圧倒的なクジラの存在感!トンガ ホエールスイムツアー 2016(第13回)

2016年トンガ・ホエールスイム あの日僕らはこの地球上で誰よりもクジラのそばにいた

この記事は約4分で読めます。

今年、ホエールスイムガイドとして、トンガにいた岡田裕介のリポート

トンガ ホエール

今年も無事にトンガでの1ヶ月が終わり、
帰国途中のトランジェット先でゲストの方々と
ババウでの思い出話をしながらこの原稿を書いている。
皆の笑顔から感じる満足感。
思い出すだけで思わず微笑んでしまうこの感覚。
今年もトンガでのザトウクジラスイムは私たちに特別な時間を与えてくれた。

トンガ ホエール

あの日こと。

いつものように早朝から出航した僕らを乗せたボートは1時間半ほど少し荒れた
南の海域でクジラを探していた。
前日は天候もクジラの出もイマイチだったので、今日は頼むよと心の中で何度も念ずる。

そんな中、近くでゆっくりと泳いでいる親子とエスコートがいると
他のボートからの無線連絡を船長が笑顔で伝えてくれた。

すぐにその場所へ向かいエンジンも止めて離れた所から静かに
先に泳いでいたボートとクジラの様子を眺めるていると、
あっさりとスイムを終えて引き上げて行く。

その様子に、この親子とのスイムは難しいのかなと思いながらも
次は自分たちのボートの番。
静かに少しずつ近づいて行く。

トンガ ホエール

船上からゆっくりと泳ぐ親子の背中が50mほど先に確認出来たので
いつものように、まずはガイドの自分がひとりでその親子の様子を見に行く。
水中で近くにいるであろうクジラを探す緊張の時間。
目に思いっきり力を入れて泳ぎながら、上下左右を見渡し祈るような気持ちでクジラを探す。

しばらく泳いだがなかなか親子を確認出来ない。今回はダメかなと諦めかけた頃、
前方にうっすら見えたのは、なんと2頭揃って水面近くを泳ぎながら
真正面からこちらに向かってくる親子のクジラ。

正面で止まっている事はあっても、向こうから真正面を向いてゆっくりと近づいて来るなんてなかなかないシチュエーション。
親子も当然自分に気づいているはずなのにさらにゆっくりと接近してくる。
まじかよ、胸の鼓動が高鳴った。

トンガ ホエール

そして程よい距離まで近づいたタイミングでゲストも海に入り
約30分の夢のような時間が始まった。

穏やかそうにみえた親子はエスコートの存在に刺激されたか徐々に激しく泳ぎだす。
水中にいる僕らの目の前で4頭のクジラが縦横無尽に動き回る。
決して止まる事はなかったがギリギリの距離を保ちながら、僕らの存在を許してくれているのだろうか、その大迫力の夢のようなシーンが目の前で何度も何度も繰り返された。

人間とクジラが水中で同じ時間を共有する至福の時。
あの日僕らはこの地球上で誰よりもクジラのそばにいたのではないかとすら思えた。

この夢のような時間は終わりボートに戻ってからゲストやクルーと
興奮状態の中、笑顔で会話を交わす幸せな時間。

あの日のような時間、
ビッグチャンスは過ごせる可能性はここに来る皆に平等にある。

トンガ ホエール

はるばるトンガまでやってきて、ザトウクジラの生きる色々なシーンを
少しでも多く見せるのが僕らガイドの仕事。
だからこそ、ゲストの希望に添えた時の喜びは格別だ。

毎週、笑顔で帰って行くゲストの姿を見るのが
僕らスタッフにとって最も嬉しいこと。
『皆が幸せになれればそれでいいんだよ』
酔っぱらった越智さんが何度も言うこの言葉が僕らの願いを象徴しているのだろう。

来年も8月9月の7週間、トンガでのホエールスイムを開催予定。
自分は前半の4週間をガイドとしてトンガに滞在します。
ぜひ、ザトウクジラとの特別な時間を一緒に過ごしましょう。

2017年トンガホエールスイムツアーの日程

2017年8月6日(日)出発〜8月13日(日)帰国
2017年8月13日(日)出発〜8月20日(日)帰国
2017年8月20日(日)出発〜8月27日(日)帰国
2017年8月27日(日)出発〜9月3日(日)帰国
2017年9月3日(日)出発〜9月10日(日)帰国
2017年9月10日(日)出発〜9月17日(日)帰国
2017年9月17日(日)出発〜9月24日(日)帰国
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PROFILE
埼玉県生まれ。大学卒業後、フォトグラファー・山本光男氏に師事。
 2003 年より、フリーランスフォトグラファーとして独立。沖縄・石垣島、ハワイ・オアフ島へ の移住を経て、現在は神奈川県の三浦半島を拠点に活動中。 水中でバハマやハワイのイルカ、トンガのザトウクジラ、フロリダのマナティなどの大型海洋ほ 乳類、陸上で北極海のシロクマ、フォークランド諸島のペンギンなど海辺の生物をテーマに活動。 2009 年 National Geographic での受賞を機に世界に向けて写真を発表し、受賞作のマナティ の写真は世界各国の書籍や教育教材などの表紙を飾る。温泉に入るニホンザルの写真はアメリカ・ スミソニアン自然博物館に展示。国内でも銀座ソニーアクアリウムのメインビジュアルはじめ企 業の広告やカレンダーなどを撮影。 またミュージシャンのライブ撮影も行い、雑誌、WEB、広告などに作品を発表している。
 
HP:https://yusukeokada.com
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