【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラ・ハウジングレビュー】-E-M5MKⅢ&UH-EM5Ⅲ-
※この記事は2021年4月11日の記事を訂正しています。
オリンパスのデジタルカメラの開発にも関わる水中写真家・清水淳が、オリンパスデジタルカメラや防水プロテクター関連製品を実際に使用した感想をもとにレビューする本連載。今回は小型軽量ながら防塵防滴構造を備えた高性能ミラーレス一眼「OLYMPUS OM-D E-M5 Mark Ⅲ(以下、E-M5MKⅢ)」、そしてOLYMPUS純正ハウジングを製造していたAOI社から2月に発売されたE-M5MKⅢ対応の防水ハウジング「UH-EM5Ⅲ」を取り上げる。
【E-M5MKⅢ】2種の水中モードや強力な手ぶれ補正などダイバーに嬉しい機能がアップデート
E-M5MKⅢは上位機種E-M1 MarkⅡと同様のイメージセンサーと画像処理エンジンを搭載し、解像度と画質をそのまま継承するカメラに仕上がっている。
連写の最大コマ数は上位機種に比べるとやや落ちはするが、像面位相差AFシステムを搭載し、高精度で優れた動体追従性AF性能を持ち合わせているのが特徴だ。強力な「5軸手ぶれ補正」を搭載し、水中でも洞窟内や低輝度環境でのスローシャッター撮影に強いのが魅力。
また、E-M5MKⅢには水中ホワイトバランスと水中モード2種(水中マクロ+水中ワイド)も搭載される。私は水中シーンのすべてを水中モードで撮影しているので、この水中ホワイトバランス&水中モード搭載は、何よりも嬉しい。
SDカードスロットは、E-M1MKⅡのようにダブルではなくシングルだが、UHS-Ⅱ対応に。カメラボディー自体の材質を金属からプラスチックに、バッテリーをPEN用のBLS-50に変更してカメラの総重量は366gと軽量化の点で進化したが、同時にバッテリー容量がダウンしたことは残念だ。しかし、Bluetooth Ver4.2が搭載され転送速度が上がった関係から、RAWデータのスマホ転送、本体内バッテリー充電が可能になったり、購入しやすい価格設定など嬉しいポイントもある。
【UH-EM5Ⅲ】操作性にこだわりを見せるハウジング
今回、OLYMPUSからは純正ハウジングは用意されていないが、AOI社からE-M5MKⅢ対応の防水ハウジング「UH-EM5Ⅲ」がデビューした。E-M1MKⅡの純正ハウジングPT-EP14と主要な構造は同じく、ポリカーボネイト製で耐圧水深は60m。防水レンズポートは従来のOM-Dマウントを継承している。
さらに、UH-EM5Ⅲには今までにない機能が数多く搭載された。ハウジング内の圧力を計測するバキュームセンサーやハウジング内部への浸水を感知するリークセンサーが極めて目玉的な新機能になるが、ダイヤルを軽く操作する為にギア比の見直しやシャッターレバーの力学的デザインの変更、深深度環境でボディー変形に伴うボタンやレバーの動きの再設計など基礎的な性能の向上が強くうかがえた。
特に水中ブラケットMPBK−04を使いハウジングを水中で持った時に、シャッターレバーとダイヤルに自然に指が届き、操作できるデザインは今までに無く、使い勝手重視の設計に舵を切ったメーカーのこだわりを感じた。それでは詳しくこの新しいハウジングUH-EM5Ⅲを見てみよう。
【UH-EM5Ⅲ】浸水を防止する3重の安全機能
1.ダブルOリング
2.バキュームセンサー
3.リークセンサー
1.ダブルOリング
ハウジング開閉部の防水構造は、メインOリング(リアケース側)とセカンダリーOリング(フロントケース側)のダブルOリング構造を採用。挟み込みによる浸水を低減してくれる。
2.バキュームセンサー
ハウジング内の圧力をモニターすることにより、ハウジングの密閉性を確認するセンサーを標準装備。付属のポンプを使用してハウジング内部を陰圧状態にし、密閉性をリアケースのインジケーターの色で表示する。
3.リークセンサー
ハウジング内への浸水を検知すると、リアケースのインジケーターの点滅とブザー音で警告してくれる。
【UH-EM5Ⅲ】オリンパス製 OM-Dマウントレンズポートに対応
レンズポートは金属製のポートロックリングにより確実に固定され、ポートロックリングを回転させることで簡単に着脱可能。マクロやワイド等の撮影状況に応じたポートをユーザー自身で交換できる。
豊富なAOI製レンズポートはもちろん、オリンパス社製OM-Dマウント水中プロテクター用のレンズポートが使用可能。
UH-E-M5Ⅲに装着可能な主なAOI製レンズポート&レンズ
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