オーストラリア・グレートバリアリーフでダイビング!(第16回)

迫力のナイト含め1泊2日で7ダイブ!洋上ステイでグレートバリアリーフ満喫ダイビングクルーズ

ディープシーダイバーズデン(撮影:越智隆治)

デイトリップで行ける最北の海に浮かぶ洋上ホテル

グレートバリアリーフの潜り歩き第二弾、ディープシーダイバーズデン(以下、DSDD)が開催しているオーバーナイトクルーズ。

簡単におさらいしておくと、通常のクルーズは、船で寝泊まりして、移動しながら潜るというスタイルですが、こちらは、デイトリップで行ける最北のノーマンリーフやサクソンリーフに停泊している宿泊船に乗り込み、その周辺ポイントを楽しむスタイル。

わかりやすく言えば、洋上にホテルがあって、好きな時に行って、好きな時に帰れるというスタイルです。

ディープシーダイバーズデンの食事(撮影:越智隆治)

食事はビュッフェスタイル

宿泊船に2泊した感想を、弱点も含めて書いてみたいと思います。

1泊2日で7ダイブできる洋上ステイの魅力

1泊から宿泊可能な洋上ステイというスタイルは、「忙しい合間をぬってとにかくたくさん潜りたい!」という人にはまさにうってつけ。

初日はデイトリップ船に乗って2本、宿泊船に乗り換えてナイトも含めて2本。
翌日は3本の1泊2日で計7本潜ってケアンズへ、なんてことも可能です。

もちろん、もう少しのんびりしたい人は2泊や3泊、そして、ときにダイビングをパスをしたりと、自分スタイルに調整しつつ楽しむことができます。

クルーズといっても、まさに洋上ホテル。
例えば、陸上で観光地にいって「さて何泊しよう」と考えるとの同じで、デイトリップで行ける最北の海、ノーマンリーフ&サクソンリーフで「さて何泊しよう」と選べるのが洋上ステイの魅力です。

バディ潜水が基本のダイビングスタイル

DSDDでは、もちろんガイドを付けることもできますが、基本はバディダイビング。
自由気ままにダイビングを楽しめます。

オーストラリアでのバディダイビング(撮影:越智隆治)

バディ潜水を前提にポイントの選定やブリーフィング、安全管理をしているので、バディ潜水の経験のない人でも自分のことが自分でできるダイバーであれば問題なく潜れると思います。
ナビもしやすいので、バディ潜水にチャレンジするいい機会にもなるでしょう。

逆に、マサさん(野村正人)やジミーさん(吉橋直希)のような日本人のベテランイントラ兼ガイドがいるのもDSDDの大きなメリット。
バディ潜水が不安なら頼めばいいし、1本はガイドをつけてからバディ潜水を楽しむこともできます。

また、ポイントや魚のことを熟知しているので、自分で魚探しをしてみたい時にはガイドはつけずにブリーフィングで情報を聞き、つっこんだ撮影をしたい場合はガイドと一緒に潜り、と目的に合わせてダイビングを楽しめます。

ショートクルーズ向きの海。迫力のナイトは必潜!

ダイビングのポイントに関しては、ちょっと判断しかねるというのが正直なところ。
というのも、ここ最近にない悪天候で、風も25ノット以上あり…。

オーストラリアロケの天気

僕らの潜った5~7日は風と波高がMAX(泣)

マップや地形の感じから推測するに、日中のダイビングは、講習やビギナーが多いこともあり、初心者から潜れるポイントが中心です。

逆にいえば、ドリフトがんがんの大物狙い!というダイバーにはそもそもドリフトをやらないのでおススメしませんし、洋上ステイということで、ポイントを大きく移動しないので、そこまで大きな水中の変化はありません。
ショートクルーズ向けの海と言えるかもしれません。

バディ潜水にチャレンジしたい、自由気ままに潜りたい、フレンドリーなナポレオンと遊びたい、フィッシュウオッチングにテーマを持って潜りたい…と多くの目的を受け入れてくれるGBRの最大公約数的な海といったテイストで、誰もが楽しめる海といえるでしょう。

海況がイマイチだった中、僕らが最も興奮したのがナイトダイビング。
サメやロウニンアジが行き交う迫力の世界はGBRでしか味わったことのない経験です。

グレートバリアリーフのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

あまり、知られてない印象ですが(写真にするのが難しいこともあるのかも)、これは心の底からおススメしたい。

ダイビングは快適、客室はエコノミークラス

ダイビング7本と食事込みで445AUドル(約4万円)と、リーズナブルな料金設定が魅力のDSDDの洋上ステイ。

料理や客室は決して豪華ではありませんが、快適に過ごせるよう、細かいところまで行き届いています。
本格クルーズSOF(スピリット・オブ・フリーダム)号がビジネスならこちらはエコノミーといった感じですが、料金設定を考えれば当然ですね。
※今後、船が変わる予定もあり、今回の取材と内容が変わるかもしれません。

ディープシーダイバーズデンの客室とベッド(撮影:越智隆治)

ツイン/ダブルオンスィートにはシャワー&トイレ完備

ダイビングスタイルは、さすがのオーストラリア基準といったところで(クイーンズランド州で厳しいダイビングの規定がある)、良い意味でのシステマチック。
特に不都合なことは思い当たりません。快適です。

ディープシーダイバーズデンのエントリー&エキジット(撮影:越智隆治)

宿泊船からエントリー、エグジットするスタイル。船の使い勝手は良い

ディープシーダイバーズデンのシャワー(撮影:越智隆治)

ダイビング後、すぐにトイレ付のシャワーに入れるのが嬉しい

せっかくの、デイトリップで行ける最北の海。
そのまま帰るのはもったいないし、慌ただしいので、1泊、2泊して、GBRを自由気ままに潜りたい人におススメのショートクルーズです。

それと、個人的には、ぜひ、この機会にバディ潜水の楽しみを知って欲しいです。
海と主体的に向き合って遊ぶことは、今まで味わったこのない緊張感の代わりに、充実感や興奮、感動が待っていると思いますよ。
※バディ潜水については、良い面、注意点を含めて後ほど書きます。

ディープシーダイバーズデンのスタッフ(撮影:越智隆治)

DSDDのスタッフたち。日本人ガイドも常駐しているので言葉の不安もない

今度はもっと良い海況の時に潜りたいなぁ。
ま、こればっかりはダイビングにつきものだから仕方がないですね。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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