカメでも外付けストロボは、手軽に写真のクオリティーを高められるアイテムとしてとても人気です。

※ストロボ、フラッシュ、スピードライトなどいくつかの呼び方がありますが、本記事ではストロボで統一します。

ダイバーの人気を二分する水中ストロボ

カメラメーカー純正の水中ストロボもいくつかラインナップされていますが、おそらくシェアとしてはサードパーティーのINON(イノン)・SEA&SEA(シーアンドシー)の2社が人気を二分していると思います。

その中でもコンパクトカメラや小型ミラーレスカメラでも使いやすいサイズの2機種がこちらです。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

左:S-2000(INON) 右:YS-01(SEA&SEA)

人気のストロボ2機種、それぞれの特徴は?

■INON製 S-2000の特徴

INONのS-2000は、なんといってもその超小型サイズが特徴。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

小型でも光の強さ(ガイドナンバー)や、光の照射範囲も上位機種のD-2000と同じなので明るさで劣ることはありません。

連射性能であるリサイクルタイム(一度発光してから次の発光準備までにかかる時間)も短く、キビキビとした動作が魅力です。

小型軽量なので、長いアームを用いて左右に2灯を使用するときでもバランスがとりやすく、私はワイドレンズのカメラで好んで使っています。

ワイド撮影では、ストロボ光をプラス補正(強める)したり、フル発光が必要となる事が多いのですが、小型ながらわかりやすいダイヤルが備えられているのも魅力です。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

■SEA&SEA製 YS-01の特徴

YS-01はS-2000に比較するとひとまわり大きいサイズですが、ターゲットライトが備わっているのが特徴です。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

ターゲットライトとは、小型のスポットライト。
これにより水中でもストロボの向きを合わせやすく、補助光にもなるので暗い中でもピント合わせが容易になります。
また、シャッターを押してストロボ発光の時には自動的に消灯します。

このような理由から、私はマクロ撮影用に重宝しています。

マクロ撮影では、レンズの近くに被写体があるため、ストロボも近くから発光することになりますが、白トビが起きないよう光の強さを“無段階に減光”できるダイヤルも使いやすい理由のひとつです。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

内蔵でなく、なぜ“外付け”ストロボが必要なのか

内蔵ストロボではなく外付けストロボがあるとよい理由はいくつかあります。

1.内蔵よりも光が強力

内蔵ストロボで綺麗に光が当たる被写体までの距離は50㎝~1mくらいが限界です。
光が弱い事と、光のあたる範囲が狭いことが原因です。

外付けストロボは内蔵の2~3倍の光の強さがあると同時に照射範囲も広く、きれいに撮影のできる範囲が広がります。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

2.外付けレンズを付けたとき

外付けワイドレンズを装着すると、内蔵ストロボの光が遮られます。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

アームなどを組み合わせて外付けストロボをカメラから離すことにより解決します。

3.小さな生物のマクロ撮影のとき

小さな生物を撮るときにはマクロモードにしたり、クローズアップレンズを付けて思いっきり近づいて撮りますが、内蔵ストロボの光がカメラハウジングのレンズを覆う筒の部分に遮られて影の写った写真になってしまいます。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

やはり、アームを用いて適切な位置からストロボを照射すると全体にしっかり光の当たった写真を撮ることができます。

4.群れなど広範囲を撮影するとき

広範囲にストロボ光をあてて撮るには、複数灯のストロボを用います。
1灯では広い範囲に万遍なく光をあてるには限界があるためです。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

また、ギアンガメアジなど“ひかりもの”は、正面からストロボ1灯で光を当てると、光の反射により写真の中央だけ「白トビ」の激しい写真になります。

長いアームを用いてカメラから十分に距離を離し、左右から角度を付けた2灯で狙うことにより、広範囲にフラットに光の当たった写真を撮ることができます。

5.透明度が悪い時

プランクトンや堆積物など浮遊物が多い環境では、正面からストロボを照射すると反射により白いゴミだらけの写真になりがちです(マリンスノー現象と呼びます)。

水中写真第12回連載用(提供:大川拓哉)

これもアームを用いてストロボをカメラから離し、左右から角度をつけて発光させる事がマリンスノーの低減に有効な方法となります。

そもそもストロボが必要な理由

水中で写真を撮るのにストロボやライトなどの照明はなぜ必要なのでしょうか。
陸上に比べて暗い、というのも理由として間違っていませんが、「”色”を出すため」というのが大きな理由です。

ご存じのとおり、水中では深くなるにつれて太陽からの光は赤系の色から失われていき、青や緑に偏った世界となっていきます。
照明光なしに写真を撮ると青や緑一色の写真になりがちです。

最近は「水中ホワイトバランス機能」により色の偏りを補正して、かなり自然な色合いに補正する機能を備えたカメラも多いですが、効果は万能ではありません。

水中写真で「きれいな色」「本来の色」で写すためには、照明光が必要なのです。

この記事では私の使い分け例をご紹介しましたが、どちらのメーカーの機種でも基本的な性能は十分に高く、ワイド・マクロに関わらず問題なく使用できます。
お使いのカメラにより非対応機種もありますので、各メーカーのHPなどでご確認を!

※SEA&SEA対応表
http://www.seaandsea.co.jp/products/strobe/compatibilitychart/a.html

※INON対応表
http://www.inon.co.jp/products/strobe/s2000/compatibility.html

もちろん、内蔵ストロボだけでも上手に撮れるシチュエーションや技術もありますが、外付けストロボのメリットを生かすとより撮影範囲や表現の幅が広がります。
そして外付け水中ストロボは今やかなりコンパクト。
水中写真の楽しさに気づいた人は、ステップアップにいかがでしょうか。

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