“ミスターオリンパス水中”清水淳の水中カメラレビュー(第3回)

【“ミスターオリンパス水中”清水淳のハウジングレビュー】-OLYMPUS PEN E-PL10&UH-EPL10-

この記事は約3分で読めます。

水中向けカメラセットアップ

ここからは水中撮影に適したカメラのセットアップをお伝えする。

省エネルギー対策

1分間操作しないと休眠状態でエネルギーセーブ。撮影後のRECビューは5秒間にセット。

撮影モード・画面設定

プログラムオートにし、ダイヤルに露出補正を割り振る。罫線を方眼タイプで表示。カメラコントロールは、LV-SCP(ライブビュー・スーパーコントロールパネル)。タッチパネルは使わない。

画質設定

jpegの圧縮率をSuper Fineにセット。

オートフォーカス

ワイド撮影時はAFターゲットを全点。マクロ撮影時は1点にセットする。1点の場合AFターゲットの位置を十字キーで変更する。

ホワイトバランス

E-PL10には水中ホワイトバランスが搭載されていない。その為に青被りの除去は2通り編み出した。1つはカラークリエーターを使い、色彩をコントロールする方法。撮影する環境に合わせてダイヤルと十字キーで赤系に色彩調整、彩度を十字キーで上げ気味にセットした。

もう一つは、ワンタッチホワイトバランスを使う方法。Fnボタンにワンタッチホワイトバランスをセットし、水深によって自作したワンタッチホワイトバランスを使い分ける。

LV-SCP(ライブビュースーパーコントロールパネル)から、ホワイトバランスを「ワンタッチホワイトバランス1」にセット。モニターで見て、海の青い部分と砂地が半々になるアングルでシャッターを押しワンタッチホワイトバランスを設定。本来は白い紙に向けてホワイトをセットするが、その場合真っ赤にセットされてしまうのでこの方法を使う。

セットしたホワイトバランスに、さらにホワイトバランス補正を操作して好みの色合いを探る。この場合はA-7,G+2になった。ワンタッチホワイトバランスは4つメモリー可能なので水深に合わせて4種類を上手に用意できれば、TG-6の様に水深に合わせてピックアップして使える。

水中ホワイトバランスが搭載されていればこんな手間は必要ないのに!と水中ホワイトバランスのありがたさを痛感する。

ここまで設定し、Fnボタンを押すとワンタッチホワイトバランスが呼び出せる。

作例

自家製水中ホワイトバランス浅瀬。ワンタッチホワイトバランスを操作してサンゴのきれいな発色が出せた。

撮影地:慶良間/コーラルヘブン
レンズ:MZD14-42mmEZ
ワイコン:UWL-400
撮影モード:P(プログラム)モード
フラッシュ:OFF
ホワイトバランス:ワンタッチホワイトバランス
絞り値:F5.0 
シャッター速度 1/180
露出補正:+0.3EV
感度:ISO200

こんな迫力のシーンも撮れた。なかなかやるね!E-PEL10。絞りとシャッタースピードはプログラムシフトでコントロールする。

撮影地:モルディブ
レンズ:MZD8mmFishEyeF1.8
撮影モード:P(プログラム)モード
フラッシュ:ON(マニュアル)
ホワイトバランス:5300K
絞り値:F3.5 
シャッター速度 1/160
露出補正:-3.3EV
感度:ISO200

透明度の良い時期に真っ赤なイソバナを狙った。トリコロールカラーが好き!

撮影地:慶良間/カミグスク
レンズ:MZD8mmFishEyeF1.8
撮影モード:P(プログラム)モード
フラッシュ:ON(マニュアル)
ホワイトバランス:5300K
絞り値:F5.6 
シャッター速度 1/250
露出補正:-1.7EV
感度:ISO200

水深26m。水中ホワイトバランスが搭載されていないのでカラークリエイトで青被り対策。意外と上手くいった!

撮影地:モルディブ
レンズ:MZD8mmFishEyeF1.8
撮影モード:P(プログラム)モード
フラッシュ:OFF
ホワイトバランス:5300K
絞り値:F3.2 
シャッター速度 1/200
露出補正:-0.7EV
感度:ISO200

八方サンゴのアップ。まるでお花が咲いた様な作風に仕上がりに。背景を明るいブルーで仕上げたかったので、シャッター速度を落とさずにISOを上げ撮影。

撮影地:慶良間/まったり根
レンズ:MZD14-42mmEZ
クローズアップレンズ:UCL900PRO
撮影モード:P(プログラム)モード
フラッシュ:OFF
ホワイトバランス:5300K
絞り値:F5.6 
シャッター速度 1/320
露出補正:-0.3EV
感度:ISO1000
ライト:RGBlueSystem03PC

真っ赤な絨毯に乗るこのエビは撮影していて楽しい。LEDライトのヘッドユニットがとても小さいので、ライティングはかなり自由度が高くやり易い。当て方を左右ともサイド気味にして、ベッタリとした立体感がない作風にならない様に注意する。正面から当てると被写体が溶ける。

撮影地:慶良間/とうま2番
レンズ:MZD14-42mmEZ
クローズアップレンズ:UCL900PRO
撮影モード:P(プログラム)モード
フラッシュ:OFF
ホワイトバランス:5300K
絞り値:F8.0 
シャッター速度 1/ 160
露出補正:-0.3EV
感度:ISO640
ライト:RGBlueSystem03PC

マスターレンズが非力な標準レンズなので、AOI-HK製+23.5超高倍率クローズアップレンズを使って極薄ピントを楽しむ。サンゴのポリプの上にチョコンと乗っている微小なエビをここまで拡大できるのはすごい。拡大が得意なTGで撮るより大きく写り、ボケもきれいだ。この差がコンデジとミラーレスの違いだ。

撮影地:慶良間/まったり根
レンズ:MZD14-42mmEZ
クローズアップレンズ:UCL900PRO
撮影モード:P(プログラム)モード
フラッシュ:OFF
ホワイトバランス:5300K
絞り値:F5.6 
シャッター速度 1/400
露出補正:-0.7EV
感度:ISO1600
ライト:RGBlueSystem03PC

>>次のページ:今回のロケで使用した機材

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writer
PROFILE
1964年生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビング.ウェブ/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公式ホームページ https://shimizu.marine-p.com/ 公益社団法人日本写真家協会会員。
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