【“ミスターオリンパス水中“清水淳のカメラレビュー】E-PL5+PT-EP10をリポート
※本記事は「清水淳 水中カメラマンインプレッション」のアーカイブより転載しています。発売当初の情報となりますので、最新情報は「オリンパス公式サイト」などをご確認ください。
多彩な機能が、PENの世界を広げる。OM-D画質のOLYMPUS PEN Lite E-PL5
ミラーレス一眼を水中に持ち込むユーザーをグーンと増やした「OLYMPUS PEN Lite E-PL3」&「PT-EP05L」がモデルチェンジした。カメラは「OLYMPUS PEN Lite E-PL5」、専用防水プロテクターは「PT-EP10」とネーミングされデビュー。E-PL5のボディーデザインは、ほぼE-PL3と同様だが上位機種に当たるOLYMPUS PEN E-P3に搭載されているタッチパネルや、着脱式のカメラグリップを新たに採用している。
ボディサイズは、110.5(幅)×63.7(高さ)×38.2(奥行き )mm、E-PL3と比べて幅と奥行きが約1mmほど大きく、重さは約325gと約12gほど重くなった程度なので、ほぼ同じと考えてよいだろう。
しかし、撮像センサーと画像処理エンジンはミラーレス一眼のフラグシップ機に当たる「OM-D E-M5」に採用されている「TruePic Ⅵ」を搭載し、有効1605万画素 4/3型 ハイスピードLive MOSセンサーになり、可愛らしいマスクを持つが性能はイケイケのホットなモデルとなった。チルト可動式の背面モニターは3.0型、46万ドット、16:9ワイドタイプとE-PL3とサイズ的に同じだが、「タッチAFシャッター」機能が追加され陸上での使い勝手は大きく進歩している。水中では、この機能は使えないのが残念である。自分撮りに使えるように、モニターの向きを170度反転してセットが可能になっているのは面白い。
気になる画質に関しては、OM-D画質とされるだけあって、撮影時に背面モニターで見るだけでも感じるほどに、発色も画質も向上している。
比較的穏やかで大人の味付けだったE-M5に比べて、やや彩度が高くハイコントラストな絵づくりは水中でもモルディブのビーチでの撮影でも透明感があり、快く感じられた。E-M5譲りの高感度特性は作例を見ていただくと明らかだが、前モデルE-PL3に比べてノイズは押さえられている。E-PL3でもシャッターレスポンス、AFの速度共に高速で満足できる性能だったが、E-PL5ではさらに磨きがかかった印象だ。フラッシュON時のシャッター速度の上限つまりX接点は1/250と高級機並みに向上した。
他に特記すべきこととしては、東芝製無線LAN搭載のSDHCカード「FlashAir™」とiPhone、Android対応のスマートフォンアプリ「OI.Share(OLYMPUS Image Share)」を使った新しい楽しみ方が挙げられる。これは水中写真ファンに大きく貢献する技術で、防水プロテクターからカメラを出さずに、手持ちのiPhoneやiPadに画像を転送することが可能となる。それだけであれば、今までの無線LAN搭載SDカードと同じだが、E-PL5で「FlashAir™」のカードの設定を行えばカメラ上で無線LAN電源のON/OFFが可能となりバッテリー消耗の心配も無い上に、ワンタイムのパスワードを発行できるので、複数のスマートフォンを同時に接続して、その場で仲間たちと一緒に写真を楽しむことまでできるのは驚きだ。撮影後すぐにFacebookやブログにアップロードできるのも楽しみになる。カメラがコミュニケーションの中心になるのは私としてもうれしい限りだ。
今回のインプレッションはマクロ系の撮影は沖縄、ワイド系と陸上撮影はモルディブで行っている。標準ズームレンズ一種のみの収納となったE-PL3&PT-EP05Lの組み合わせと異なり8本のレンズを収納できるE-PL5&PT-EP10は撮りたいイメージに合わせたレンズチョイスが可能なので撮影の幅を広げて自由に表現する楽しみを感じるロケになった。
いつもよりも長めのインプレッションになったが、それを感じていただきたい。
OLYMPUS PEN Lite E-PL6 基本機能の紹介
見やすいモニターで明るい環境でも出来上がりを確認できる
液晶ディスプレイは、大きく見やすい3.0型46万ドット、縦横比16:9の高精細ハイパークリスタル液晶を採用。上下左右176度の広い視野角で、視野率は100%の高精細液晶は、発色性・色再現性に優れ、屋外でも見やすく快適に撮影可能。上方向約170度、下方向約65度に可動範囲を拡張しており、“自分撮り”(セルフポートレート)撮影も楽しめる。
階調/色調表現力
E-PL5の階調&色調表現力は、OM-D E-M5譲りの画像処理エンジン「TruePic Ⅵ」と有効1605万画素 4/3型 Live MOSセンサーを再チューニングしている。ダイナミックレンジが広く、モルディブの高輝度下のビーチでも白飛びしない画像が手に入る。
E-M5の控えめで大人の発色から透明感がありメリハリの利いた高彩度なチューニングに変わっている。空のブルーも水中の背景になるブルーもオリンパスらしい透明感と豊かな発色に仕上がる。赤系のソフトコーラルも色やディティールがつぶれることなく、階調豊かに表現することが可能だ。
解像力
解像力は「M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」との組み合わせでテストした。本格的な等倍マクロレンズなので、小さい被写体もモニターいっぱいに大きく捉えられる。サンゴの小さなポリプまではっきりと解像しているのがわかる。
エッジを際立たせる手法ではなく、精細かつ正確に解像しており、撮像センサーと画像処理エンジンの良さが際立っている。他社製ミラーレス一眼との差が大きく出る項目だ。
高感度特性
E-PL5はE-PL3に比べて、さらに高感度特性が良くなった。設定可能感度はISO200~25600、ISOオート設定の上限も1600~25600まで設定可能。通常輝度の環境でも背景の明るさを変える場合に、低シャッター速度を使わずとも、画質への影響を気にせずにISO感度で背景の明るさをコントロールすることができる。
ノーフラッシュでの水中撮影
上の作例はE-PL5+M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro の組み合わせにより水中マクロモードで撮影した。水中でのマクロ撮影時にはISO感度をAUTOに設定することで、ISO1600(初期設定時)まで自動感度アップする。
高感度特性の改良により、作例のように水中ホワイトバランスと高感度設定を組み合わせて、ノーフラッシュ撮影が楽しめる。
あえてフラッシュを発光禁止にセットし、水中ホワイトバランスのみで赤系の情報を引き出す。
他社製のカメラでは真似できない、オリンパス独自の技術による撮影スタイルだ。
内蔵フラッシュ撮影時のテクニック
E-PL5では、水中モード選択時に外部フラッシュの使用を前提として感度がISO200に固定されている。
内蔵フラッシュのみで水中撮影する場合、被写体までの距離がある場合に十分なフラッシュ光を得られない状況になる場合がある。
特に被写界深度を稼ぎたい水中マクロモード撮影時は、絞りの設定がF8~と内蔵フラッシュでは光が飛びにくい設定になっている。このような場合はISO感度をAUTOにセットすると良い。そうすると被写体にフラッシュ光が十分にが照射される感度まで自動でISO感度がアップする。是非使っていただきたいテクニックだ。
新搭載 ワンプッシュ・デジタルテレコン
手軽に望遠写真が撮影できる機能として、デジタル処理により、撮影画像を2倍に拡大する「デジタルテレコン機能」を搭載。この機能を録画ボタンに割り当てることにより、ワンプッシュで2倍のクローズアップ写真の撮影ができる。M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macroの場合、35mm判換算240mmの望遠マクロレンズとなり、小さな被写体も迫力の大きさで撮影が可能。
アートフィルターに新しいフィルターが追加された
●ウォーターカラー(新フィルター)
暗部を大胆に削除し、白いキャンパスに淡く明るい色彩をなじませ、さらにやわらかい輪郭線を載せて、 ほんわりとした明るい雰囲気の世界を表現するフィルター。
可愛らしく、このロケで一番のお気に入りとなった。
ウォーターカラーⅡは輪郭線を弱め、できるだけ色彩変化のグラデーションにより、輪郭部を表現する効果が楽しめる。
水中ホワイトバランス
OLYMPUSの水中ホワイトバランス(以下、水中WB)は動画撮影時はもちろん静止画でのフラッシュON/OFFにかかわらず様々な水中シーンを自動的に判断して、ホワイトバランスを制御する機能。
水中モード選択時にはデフォルトでこの水中WBが設定される。従来の水中撮影のように、プリセット晴天が良い場合は変更・選択も可能だ。フラッシュ光と重なって赤みが強く出る場合は、「ホワイトバランス補正機能」を使い抑えることもできる。
E-PL5に搭載された水中WBはモデルチェンジの度に見直しが図られた結果、十分に煮詰められた域に到達した。目も開けられないほど高輝度の半水面から、浮遊物の多い濁った環境まで幅広く安定したコントロールが見られた。
水中写真を楽しく簡単にする「水中ホワイトバランス」
フラッシュOFFでも色鮮やかな水中シーンを表現できる。
水中動画撮影では、今まで水中ビデオカメラで到達できなかったカラーバランスの整った水中動画の世界を楽しむことが可能。
静止画でも、フラッシュを使わない半水面撮影や沈船など自然光撮影時に大きく貢献。静止画のフラッシュON時でも周りの環境やフラッシュの発光状態に合わせて、最適なホワイトバランスをコントロールするのが特徴。青被りしていた環境でも、鮮やかなシーンが再現される。基本的にE-M5、E-PL3と同じアルゴリズムを継承していると思われるが、今までで一番印象が良い。
水中ホワイトバランスと従来のプリセット晴天WBの違い
ワイド撮影
水中WBは水面から下りてくる太陽光を利用しているので、フラッシュ光の届かないエリアにも効果が得られる。従来のプリセット晴天の場合、青被り状態の全体的にグリーン味の強い仕上がりになる。水の青色とサンゴの発色の違いが大きい。
左の画像が水中WBで撮影したJPEG画像、右の画像は左画像のRAWデータを晴天WBで現像した画像。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
撮影モード:水中ワイド
絞り値:F10
シャッター速度:1/250
ISO:200
フラッシュ:OFF
露出補正:-0.3EV
撮影地:モルディブ
マクロ撮影
ワイド撮影時と同様、マクロ撮影でも水中WBの効果は大きい。ハゼの発色が大きく異なる。手前の砂利も青被りのない温かみのある発色になった。
左の画像が水中WBで撮影したJPEG画像、右の画像は左画像のRAWデータを晴天WBで現像した画像。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
撮影モード:水中マクロ
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/125
ISO:200
フラッシュ:ON(内蔵のみ)-0.3EV
露出補正:-1.3EV
撮影地:慶良間/沖縄
純正防水プロテクター PT-EP10
E-PL5を収納するPT-EP10を前モデルPT-EP03と比較すると、一部分に透明のプラスチックを使い、大型の拡散板を介して被写体まで内蔵フラッシュ光を照射できる構造を継承しつつ、前モデルでは「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R」1種類のみの収納であったLED付きポートに代わって、8種類のレンズを収納可能なポートを採用した。
その結果、このプロテクターで使用できるレンズはレンズキットに含まれる標準レンズ「 M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R」に加えて、水中撮影で出番の多い「M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6」、「 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro」も収納する事が可能になった。
この3本のレンズの他に、水中ではあまり出番が多くないと思われるが、「M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8」、「M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8」を使った撮影も可能だ。E-M5のレンズキットに採用された、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ」も使用できる。
このレンズの場合、電動ズームにセットしておけば水中ワイド時には12mm、水中マクロ時には50mmと自動的にズーミングされるので、12mmと50mmの2本の単焦点レンズをシーンに合わせて使い分けするような使用方法になる。これが、ものすごく使いやすくて重宝した。お買い得な価格設定のレンズキットではなく、ボディー単体とM.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-5.6 EZをバラで購入することになるが、画質も良いので是非お勧めしたい組み合わせだ。
水中での浮力はE-PL5&「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R」の組み合わせ時に若干のプラス浮力になるが、その際、「バランスウエイトPWT-1BA」1枚の併用で浮力は相殺される。
8種類のレンズを収納できる防水プロテクター
右側はE-PL5 & M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
左側上から
M.ZUIKO DIGITAL ED 75mm F1.8
M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
左側2段目はM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R
M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8
この他
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6
M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ にも対応している。
PT-EP10はカメラの機能をほぼ網羅している
クローズアップレンズを使う場合は、マクロレンズアダプターPMLA-EP01と外部フラッシュが必要になる。もっともM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro が収納できるので、内蔵フラッシュ光で超高倍率マクロ撮影が楽しめる。
ムービーボタンは埋め込みタイプになり誤作動が少なくなり、再生ボタン、消去ボタン、Fnボタン、拡大ボタンは斜めにオフセットされた。
清水 淳 お勧め E-PL5&PT-EP10 水中撮影システム
一番のおすすめは内蔵フラッシュで撮影するシステムだ。コンパクトで軽量なシステムになる。
水中モードに設定される水中ホワイトバランスとの組み合わせで内蔵フラッシュだけでもきれいに撮れる。
外部フラッシュを使う場合は、純正フラッシュを使っていただきたい。プリ発光から本発光まで複雑な発光をするE-PL5は純正フラッシュの使用でカメラの性能を100%発揮できるからだ。
カメラ本体で発光量をフラッシュ補正によりコントロールできる、純正水中フラッシュ「UFL-1」を是非お勧めしたい。高度な発光テクニックを使いたい方には、リモートコントロールの「UFL-2」をお勧めする。
水中ワイド撮影の作例
ワイド撮影 M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R
浮遊物の多いフィリピンでの撮影。思い切ってフラッシュを止め自然光撮影に切り替える。水中ホワイトバランスで良好な発色に仕上がった。
レンズ:M.DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R
撮影モード:水中ワイド
絞り値:F7.1
シャッター速度:1/160
ISO:200
フラッシュ:OFF
露出補正:-1.0EV
WB:水中WB
撮影地:フィリピン/バリカサグ
浅い水深。絨毯の様なイソギンチャクにかわいいクマノミの家族が群れる。ノーフラッシュで柔らかさを出して撮影。
レンズ:M.DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R
撮影モード:水中ワイド
絞り値:F6.3
シャッター速度:1/100
ISO:200
フラッシュ:OFF
露出補正:-0.3EV
WB:水中WB
撮影地:フィリピン/バリカサグ
ワイド撮影 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
大好きな被写体の1種、ムスジコショウダイ。フォーメーションを作る面白い習性がある。ぶつかるほどに近づいて撮影。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
撮影モード:水中ワイド
絞り値:F4.0
シャッター速度:1/30
ISO:200
フラッシュ:ON(-2.7EV)UFL-1×2
露出補正:-1.7EV
WB:水中WB
撮影地:モルディブ
慶良間でお気に入りの被写体、ハナビラクマノミ。新しいカメラが出るたびに必ず撮影する標準被写体だ。紫のイソギンチャクとの組み合わせがきれいだ。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
撮影モード:水中ワイド
絞り値:F9.0
シャッター速度:1/250
ISO:200
フラッシュ:ON(-0.7EV 内蔵のみ)
露出補正:-2.0EV
EB:水中WB
撮影地:慶良間/沖縄
ワイド撮影 M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
モルディブ/北マ-レを代表するポイント「バナナリーフ」のヨスジフエダイ。あちこち向いてバラバラになるが、数はものすごく多い。背景を濃い目のブルーに仕上げて黄色を強調する。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
撮影モード:水中ワイド
絞り値:F4.0
シャッター速度:1/30
ISO:200
フラッシュ:ON(-3.0)UFL-1×2
露出補正:-2.3EV
WB:水中WB
撮影地:モルディブ
リゾートのハウスリーフで撮影。水深2m位の浅場で水中WBの効き具合を確認する。赤に振れやすい環境だが、透明感のある発色に仕上がった。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
撮影モード:水中ワイド
絞り値:F9.0
シャッター速度:1/200
ISO:200
フラッシュ:OFF
露出補正:-0.3EV
WB:水中WB
撮影地:モルディブ
マクロ撮影 M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ
電動ズームが気持ちよく作動する。ズームというより2本の単焦点レンズをボタン一つで呼び出せる感覚。テレ端の50mm側はF6.3とやや暗いレンズだが切れは良い。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm F3.5-6.3 EZ
撮影モード:水中マクロ
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/100
ISO:200
フラッシュ:ON(-0.3EV 内蔵のみ)
露出補正:-0.7EV
WB:水中WB
撮影地:慶良間/沖縄
ボケ具合も感じが良い12-50mm EZ。ズームギアが不要で電動によりテレ端とワイド端が切り替えられる。1回のダイビングで色々撮りたい方にお勧めのレンズだ。AFが速いのも特徴。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL 12-50mm F3.5-6.3 EZ
撮影モード:水中マクロ
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/200
ISO:200
フラッシュ:ON(-1.0EV 内蔵のみ)
露出補正:-1.3EV
WB:水中WB
撮影地:モルディブ
マクロ撮影 M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
きれいな模様のウミウシを見つけた。AFによる合焦が難しいほぼ等倍となる距離での撮影になるが、AF速度はズームレンズ並みに速い。これほど早いと他のマクロレンズは使いたくなくなる。解像感もすこぶる良い!
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
撮影モード:水中マクロ
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/250
ISO:200
フラッシュ:ON(-1.0EV 内蔵のみ)
露出補正:-3.0EV
WB:水中WB
撮影地:慶良間/沖縄
水中の標準被写体的なヤシャハゼ。このレンズは35mm判換算で120mm相当となるため、やや離れた位置からの撮影だが、実際はまだまだ寄れる距離。発色の良さと画質の良さが際立つ。
レンズ:M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
撮影モード:水中マクロ
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/125
ISO:AUTO (800)
フラッシュ:ON(-1.0EV 内蔵のみ)
露出補正:-1.3EV
WB:水中WB
撮影地:慶良間/沖縄
他社製レンズ/サードパーティーアクセサリー Lumix G FISHEYE 8mm F3.5
●フィッシュアイドームポート:FP8-9、Lumix G FISHEYE 8mm F3.5、M.ZUIKO DIGITAL 17mm F2.8に対応
●小型軽量アーム:MPアームSセット。超軽量+高剛性、照射自由度が高い設計
●小型軽量ブラケット:MPBK-02。超軽量+高剛性、水中での浮力はほぼ中性浮力
きれいな紫色のイソギンチャクにぶつかる直前で撮影する。FP8-9はポートとレンズのクリアランスをギリギリまで短く設計してあるので倍率の高いワイドマクロ撮影が楽しめる。
レンズ:Lumix G FISHEYE 8mm F3.5
撮影モード:水中ワイド
絞り値:F8.0
シャッター速度:1/250
ISO:200
露出補正:-3.0EV
フラッシュ:ON(-2.0EV)UFL-1×2
WB:水中WB
撮影地:慶良間/沖縄
E-PL5+PT-EP10を水中で使用する準備
水中モードの設定
E-PL5は「水中モード」を搭載している。水中撮影では、陸上と撮影環境が大きく異なるために陸上用の露出モードでの撮影はお勧めできない。「水中ホワイトバランス」と「水中モード」を併用して撮影することが最も確実な方法だ。私はワイド撮影に関しては半水面も含めて100%水中ワイドモードを使用している。水中らしい抜けの良いブルーの発色にチューニングされているのも、その理由の一つだ。
■水中モードの切り替えをFnボタンに設定する
セットアップメニューからスパナマーク→歯車メニュー表示ON。
以下画面キャプチャー通り進めて設定する。
Fnボタンによる水中モードの切り替え
上記の設定を行うと、水中モードはカメラ上部のモードダイヤルがP、A、S、M設定時にカメラ背面のFnボタンを押して水中モードを設定できるようになる。(iAUTO、SCN、ARTの位置では設定ができない。)
画面左下に水中モード専用のアイコンが表示される。魚マーク3匹が水中ワイド、1匹が水中マクロ。
Fnボタンを押すたびに2つの水中モードが交互に設定される。Fnボタンを長押しすると選択したダイヤルのモードに戻る。
おすすめの節電設定
E-PL5はE-PL3に比べて20%撮影可能枚数が伸び約360枚(IS ON、CIPA の試験基準による)(BLS-5、TOSHIBA Super High Speed Class6 (4GB) SDHCカード使用時)の撮影が可能になっている。
節電設定にセットすれば45分のダイビングを3ダイブ行い撮影してもバッテリー切れにならなかった。
■節電設定の方法
バックライト時間→8秒、スリープ時間→1分にセットする。
E-PL5を防水プロテクターにセットする
まず、PT-EP10に同梱の拡散板(ディフューザー)をセットする。
流失防止のために紐を結んでおく。運搬時は破損しないように拡散板を外しておくと良い。
ここでは例として、E-PL5と「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R」を組み合わせる手順を説明する。
このレンズはズームギアの装着が必要なので、以下の手順でズームギアをセットする。
(レンズごとに必要な物が変わるので、システムチャートで確認すること。)
防水プロテクターをセットする前に、忘れずに着脱式カメラグリップを外し、反射防止リング「POSR-EP03」または、 「POSR-EP05」をセットする。
(使用するレンズによって対応する反射防止リングは異なるので、システムチャートで確認する。)
※「M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R」には「POSR-EP03」も対応するので本記事ではこちらを使用。
Oリングのメンテナンス
外部フラッシュの接続
外部フラッシュは、UFL-1/UFL-2の両方のタイプが接続可能。
UFL-2を接続させる場合には、撮影メニューからRCモードをONにセットして使用する。UFL-1の場合は初期設定のOFFでOK。
フラッシュ窓カバー PFC-EP05(防水プロテクターに付属)を併用する。外部フラッシュ1灯の場合はキャップを差し込んでおく。
外部フラッシュ2灯使用時のセット例
手軽に画像共有できる、無線LAN搭載 メモリーカード「FlashAir」
FlashAir™とは無線LAN機能を搭載したメモリカードで、今ダイバーでは注目のアイテム。なぜなら、FlashAir™を使えば、カメラを防水プロテクターにセットしたまま、手軽にiPhoneなどのスマートフォンやタブレット端末に直接データ転送できるのです。
ダイビングの合間に、今出会った感動をすぐさま、FacebookやTwitterなどに投稿したりランチで写真を見ながら盛り上がったり、楽しさ倍増のぜひ揃えておきたいコミュニケーショングッズです。
※FlashAir™は、株式会社東芝の商標です。
FlashAir の詳細はこちら
システム構成例
防水プロテクターPT-EP10
バランスウエイト(ベース用)PWT-1BA
バランスウエイト(ベース用)PWT-1BA
水中専用フラッシュUFL-1
デジタルカメラの内蔵フラッシュに連動してスレーブオート発光する水中専用フラッシュ。水中の多彩なシチュエーションに対応できます。
水中専用フラッシュUFL-2
カメラ側で発光モード、発光量をコントロールできる水中専用フラッシュ。
水中専用フラッシュUFL-2
カメラ側で発光モード、発光量をコントロールできる水中専用フラッシュ。
ショートアーム PTSA-02
水中専用フラッシュを防水プロテクターに接続するための短いアーム。
ショートアーム PTSA-03
水中専用フラッシュを防水プロテクターに接続するための短いアーム。
水中光ファイバーケーブル PTCB-E02
水中撮影用外部フラッシュ用接続ケーブル。
反射防止リングPOSR-EP03
周りからの反射光を防ぐためのリングです。M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ 用。
反射防止リングPOSR-EP05
周りからの反射光を防ぐためのリングです。M.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R用。
※PT-EP05L、PT-EP06Lには同梱されます。
マイクロフォーサーズ用ズームギアPPZR-EP02
マイクロフォーサーズレンズのズーム操作を可能にするギアです。
使用レンズ
標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R(ブラック)
35mm判換算で28-84mm相当と使用頻度の高い焦点域をカバーする、重さわずか113gと小型軽量な標準3倍ズームレンズ。
標準ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL 14-42mm F3.5-5.6 Ⅱ R(シルバー)
35mm判換算で28-84mm相当と使用頻度の高い焦点域をカバーする、重さわずか113gと小型軽量な標準3倍ズームレンズ。
電動ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ(ブラック)
広々撮れる広角24mm始まりの約4.2倍電動ズームレンズです。マクロ撮影機能を搭載し、さらに防塵・防滴機構を採用。
電動ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ(シルバー)
広々撮れる広角24mm始まりの約4.2倍電動ズームレンズです。マクロ撮影機能を搭載し、さらに防塵・防滴機構を採用。
広角ズームレンズM.ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
35mm判換算で18-36mm相当の焦点域、画角100°をカバーする超広角ズームレンズ。
単焦点レンズM.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
解像力とコントラストの高さに秀でた防塵・防滴性能の等倍マクロレンズです。
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