“ミスターオリンパス水中”清水淳の水中カメラレビュー(第7回)

【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラ・ハウジングレビュー】-E-M5MKⅢ&UH-EM5Ⅲ-

E-M5MKⅢ&UH-EM5Ⅲ
オリンパスのデジタルカメラの開発にも関わる水中写真家・清水淳が、オリンパスデジタルカメラや防水プロテクター関連製品を実際に使用した感想をもとにレビューする本連載。今回は小型軽量ながら防塵防滴構造を備えた高性能ミラーレス一眼「OLYMPUS OM-D E-M5 Mark Ⅲ(以下、E-M5MKⅢ)」、そしてOLYMPUS純正ハウジングを製造していたAOI社から2月に発売されたE-M5MKⅢ対応の防水ハウジング「UH-EM5Ⅲ」を取り上げる。

【E-M5MKⅢ】2種の水中モードや強力な手ぶれ補正などダイバーに嬉しい機能がアップデート

E-M5MKⅢは上位機種E-M1 MarkⅡと同様のイメージセンサーと画像処理エンジンを搭載し、解像度と画質をそのまま継承するカメラに仕上がっている。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark Ⅲ

連写の最大コマ数は上位機種に比べるとやや落ちはするが、像面位相差AFシステムを搭載し、高精度で優れた動体追従性AF性能を持ち合わせているのが特徴だ。強力な「5軸手ぶれ補正」を搭載し、水中でも洞窟内や低輝度環境でのスローシャッター撮影に強いのが魅力。

また、E-M5MKⅢには水中ホワイトバランスと水中モード2種(水中マクロ+水中ワイド)も搭載される。私は水中シーンのすべてを水中モードで撮影しているので、この水中ホワイトバランス&水中モード搭載は、何よりも嬉しい。

SDカードスロットは、E-M1MKⅡのようにダブルではなくシングルだが、UHS-Ⅱ対応に。カメラボディー自体の材質を金属からプラスチックに、バッテリーをPEN用のBLS-50に変更してカメラの総重量は366gと軽量化の点で進化したが、同時にバッテリー容量がダウンしたことは残念だ。しかし、Bluetooth Ver4.2が搭載され転送速度が上がった関係から、RAWデータのスマホ転送、本体内バッテリー充電が可能になったり、購入しやすい価格設定など嬉しいポイントもある。

【UH-EM5Ⅲ】操作性にこだわりを見せるハウジング

今回、OLYMPUSからは純正ハウジングは用意されていないが、AOI社からE-M5MKⅢ対応の防水ハウジング「UH-EM5Ⅲ」がデビューした。E-M1MKⅡの純正ハウジングPT-EP14と主要な構造は同じく、ポリカーボネイト製で耐圧水深は60m。防水レンズポートは従来のOM-Dマウントを継承している。

OLYMPUS OM-D E-M5 Mark Ⅲ水中

さらに、UH-EM5Ⅲには今までにない機能が数多く搭載された。ハウジング内の圧力を計測するバキュームセンサーやハウジング内部への浸水を感知するリークセンサーが極めて目玉的な新機能になるが、ダイヤルを軽く操作する為にギア比の見直しやシャッターレバーの力学的デザインの変更、深深度環境でボディー変形に伴うボタンやレバーの動きの再設計など基礎的な性能の向上が強くうかがえた。

特に水中ブラケットMPBK−04を使いハウジングを水中で持った時に、シャッターレバーとダイヤルに自然に指が届き、操作できるデザインは今までに無く、使い勝手重視の設計に舵を切ったメーカーのこだわりを感じた。それでは詳しくこの新しいハウジングUH-EM5Ⅲを見てみよう。

オリンパスOM-D E-M5 Mark III専用ハウジング(Black) UH-EM5III ¥146,850(税込) ハウジング本体重量1,340g。オール樹脂製ボディにより一般的なミラーレスカメラ用金属製ハウジング比約70%の重量を実現。撮影、セッティング、運搬時等の負担を低減

オリンパスOM-D E-M5 Mark III専用ハウジング(Black) UH-EM5III
¥146,850(税込)
ハウジング本体重量1,340g。オール樹脂製ボディにより一般的なミラーレスカメラ用金属製ハウジング比約70%の重量を実現。撮影、セッティング、運搬時等の負担を低減

各部の名称

各部の名称

【UH-EM5Ⅲ】浸水を防止する3重の安全機能

1.ダブルOリング
2.バキュームセンサー
3.リークセンサー

1.ダブルOリング

ハウジング開閉部の防水構造は、メインOリング(リアケース側)とセカンダリーOリング(フロントケース側)のダブルOリング構造を採用。挟み込みによる浸水を低減してくれる。

2.バキュームセンサー

ハウジング内の圧力をモニターすることにより、ハウジングの密閉性を確認するセンサーを標準装備。付属のポンプを使用してハウジング内部を陰圧状態にし、密閉性をリアケースのインジケーターの色で表示する。

4色のLEDインジケーターでハウジング内の状況をモニターできる。

4色のLEDインジケーターでハウジング内の状況をモニターできる。

緑色高速点滅:充電中 緑色点灯:充電完了

緑色高速点滅:充電中
緑色点灯:充電完了

青色点灯:真空分析準備完了

青色点灯:真空分析準備完了

黄色点滅:分析圧力適正値以下 黄色点灯:真空分析進行中

黄色点滅:分析圧力適正値以下
黄色点灯:真空分析進行中

緑色点滅:真空分析OK /水中使用可能

緑色点滅:真空分析OK /水中使用可能

赤色点滅:真空分析NG 赤色点灯:リークセンサーが水分検出

赤色点滅:真空分析NG
赤色点灯:リークセンサーが水分検出

3.リークセンサー

ハウジング内への浸水を検知すると、リアケースのインジケーターの点滅とブザー音で警告してくれる。

バキューム&リークセンサーはリアケースに内蔵された充電式電池により動作する

バキューム&リークセンサーはリアケースに内蔵された充電式電池により動作する

付属のUSB充電ケーブルを背面カバーの内側にあるUSB Type-Cポートに接続し、もう一方の端をUSB充電器DC5V、最小0.5A(市販品)に接続することで充電可能。バッテリーを完全に充電するには約1.5時間を要し、1回の充電でバッテリー駆動時間は約100時間となっている。

付属のUSB充電ケーブルを背面カバーの内側にあるUSB Type-Cポートに接続し、もう一方の端をUSB充電器DC5V、最小0.5A(市販品)に接続することで充電可能。バッテリーを完全に充電するには約1.5時間を要し、1回の充電でバッテリー駆動時間は約100時間となっている。

【UH-EM5Ⅲ】オリンパス製 OM-Dマウントレンズポートに対応

【UH-EM5Ⅲ】オリンパス製 OM-Dマウントレンズポートに対応

レンズポートは金属製のポートロックリングにより確実に固定され、ポートロックリングを回転させることで簡単に着脱可能。マクロやワイド等の撮影状況に応じたポートをユーザー自身で交換できる。

豊富なAOI製レンズポートはもちろん、オリンパス社製OM-Dマウント水中プロテクター用のレンズポートが使用可能。

システムチャート

システムチャート

UH-E-M5Ⅲに装着可能な主なAOI製レンズポート&レンズ

レンズ:MZD12-45mmF2.8PRO ポート:DLP03P+AD-LP-01

レンズ:MZD12-45mmF2.8PRO
ポート:DLP03P+AD-LP-01

レンズ:MZD60mmMCF2.8 ポート:FLP02+AD-LP-01

レンズ:MZD60mmMCF2.8
ポート:FLP02+AD-LP-01

レンズ:MZD8mmFisheyeF1.8 ポート:DLP01+ER-OD OD-22

レンズ:MZD8mmFisheyeF1.8
ポート:DLP01+ER-OD OD-22

>>次のページ:使いやすくなった新機能、セットアップ例

writer
PROFILE
水中写真や海辺の風景を撮り続ける写真家。執筆や撮影を行う傍ら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードの開発アドバイザーも務め、1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。
PADI Japan/デジカメ上達クリニック、オリンパスの水中デジタルカメラ・インプレッション、オリンパスデジタルカレッジ講師、フォトパスマリンの監修をはじめ写真講座やセミナーなどの講演も多数。著書に「誰にでも撮れる水中写真」(マリン企画)、「デジタルカメラで簡単水中写真」(サンエイティ) 。
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近年の主な写真展

2020年 「WOW WONDERFUL OCEAN WORLD 」:オリンパスギャラリー 東京/大阪 「SUMMER 2020 」:Deco’s Dog Cafe 2019年 「SUMMER 2019 」:Deco’s Dog Cafe 2018年 「WOW WONDERFUL OCEAN WORLD 」:オリンパスギャラリー 東京/大阪 「SUMMER 2018 」:Deco’s Dog Cafe 2017年 「UNDERWATER PHOTOGRAPHER As professional 30th anniversary」:オリンパスギャラリー東京/大阪 「SUMMER 2017 」:Deco’s Dog Cafe 2016年 「SUMMER 2016 」:Deco’s Dog Cafe 2015年 「SUMMER 2015 」:Deco’s Dog Cafe