オーストラリア・グレートバリアリーフでダイビング!(第9回)

グレートバリアリーフをクルーズで潜る良さとは?スピリット・オブ・フリーダム号の全て

スピリット・オブ・フリーダム号(撮影:越智隆治)

ケアンズを出港してアッという間の一週間。
グレートバリアリーフのその先にあるリボンリーフ、さらに東のコーラルシーど真ん中、オスプレイリーフを巡り、「SPIRIT of Freedom」(以下、SOF)はケアンズに帰港。
良いところだけでなく、弱点も含めて、感想を書いてみたいと思います。

意外!?ビギナーも楽しめるプレミアムな海

ダイビングクルーズといえば少し敷居が高い印象があり、ましてやオスプレイリーフという秘境のような海ならなおさら。
通な中上級者ダイバーが乗るクルーズというイメージを持っていましたが、今回、参加して意外だったのが、欧米人、日本人共にビギナーが多かったこと。

安全管理やサポートが厚くレベル分けもしてくれるので、ビギナーの皆さんも問題なく楽しんでいました。

オーストラリアのハナダイ(撮影:越智隆治)

ボミー(根)にはハナダイなどカラフルな魚が爆発している

中・上級者としてもグループ分けやコース取りによってレベルにあった楽しみ方ができるうえ、今回の僕らがそうであったように、ガイドなしのバディ潜水で潜ることも可能です。
写真をじっくり撮りたい人は主体的に好きな潜り方をしたい人にはおススメ。
※ガイド代もかからずリーズナブルですが、レベルチェックのうえでガイド付きをすすめられたら必ず従うようにしてください。

ただ、毎日潜っている海ではないので、「マクロを確実におさえておく」といったことは難しいかもしれません。
日本人ダイバー特有のレアなマクロのリクエストベースのダイビングは確実ではないかも。

ただ、めったに潜れないリボンリーフやオスプレイリーフなどプレミアムな海を巡り、「何が出るかわからない」冒険的な出会いを楽しみたいというダイバーなら、中上級者はもちろん、ビギナーでも楽しめると思います。

遊覧飛行も楽しめる!
3日間、4日間、1週間から選べるクルーズ日程

月曜発のSOFは前半「ケアンズ~リボンリーフ3日間」(ジャイアントポテトコッドSHOW)と後半「リボンリ~フ~オスプレイリーフ~ケアンズ4日間」(シャークSHOW)の2航程があって、さらに取材班のように通しの1週間の3パターンから選ぶことができます。

前半のみの参加者は途中リザードアイランドに上陸し、セスナに乗ってケアンズへ。
逆に、後半の参加者はケアンズからセスナに乗ってリザードアイランドに上陸してからクルーズに乗船することになります。

ショートクルーズが選べるのは日本人にはありがたい限りですが、リザードアイランドに上陸できるのも嬉しいところ。
高級リゾート島のリザードアイランドは通常、宿泊客しか上陸できませんが、SOF参加者はOK。
特に前半参加者は島内散策も可能で自然や絶景を楽しめます。

リザードアイランド(撮影:越智隆治)

リザードアイランドに上陸。丘の上からはGBRの絶景が望める

また、セスナでの移動になりますので、グレートバリアリーフを眼下に遊覧飛行という贅沢。
むしろ、1週間参加の僕たちはセスナに乗れず、なんか、ちょっと残念(笑)。

リザードアイランド、セスナでの遊覧飛行(撮影:越智隆治)

前半コースの参加者はリザードアイランドから遊覧飛行を楽しみながらケアンズへ

迫力のフィーディング・ショーを楽しむ

前半、後半、共にクライマックスとして、ジャイアントポテトコッドとシャークのフィーディングのフィーディングSHOWが楽しめます。

巨大なジャイアントポテトコッドがワンコのように寄って来て、無数のシャークが目の前で狂乱するシーンは大迫力。

わかりやすくエキサイティングな体験です。

ジャイアントポテトコッド(カスリハタ)のフィーディング(撮影:越智隆治)

ジャイアントポテトコッド(カスリハタ)のフィーディングショー

オスプレイリーフのシャークフィーディング(撮影:越智隆治)

オスプレイリーフのシャークフィーディングショー

また、前半コースで潜ったワイド狙いのナイトダイビングが圧巻!

回遊魚やサメが目の前で猛スピードで行き交うシーンは迫力満点で、他では味わえない特別な体験となるはずです。

ワイド狙いのナイトダイビング(撮影:越智隆治)

ダイビングは基本1日4本、ナイトのある日は5本で、たくさん潜りたいダイバーには嬉しい本数。
心行くまで潜り倒せます。

行き届いた安全システムと快適に過ごせるハード面

ダイビングは、全体としては、良い意味でシステマチック。
安全管理と快適に潜るための流れが徹底しています。

最大水深、残圧、時間、などダイビングに関する決まり事は徹底し、すべて記録に残します。
さらに、必ず船上から監視する(アウトルック)スタッフがいて、エグジット後はヘッドカウント(人数確認)が行われます。

エントリー口にカメラや3点セットが運ばれ、エグジットの際はさっとカメラを受け取って水槽まで持って行ってくれるなどサービスも行き届き、曇り止めからカメラ置き場、ラダーまで快適に潜るための設備が整っています。

ラダーがひとつしかないのが欠点といえば欠点でしょうか。

スピリットオブフリーダム号の船内(撮影:越智隆治)

ひとりひとりに決まった場所が確保され、エグジット後はそのままタンクにエアを充填してくれる

さらに、感心したのは“もしもの時”の備え。
フロート常備のみならず、使えることを確認するために1本目の後に実際に使ってみることを要求されます。
また、漂流に備えて一人一台、オーシャナでも紹介したことのある発信機ノーチラス・ライフラインを常備します。

ノーチラスライフライン(撮影:越智隆治)

スイッチをオンにすると電波が発信され位置を知らせてくれる。会話も可能

毎週日曜日には、船の故障、人命救助、などなど、あらゆるトラブルに備えてスタッフ訓練が行われていますが、この辺の意識の高さはさすがといった感じです。

スピリットオブフリーダム号のスタッフ(撮影:越智隆治)

ボートトラブルで舵が壊れた時、手導で行なうための訓練をするスタッフ

スピリットオブフリーダム号の船長トミー(撮影:越智隆治)

就航以来、SOFの船長を務める経験豊富なトミー。2日間のはずのオスプレイリーフをすっぱり1日で切り上げた冷静な判断は逆に好印象。普段はいつもジョークを言っている陽気なオージー

洋上の三ツ星レストラン

洋上生活でまず特筆すべきは料理。
各国を料理修行してきたというシェフが「全部おいしいよ」と自信満々に言う通りに絶品。

そこらへんのレストランで出されるものより断然おいしく、僕と越智カメラマン合わせてダイビングクルーズに20とか30は乗っていますが、「一番おいしいよね」とささやきあっていました。

クルーズのディナーといえばビュッフェスタイルで、「結構、食べられるよね」といったレベルのこともありますが、一皿ずつサーブされ、ワインとデザートが付く贅沢な時間と空間は、まさに洋上レストラン。

スピリットオブフリーダム号の食事(撮影:越智隆治) スピリットオブフリーダム号の食事(撮影:越智隆治) スピリットオブフリーダム号の食事(撮影:越智隆治)
スピリットオブフリーダム号のシェフ・アレックス(撮影:越智隆治)

イギリス、フランス、ニュージーランドなど、各国でシェフとして活躍してきたアレックス。「新鮮で最上級、そして何より誰もが楽しめるシンプルな料理を提供したいね」

日本人クルーもいて安心
快適な洋上生活と注意点

世界各国からダイバーが潜りに来る国際色豊かなクルーズ。

国際色豊かなスピリットオブフリーダム(撮影:越智隆治)

国際色豊かなクルーズ

基本は英語ベースで、片言でも積極的に話した方がいろんな情報が聞け、交流もできて楽しいですが、日本人スタッフが乗船しているのでまったく話せなくても問題なく潜ることができるので安心です。

スピリットオブフリーダム号のスタッフ(撮影:越智隆治)

SOFのスタッフたち。陽気なオージーノリで船内はいつも明るい雰囲気

洋上生活は、毎日のベッドメイキング、ドリンクフリーや合間のおやつの充実度など行き届いたサービス。
さらに、船がピッカピカ。
とにかくずっと掃除をしていて、きれいでとても気持ちがいい空間です。

洋上生活の注意点としては、日本人にはちょっと冷房がきついのでフリースなどの上着を持っていくことをおススメします(なんで欧米の彼らはTシャツ一枚でいられるのでしょう…)。
また、コーラルシーど真ん中を目指すので、やっぱり船は揺れるときは揺れます。
船内で売られている酔い止めを飲むことをおススメします。

スピリット・オブ・フリーダムの料金

  • 3日間コース1,600AUドル~(およそ14.4万円)
  • 4日間コース1,985AUドル~(およそ17.8万円)
  • 1週間コース3,315AUドル~(およそ29.8万円)

※1AUドル=90円程度換算
(2013年9月4日現在)
※旅行社によって異なります

“ワンランク上のラグジュアリーなクルーズ”というコンセプト通りの大人な雰囲気のクルーズですが、クルーが陽気なオージーのため、堅苦しい雰囲気も一切ありません。

落ち着いた雰囲気の中、フィーディングショーやオスプレイリーフというプレミアムな体験をしながら、1週間で最大24本と心ゆくまで潜れる、大人なダイバーにオススメのクルーズです。

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writer
PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.jp/profile
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal


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