【“ミスターオリンパス水中”清水淳のカメラレビュー】M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO&PPO-EP02
大口径F1.8フィッシュアイレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を、 防水レンズポート「PPO-EP02」と共にリポート
※本記事は「清水 淳 水中カメラインプレッション」のアーカイブより転載しています。発売当初の情報となりますので、最新情報は「オリンパス公式サイト」などをご確認ください。
M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO&PPO-EP02
水中写真撮影フリーク待望の「マイクロフォーサーズシステム規格」に準拠した世界初の大口径F1.8フィッシュアイレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」(35mm判換算16mm相当)が発売になった。
開放絞りF1.8の明るさと最短撮影距離12cm(レンズ先端から約2.5cm)を生かし、背景をぼかしながら被写体を デフォルメするマクロ撮影や、フィッシュアイレンズならではの中心から周辺まで優れた描写力を発揮する。水中という特別な環境においてM.ZUIKO PROという名を持つこのレンズは高い光学性能と防塵・防滴、堅牢性を有し、どんな状況下でも常に高画質を約束してくれる素晴らしいパートナーとなる。またこのレンズ専用に開発され た防水レンズポートPPO-EP02は、レンズ先端からガラスドームポートまでの距離やポート径、材質、ポートフードや遮光リングにいたるまでレンズ性能をフルに発揮できるように妥協なく開発が行われたことも加筆しておこう。
今回の撮影はF1.8という驚異的な明るさと、E-M1の5軸手ブレ補正&高感度特性を生かし、メキシコ/カンクンのセノーテの真っ暗な水底洞窟での幻想的な撮影とフィリピン/ボホールでインプレッションを行った。
フィッシュアイレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
主な特長
大口径F1.8の対角線画角180度のフィッシュアイレンズ。被写体に2.5cmまで寄れて、フィッシュアイレンズなら ではのパースペクティブの誇張・強烈なデフォルメ効果と、開放F1.8の明るさによるボケを活かした個性的なマクロ撮影が可能。
●焦点距離:8mm(35mm判換算16mm相当)
●防滴処理:防塵防滴機構
●画角:180度
●最短撮影距離:0.12m
●最大口径比:F1.8
●大きさ 最大径×全長、質量:62mmx80mm、315g
防水レンズポート PPO-EP02
主な特長
従来のドーム型防水レンズポート PPO-E04に比べて大きさ15%、重さ約30%の小型軽量化を実現した「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」用に開発した防水レンズポート。
●許容水圧:水深60m以内
●防水機構:Oリング側面圧着方式
●主要材質:アルミニウム+硝子
●大きさ:最大径148mm×奥行91mm
●主な同梱品:リアポートキャップ「PRPC-EP02」、ボディーキャップ「PBC-EP02」、Oリングリムーバー、シリコングリス
使用可能レンズ
●M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
●M. ZUIKO DIGITAL ED 12mm F2.0
●M. ZUIKO DIGITAL 25mm F1.8
●M. ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
●M. ZUIKO DIGITAL ED 9-18mm F4.0-5.6
対応プロテクター
●PT-EP11 (E-M1用)、PT-EP08 (E-M5用)※バヨネット方式で取り外しが簡単
ポート交換サービス(有料)により対応可能プロテクター
●PT-EP13 (E-M5 Mark II用)、PT-P12 (E-PL7用)、PT-EP10(E-PL5/E-PL6用)
(交換により使用できなくなるレンズもあるので要確認)
新旧フィッシュアイレンズとドームポートの大きさの比較
左から PPO-E04、ZUIKO DIGITAL ED 8mm F3.5 Fisheyeと、今回新しく開発されたPPO-EP02、M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO.PPO-EP02はPPO-E04に比べて大きさ15%、重さ約30%の小型軽量化となった。
PPO-EP02&PT-EP11/PT-EP08の組み合わせ
必要なアクセサリー
1. フォーカスギア PPZR-EP05(M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO用) 「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を防水プロテクター内でマニュアルフォーカスを行うためのギア。
2. 遮光リング POSR-EP10(M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO用) 「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を防水プロテクター内で使用する際にドーポートへの写り込みをなくすためのカバーです。 (PT-EP11、PT-EP08 OM-D用の防水プロテクター用)
PPO-EP02&PT-EP13、PT-EP12、PT-EP10の組み合わせ
必要なアクセサリー
1. フォーカスギア PPZR-EP05(M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO用) 「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を防水プロテクター内でマニュアルフォーカスを行うためのギア。
※遮光リング POSR-EP10(M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO用) はポート内径が小さいので装着できない。間隙も狭いので必要もない。
ピクチャーモード水中
E-M1MKⅡの最新ファームウエアーやE-M5MKⅢの最新型水中モードでは、低輝度環境でのフラッシュOFF/ワイド撮影において、開放のF1.8まで絞り値が開く設定になっているが、以前の水中モードでは、低輝度環境での絞り値の設定をF4.0でクリップしている。理由は、解放F値の明るいレンズを使用した場合に被写界深度が狭くなり、ピンボケ写真が出るのを防ぐためだ。
水中ワイド、水中マクロ共にF4.0までは開くが、さらに低輝度になった場合は、F4.0でクリップしたままISOをゲインアップさせるプログラム線図になっている。
そのため、水中モードを使用して新しいフィッシュアイレンズ「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を使った場合に、どんなに暗い場所に行ってもF1.8の明るい絞りを利用できないので、Aモード、Mモードを使ってF1.8に設定して撮影する。
ただし、A、Mモード+水中WBの設定では水中モードで 撮影したような鮮やかで深みのある水中写真にはならな い。それは水中モード特有の専用チューニングによるものだ。そこで登場したのが「ピクチャーモード水中」 P、M、S、Aモード+水中WBで撮影して仕上がり「ピクチャーモード水中」にセットすると水中モードで撮影したようなテイストに仕上がる。
ピクチャーモード水中は、あくまで仕上がりの調整でモ ードではないので、露出制御、ホワイトバランスは撮影者が決定しなければならない。水中らしく仕上げるには、ホワイトバランスを水中に設定する。ここで注意! 水中WBを選択しても、フラッシュ発光時のホワイトバランス連動をOFFにセットしておかないと、自然光撮影はうまくいくのに、フラッシュON時は青かぶりになる現象が起こる。また、露出制御が水中用ではないのでX接点に注意する必要がある。
一眼の場合、フラッシュON時には、シャッター速度の上限が極端に下がる。機種によって異なるが1/160~ 1/250 明るい環境でF1.8を選んだ場合露出が成り立たなくなる場合が出てくるので注意。絞り値F1.8を使 用して撮影する以外は水中ワイドモード、水中マクロモードを使用したほうが間違いはない。今回の撮影でも、暗いセノーテはAモードで絞り値F1.8を使ったが、通常のシーンでは水中ワイドモードで撮影を行っている。
ピクチャーモード水中での撮影
ピクチャーモードVividに比べて、ピクチャーモード水中は背景のブルーの抜けとイソギンチャクやクマノミの発色が良いのがわかる。
明るい環境でAモード/F1.8での撮影
フラッシュOFF時は、カメラのシャッター速度最速まで対応可能だが、フラッシュON時はX接点の関係でシャッター速度が制限される。(撮影: E-M1)
水中撮影作例
メキシコ/カンクンのセノーテの撮影。澄んだ水と地底湖に差し込む光。至福の時間を過ごす。
メキシコ/カンクンのセノーテでの撮影。アンヘリータという深い穴の底に淡水と海水の交わる場所がある。そこに硫化水素の雲ができる。幻想的なシーンだ。
メキシコ/カンクンのセノーテでの撮影。スノーケルでの撮影になった。モデルの肌色を出すために水中WBを使う。
メキシコ/カンクンのセノーテでの撮影。真っ暗な地底湖の底。ダイバーのライトが当たった場所だけが浮き上がる。明るいレンズ+強力な手ブレ補正+高感度特性、E-M1とM.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PROと のコンビネーションでのみ撮影できる世界。これこそNEVER SEEN。
メキシコ/カンクンのセノーテでの撮影。絞りを開放のまま背景をぼかし、幻想的に仕上げた。
フィリピン/ボホールでの撮影。あまもを無心に食べる亀さん。ポートの先端ギリギリまで近づいて撮影。ポート とレンズのマッチングが良く画面の隅々まで流れがなくしっかりとした描写が可能だ。
フィリピン/ボホールでの撮影。流れが強烈なポイントでも従来のドームポートより格段に小さくなったPPOEP02なら取り回しが随分と楽になった。
システム構成例
防水プロテクター:E-M1専用プロテクターPT-EP11、E-M5専用プロテクターPT-EP08、アクセサリー
防水プロテクターPT-EP11
防水プロテクターPT-EP08
防水レンズポート PPO-EP02
防水プロテクター「PT-EP11 (E-M1用)/PT-EP08(E-M5 用)」に装着する「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」用の防水レンズポートです。
水中専用フラッシュ UFL-3
オリンパス独自のワイヤレスRCフラッシュシステム専用フラ ッシュ。ガイドナンバー22、チャージ時間 約2秒の高性能小 型フラッシュです。RCコントロールにより、高感度使用時も適切な調光ができ、複数のフラッシュを独立してカメラからの操作が可能です。
水中光ファイバーケーブル PTCB-E02
水中撮影用外部フラッシュの接続ケーブル。
フォーカスギア PPZR-EP05
「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」用のフォーカスギア。防水プロテクターを介して水中でマニュアル操作によるフォーカシングができるようになります。
遮光リング POSR-EP10
「M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO」を組み合わせて使う際に必要な遮光リングです。
使用レンズ
フィッシュアイレンズ M.ZUIKO DIGITAL ED 8mm F1.8 Fisheye PRO
防塵・防滴機構を有した、大口径F1.8の対角線画角1800のフィッシュアイレンズ。
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