お悩み解決&トラブル対処60(第6回)

【ダイビング中・器材編】トラブル対処ワンポイト・アドバイス24~32

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ダイビング中【器材】

24. BC:勝手に給気されてしまう

給気ボタンを押したら、エアが勝手に入りっぱなしになってしまうことがあります。落ち着いて中圧ホースを抜きましょう。
原因は、BCのインフレーターホースの給気ボタンの塩ガミ。器材を洗う際には、水につけながらボタンを何度か押し、塩をしっかり落とすことを心がけましょう。

中圧ホースが抜いても、BCにオーラル(口)吸気をすればダイビングを続けることも可能です(あまりにも不安ならエグジット)。
また、ホースを抜いた後に、水中でボタンを何度か押しているうちに塩がみが直って、もう一度、中圧ホースをつけて確認してみるのも手。

25. BC:タンクが外れてしまった

ベルトをしっかり締めていなかったことが原因です。一見、大事のように慌ててしまう人もいますが、レギュレーターさえくわえておけば大丈夫という気持ちで落ち着くこと。
外れてしまった場合は、まずレギュレーターをしっかりくわえて、呼吸を確保。そして、バディに知らせて付け直してもらいましょう。1人の場合は、着底してBCを脱いで付け直します。中層でも落ち着ければできるはず。

セッティング時にベルトを濡らしておくと締まって外れずらい。

26. レギュレーター:突然エアが吹き出した

ダイビング中に突然レギュレーターからエアがフリーフローをし始めてしまったら、まずはバディに知らせます。そして、オクトパスも同じようにフリーフローしていないか確認しましょう。
両方フリーフローしてしまっている場合は、ファーストステージの異常が疑われるので、バディのオクトパスをもらって、直ちにエキジットします。
オクトパスからのフリーフローがない場合は、セカンドステージの異常が原因です。この場合、パージボタンを押したり、手でフレームを叩いてみます。それでも収まらなければ、エキジット。

27. フィン:ストラップが切れた、脱げた

▶ストラップフィン:ゴムが劣化して、切れてしまうことがあります。また、バックル部分が壊れて、うまくジョイントできなくなってしまう場合も。日頃手入れする時に、ストラップやバックルなど細かい部分にヒビが入ったり、裂けていないかチェックするようにしましょう。
ストラップが切れてしまうと、使い物にならない場合が多いです。片方のフィンだけでは泳ぎにくいのでエキジット。バタ足だとキックがしづらいので、足をクロスさせてドルフィンキックで進むのがおすすめです。
▶フルフットフィン:サイズが大きすぎる可能性が高いです。小さなサイズに買い替えるか、厚めのブーツを履きましょう。サイズがジャストフィットなら“つっかけ”のように多少は泳ぐことは可能です。

28. フィン:うまくフィンキックできない

脚力とフィンの大きさ、堅さが釣り合っていないと、効率よくフィンキックすることができません。速さを競うものではないダイビングでは、筋力をつけるよりも、自分自身に見合ったフィンを選びコツをつかむことに重点をおきましょう。

自転車こぎや頻繁なフィンキックは、キック自体の問題もありますが、中性浮力がうまくとれていないこともあります。というのも、浮力が足りてないないと、浮力を補おうとフィンキックが頻繁になってしまうケースが多いのです。ずっとフィンをかいている人は、まずは、一度止まって、中性浮力が取れているかを確認。体が沈むようなら空気をいれてからキックして、また止まって確認し、沈むようなら給気して……を繰り返そう。

急いでない限り、ダイビングでのフィンキックは惰性を利用することが多く、しゃこしゃこ常にキックしている場合は中性浮力ができていないことを疑おう。

29. マスク:水が入ってくる

水が入ってきたら、マスククリア。頻繁に浸水するようだと、サイズが合っていない可能性があります。
サイズが合ってる場合は、髪の毛が挟まっていたり、鼻から息をしているためにマスクがずれやすくなっているケースもあります。

30. マスク:曇ってしまう

鼻で息をしてしまうことが原因です。湿り気のある空気がマスクのガラス面を曇らせてしまうため、鼻呼吸をしないようにしましょう。また、マスクの位置が悪いケースも考えられます。

曇ってしまったら、少し海水を入れてマスククリアします。
エントリー前には曇り止めを忘れずに。

31. ドライスーツ:水が入ってくる

首や手首の隙間や排気バルブから少々入ってくるくらいならば、ダイビングを続行できます。ダイビング後には、オーバーホールに出しましょう。
完全浸水すると溺れるイメージがありますが、意外と大丈夫。とにかく慌てずにエキジット。

32. ダイビングコンピューター:水中で電池切れ

すぐにエキジットしましょう。エキジット後は、24時間は潜ってはいけません。
長いツアーの場合は、2台持って潜ると◎

▼ダイビング事故や海辺のトラブル対処をもっと詳しく知りたい方はこちら

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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