【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】-オリンパスカメラE-M1 Mark II + PT-EP14 Part.1[後編]
3年の時を経てE-M1がE-M1 Mark IIと命名されモデルチェンジとなった。パッと見のボディーデザインは大きく変わっていないが、オリンパスの持てる技術を結集し、全てにおいてパワーアップされている。基本スペックや陸上での使い勝手などについては、製品Webサイトやカメラ専門誌などから情報を得られるという前提で、ここでは水中ユースに特化し、フラッグシップ機E-M1 Mark IIの徹底検証を行った。
前半では、旧E-M1との比較や、E-M1 Mark IIに新しく搭載された機能の、水中撮影におけるベネフィットについて解説する。後半は、カメラの水中向けセットアップや、インプレッション撮影をとおして感じたE-M1 Mark IIの使用感や撮影上のコツを紹介するので、ぜひ参考にしていただきたい。
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【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】-オリンパスカメラE-M1 Mark II + PT-EP14-[前編]
驚きの高速連写性能と基本スペックの大幅な進化
E-M1 Mark IIとなり大きく進化した点は、一瞬を切り取る高速連写/高速AFが、他社の一眼レフ・フルサイズ・フラグシップ機と比較し、勝るとも劣らないレベルになった事。更に、ミラーレスの優位性を高めて生み出されたプロキャプチャーモードは、今、流行りの4Kフォトが動画からの切り出しで800万画素程度という時代遅れな画像に対し、60コマ/秒を2,000万画素のRAWデータで記録するのは驚きだ。
基本スペックもボディーサイズの大幅なボリュームアップ無しで、バッテリー容量37%アップ、バッファーメモリー容量2倍、書き出し処理速度3.5倍の画像処理エンジン、SDカード/ダブルスロットと、書き切れない程のパワーアップが図られている。
実際に水中で使用してみると、各コマンドに対してのクイックレスポンス、AFスピードの圧倒的な速さに驚かされた。水中での発色においても前モデルを踏襲し、E-M1で詰め切れなかったことや、この3年で見えてきた要改善ポイントを、確実にクリアーしている。
E-M1よりダイナミックレンジが広がり、メリハリの効いた作風が活かせる。
水中ホワイトバランスのチューニングも再度見直しが図られ、想定される様々なシーンにおいて最適なカラーバランスになるようジックリと時間をかけて細かい調整が行われた。
コンパクトなフラグシップ水中撮影システム!
E-M1 Mark IIを収納する純正防水プロテクター「PT-EP14」は耐圧水深60m。E-M1に同梱されたフラッシュ「FL-LM2」に比べて背の高いバウンズ可能なフラッシュ「FL-LM3」を収納するために前モデルより大型化している。ピックアップファインダーは新しいタイプが採用され、E-M1&PT-EP11に比べて視認倍率が上がって大きく見える。水中での浮力は、重かったPT-EP11よりエアースペースが増えたため、水中重量は軽くなった。操作性では、ダブルコントロールダイヤルが水中でも使いやすくなり、より高度な要求にも答えられる水中撮影システムになっている。
使用可能なレンズは、マクロ撮影用レンズポート「PPO-EP03」も同時に発売され、M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroと新しくデビューとなったM.ZUIKO DIGITAL ED 30mm F3.5 Macroを収納することができる。また、多種レンズを収納できるマルチレンズポート「PPO-EP02」も接続でき、使用レンズのバリエーションは広い。またこれらのレンズポートを使い被写体に極接近した時にもフラッシュ光が回りやすいデザインだ。内蔵フラッシュ光を利用して撮影ができるよう光拡散板も用意されているので手軽に撮影を楽しむことができる。
E-M1 Mark IIとPT-EP14の組み合わせは、他社のフラグシップ機の水中撮影システムと比較した場合にかなり小さく、女性ダイバーでも楽に扱えるコンパクトさも魅力の一つだ。もちろん本格的に撮りたい場合は、外部フラッシュ「UFL-3」の接続も可能だ。
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