プロカメラマンがシェルドライスーツを試してみた!フォト派やベテランダイバーにおすすめの7つの魅力
2019年某日、一人の水中カメラマンが、国産ダイビングスーツメーカーとしてダイバーから絶大な支持を得る、ワールドダイブ株式会社の門を叩いた………
今回は、むらいさちカメラマンが日本中の海を潜り歩く連載むらいさちの「Dive in Japan!」の番外編。
ほら、日本の海ってドライスーツで潜るほうが快適じゃん? それでやっぱり、最近その性能がグンとアップしていると噂の“シェルドライスーツ”(以下:シェルドライ)で日本全国を潜り歩きたいじゃーん!ウオウオー!
ということで、ワールドダイブさんのシェルドライをおねだりしちゃおう!!という(大変図々しい)企画を敢行。さらにその使用感をレポートするという、2本立てでお届けします!
むらいさち氏
シェルドライをまさかのおねだり
今回、むらいさちカメラマンがシェルドライが欲しい!とおねだりしに向かったのは、ワールドダイブ東京営業所。
そこで、勤続24年、現在は取締役としてワールドダイブを支え続けている高橋信弘さんが温かく、そして陽気に出迎えてくれました。
さち:「高橋さ~ん、僕、シェルドライが欲しいんです!」
高橋:「えー、どうしよっかなー」
さち:「これがいいんです、これ!(カタログを見ながら)」
高橋:「は? もう決まってんの!?」
さち:「はい、1週間くらい悩んで決めました!!」
高橋:「1週間しか悩んでないんかーい!」
など、あれやこれやと交渉の結果……
さち:「僕がワールドダイブさんのシェルドライを着て日本全国を潜り歩けば、必ずや話題になりますよ!!」
高橋:「ならば『Dive in JAPAN!』の取材で各都道府県に行ったときに、1着ずつ販売してくださいね!(完全に営業マンの顔になる高橋さん)」
ということを条件(?)に、ワールドダイブのシェルドライスーツ「IC9000」をGETすることに成功!!
(高橋さん、ご厚意で本当にありがとうございます……)
では早速、初めてのシェルドライの感想をレポートしてもらいましょう。
ついでにスーツの売れ行きも確認してみましょう!!
もうネオプレンには戻れない!?
水中カメラマン的シェルドライ使用感レポート
ワールドダイブさんに提供していただいたシェルドライスーツ「IC9000」はこちら。うーん、プロ感&ベテラン感がすごい、カッコいいデザインです!
ちなみにIC9000は、テクニカルダイビングを想定して作られたモデル。大深度ダイビングや長時間の減圧潜水を想定し、細部にまでこだわって高い機能性を実現しています。
もちろん、テックダイバーじゃなくても、潜る頻度が高いダイバー、深場で粘ることが多いフォト派などに最適なことは明らか。
そして、今回「むらいさちモデル(自称)」として、ワールドダイブさんに特別に作っていただいたIC9000がこちら。通常は上が赤・下が黒、または上下黒のカラーデザインですが、上下真っ赤なスペシャルバージョン!!
シェルドライとネオプレンを比較した記事「シェルドライとネオプレンの違いとは?ドライスーツのプロに、特徴や選び方を徹底解説してもらいました!」を読んでもおわかりいただけるように、シェルドライはネオプレンとは異なる特徴があると言われています。
プロダイバーやカメラマン、テクニカルダイバー、ベテランダイバーなどに好まれることが多いシェルドライ。なぜこんなに玄人ダイバーたちを惹きつけるのか、プロの水中カメラマンが実際に試した使用感はどうなのか、シェルドライの“7つの魅力”大公開!
シェルドライの7つの魅力
1.とにかく動きやすく、体のバランスがとりやすい
シェルドライの生地はネオプレーンのようにゴワゴワしていないため、海でも陸でもとにかく動きやすくてびっくりしました。
ネオプレンと違い生地自体に浮力がないため、浮力コントロールが非常にしやすいです。水中でもフワフワ、ユラユラ……と、あちこちに動いてしまう感覚が全然ないので、バランスがとりやすく動きが軽やかになりました。
被写体と向き合って、ピタッと止まれる感覚はすごい!
シェルドライはネオプレンと比べて比較的空気の出し入れが多く、そこも中級者以上向けと言われる理由かと思いますが、個人的にはそんなことないというか……、あまり気になりませんでした。普段きちんと中性浮力が取れるダイバーであれば、問題なく着こなせるんじゃないかなと思います。
2.軽い、かさばらない、ロケに行くときも便利
カメラマンはとにかく移動が多い仕事、日本各地はもちろん世界中の海へ潜りに行きます。ロケの内容にもよりますが、特に撮影機材は重くてかさばるので、スーツだけでもコンパクトにパッキングできるのは本当に助かります。
荷物の量や飛行機のエキセスチャージの関係で、ネオプレンだと正直、持って行くのを諦めてしまうことが多々あって……。でもシェルドライはかなりコンパクトにパッキングできるし軽いので、どこにでも持って行けます。これは本当にうれしいですね。
3.インナーで保温調整、海を快適に楽しめる期間が長くなる
今回、ワールドダイブさんにはシェルドライ専用インナー「ボディ・ヒート・ガード」もご提供いただいたんです(ちゃっかり)。
シェルドライは生地自体には保温効果がないんですが、このインナーを着れば基本的にはに“寒さ知らず”。
また、シェルドライはどうしてもスーツ内で結露して湿ってしまうのですが、このインナーは通気性がとてもよく、陸上でも快適に過ごせます。めちゃくちゃ考えられて作られているなと、着ていて感じるほどです。
インナーで体温調整ができるのも、シェルドライの大きな魅力です。伊豆ダイバーなら、夏場の2ヵ月間以外はシェルドライで行けちゃうんじゃないかな? 真冬でも流氷でも着こめば潜れるので、海を快適に楽しめる期間が長くなると思います!
4.生地が丈夫、脱ぎ着も安心
今回、シェルドライの生地が思った以上にしっかりしていて驚きました。
それこそ、10年ほど前のシェルドライといえば、脱着の時にすぐにピーっと破れてしまって修理が……みたいなイメージがあったのですが、さすがワールドダイブさん。改良のスピードもクオリティも素晴らしいです!
僕は年間200本以上は潜っています。深いところへも行くし、長い時間潜ることもしばしば。シェルドライの生地はネオプレンと違って、水圧による収縮や膨張が少なく生地が傷みにくいそう。生地に耐久性があるスーツは、水中カメラマンにとっては本当にありがたいですね。
また、ワールドダイブのシェルドライは、首や手首部分の素材がネオプレンかラテックスか選べるんです。僕が選んだのはネオプレン。ネオプレンに慣れているダイバーもこれなら脱ぎ着しやすくて安心、ストレスなく移行しやすいと思います!
5.一人で脱ぎ着できちゃう快適さ
このIC9000はフロントファスナーを使って一人で脱ぎ着できるんです。
カメラマンは時にはひとりですべてをこなさないといけないこともありますし、アシストしてくれる人が近くにいないことも多いです。ネオプレンのように、背中の「ファスナー閉めて~! 開けて~!」がないのは利便性が良いですね。
また、エキジット後、ひとりでさっと脱いでトイレにダッシュできるのも最高(笑)
ゲストの対応をするダイビングガイドやインストラクターの皆さんにとっても、非常に便利だと思います。
6.何てったって目立ってカッコいい
前述したように、今回ワールドダイブさんには上下真っ赤な“むらいさちモデル(自称)”を作っていただきました。
え、海での反応だって……? そりゃ、いいに決まってるでしょ!!
やっぱり、現地ガイドやインストラクターの方はシェルドライにとても興味を持っていて、みんなに「どんな感じ?」「かっこいいね!」などと声をかけてもらえます。
着心地を説明すると、「僕も次は欲しいな」とか「モニター商品で試してみたい!」と言ってくれています。プロダイバーやフォト派ダイバーの方々には特に、関心を持ってもらえている印象です。
7.シェルドライでダイビング全体が快適に
なんて言うんですかね……、もはや「ネオプレンに戻る理由がない」んですよね。
軽くて生地も丈夫で、浮力コントロールしやすく動きやすい、一人で脱ぎ着できるし、かっこいいし(笑) なんでもっと早くシェルドライを試してみなかったんだろう!?と思うほど快適です。
僕のように水中写真を撮るダイバーの方、そしてプロダイバーの方、テクニカルダイビングを行う方などにとっては、圧倒的にシェルドライが着やすいと思います。
ぜひ一度ぜひ試してみてください! 一度着たらもう、ネオプレンには戻れない体になっちゃいますよ!
*
最後に、おねだり時「僕が着ると話題になるから!」とプレゼンしていました。
高橋さんに「各都道府県に行ったときに、1着ずつ販売してくださいね」と言われていましたが、その後進捗は……?
さち:「……いや、僕のところに直接注文がないだけで、きっと皆さん買ってくれています!! うん、そうだ! きっとそうだ!!(完全に目が泳いでいるむらいさち)」
高橋:「もっと売ってこーーーーい!! 海ナシ県は除くから、全部で39着ね♡」
Dive in Japan! 番外編
ドライスーツ作りました!
むらいさちカメラマンがシェルドライをおねだりするところから海に潜るまで、全編動画でご覧いただけます。「ウオウオー」
\シェルドライも着てるよ☆むらいさちが日本全国潜り歩き/
Special Thanks: ワールドダイブ
「あらゆる環境で快適なダイビングライフをお届けすること」をモットーに、国内生産にこだわり、自社工場でスーツを製造している総合スーツメーカー。設計、素材、装備、そして技術のすべてにおいて、現在得られる最上のクオリティで仕上げ、その名の通り世界の海で通用するスーツを作り上げている。