“ミスターオリンパス水中”清水淳の水中カメラレビュー(第2回)

【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】オリンパスカメラTough TG-5 + PT-058

オリンパスのデジタルカメラの開発にも関わる“ミスターオリンパス水中”こと清水淳が、オリンパスデジタルカメラや防水プロテクター関連製品を実際に使用した感想をもとにレビュー。今回取り上げるのはダイバーにも人気の高い「Toughシリーズ」の「Tough TG-5」。各機能の使い方など、作例もたっぷりにお伝えするので、是非ご参考にしていただければ幸いだ。

Tough TG-5

TG-4が2年の歳月を経てモデルチェンジ。アウトドアカメラ市場で最強と言われ続けたモデルが、より高画質になって「Tough TG-5」として新しく生まれ変わった。ボディーサイズ、レンズ、モニター、バッテリーはTG-4とほぼ同じだが、もともと搭載されていたF2.0高解像力高性能レンズの実力を最大限に引き出すために、高感度性能に優れた高速読み出し型の最新イメージセンサーと、オリンパスフラッグシップモデルE-M1 Mark IIに使用している最新画像処理エンジンTruePic VIIIを惜しみなく搭載。その結果、低ノイズ、高解像力、広いダイナミックレンジ、高速連写、4K動画、ハイスピード動画を実現した。過酷なアウトドア撮影でも高画質なデータを残すことができるモデルとなった。

センサーやイメージ処理エンジンの変更は、操作性においても、ボタンや、シャッターレバー操作時のカメラの反応が早くなり一瞬を狙う水中撮影においてこの効果は大きい。またレンズ前面の保護ガラスが密閉したダブル構造になり、急激な温度変化により発生する結露を最小限に抑えることができ、防水プロテクター装着時の不安は解消される。実際、メキシコの有名なダイビングスポットであるセノーテで日中熱いところで撮影後、冷たい水温にカメラを入れてもTG-5は結露を起こさなかった。世界各地のダイブサイトで試し撮りを行なったのでぜひ撮影画像を比較検証してみてほしい。

TGシリーズ最高級の画質

新開発のHi-speed裏面照射型CMOSイメージセンサーと、画像処理エンジンTruePic VIIIにより、明暗差の大きなシーンでも滑らかな階調表現が可能に。

明るいビーチでの撮影。白とびすることなく、解像感の高いシャープな写真になった。

ダイナミックレンジが広く、明るいビーチの砂から葉の裏側などのシャドー部分まで自然な階調が見られる。

透明感と水中発色

青かぶりしやすい水中での撮影で、自然で水中らしい発色。

透明感のあるブルーを保ちつつ暖色系の鮮やかさはミラーレス機に迫る。

進化した水中撮影モード

さらに水中撮影専用にチューニングされた、「スナップ/ワイド/マクロ/HDR」の4つの水中モードを搭載。モードダイヤルを「水中」に合わせるだけで、水中撮影に最適なシーンモードを呼び出せる。進化した画質を確認していただきたい!

4Kムービーが撮影可能に!

高速読み出し可能な新センサーと、E-M1 Mark II譲りの画像処理エンジン搭載の結果、4Kムービーや120fps(FHDサイズ)ハイスピードムービーの撮影が可能に。また、モードダイヤルにムービーのポジションが追加された。

PT-058

コントロールダイヤルやログレバーの追加で、若干サイズが大きくなったTG-5用防水ケース。

背面2ヶ所に新しく追加されたダイヤルが見える。

コントロールダイヤル

露出補正やフラッシュ補正をコントロールできる、コントロールダイヤルを搭載。
ズーム機能はボタン方式からレバー方式に。

ログレバー

ログ情報の記録を開始・終了できるログレバーを搭載。水中撮影では、バッテリー消費を抑えるためにワンタッチでOFFにセットできる。プロテクター上からも操作が可能に。

>>次のページ:新しく搭載された便利な機能

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writer
PROFILE
1964年生まれ。水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。 また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビング.ウェブ/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公式ホームページ https://shimizu.marine-p.com/ 公益社団法人日本写真家協会会員。
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