海の中で湯冷め!? ダイバーだけが入れる石垣島の海底温泉
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究極の秘湯!?
海底温泉でひとっ風呂
石垣島の海底から温泉が湧いているって、ご存知ですか?
石垣島からボートに乗って約15分。
竹富島の北沖に海底温泉があるというのでやって来た。
温泉旅行とは違って、ダイビング取材中はなかなかゆっくりお風呂には入れないから、1本目のダイビングには朝風呂も兼ねてちょうどいい。
(なにがちょうどいい?……笑)
今日のガイドは、ダイビングショップ「ダイビングチームうなりざき」にきて2年目の田口美蓮(以下、ミハスさん)さん。
「えーと、いまから海底温泉行きますが、湯冷めには注意してくださいね~!!」
え、湯冷めするの!?(笑)
これまでも、“海底温泉”のような名前のついたポイントや、海底からぽこぽこと何かが沸き上がっているところは何度かダイビングしてきたが、正直そこまで「は~あったか〜い」と感じたことはなかったし、まして、“湯冷めに注意”というブリーフィングを受けたことはない。
今回の海底温泉は、水深約20m、竹富島の北側で、東港から沖合約1kmのところに位置する。
エントリーし、少し進むと、白砂がたくさんの小さな山状になった珍しい光景が広がった。
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サーモクラインを越えると
そこは温泉だった……!?
そのあとは、すり鉢状になだらかに水深が落ちていき、20mほどのところには筒のようなものが海底から頭を出しているのが見えるが、疲れているのか、なにやら視界が悪いというか目がかすむ。
疲れ……ではなくて、サーモクライン??
サーモクラインといえば、一般的には「これ以上いったら海水冷たくなりますよ~」の合図だが、ここでは「これ以上いくとのぼせますよ~」のサイン。
“温帯サーモクライン”と勝手に命名して中へ入ると……
あっつ! 息苦しい……
温泉は、海水で少しは冷やされているにしても、レギュレーター越しでさえ、若干息苦しさを覚えるほどの温度で噴き出していた。
その温かさが心地よくなってきたころ、ガイドのミハスさんの「温泉をウエットの中に入れるとあったかいですよ~」のスレート。
幸せ……(笑)
ウエットスーツに幸せを注ぎ込み、また温帯サーモクラインを越えると、一気に冷水海の海へワープしたかのよう!!(この日の水温は27度もあったのに)。
さっむ! さっっむ!
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これが湯冷めかと思っていると、今度は「砂の中に足を入れるとあったかいんだから~」のスレ―ト。
フィンとブーツを脱ぎ、ぬくもりを求めて砂の中にズボッと足を滑り込ませると……
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あっつ! あっっつ!(笑)
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いや~予想外。
本気で結構熱い。
急いで足を引き抜き、冷水海にさらし、また暖を求めて足を突っ込み……の繰り返し。
ここは海底温泉の名にふさわしい温度が今も保たれていて、子どものように二人でキャッキャした。
名残惜しみながら水深をあげると、遠くにぽこぽこぽこと海底から泡が出ているのが見える。
触ってみると、ぽこぽこと出ている泡もほんのり温かい。
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するとミハスさん、「ジャグジーが続きます~!」
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確かにジャグジー。
ワイドな視界で見ると、ちょっぴり幻想的な空間だった。
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ちなみに、竹富町の調査によると、ここの泉質は「塩化物泉」で、切り傷や血液循環の乱れ、うつ状態などに効能があるとされている。
また、1日当たり平均2500トンの水量があり、水温は平均35度で、温泉の条件となる25度以上を超えているとのこと。
れっきとした「温泉」だということが証明されていた。
もしも、ケガでもして気が滅入っているような状況なら、どちらも治ってしまうかも!?
海底温泉ポイント
リクエストすべし!
今回で石垣取材3回目なのに、なぜ今までこんなに楽しいポイントに連れてきてもらえなかったのか、疑問(笑)
今回はなぜ海底温泉に来たのかと聞くと、「ん~そういえばあまり使わないポイントです。ラッキーでしたね~」とのこと。
リクエストがあれば行くことも可能だそうで、ぜひリクエストを!
個人的には、石垣で1・2位を争うオススメポイントに君臨した海底温泉。
さて、ひとっ風呂あびたことだし、取材続けま~す。
あー、楽しかった。
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■supported by「ダイビングチーム うなりざき石垣店」
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ビギナーからベテランまで、石垣島でのダイビングを満喫させてくれる、元気いっぱいのスタッフがお出迎え。2艇のダイビングボートを駆使してダイビングが楽しめるので、ポイント選択の幅も広い。サンゴの産卵データも準備しているので、自分に克てる(お酒<サンゴ)という方は、ぜひナイトダイビングまでリクエストを!
沖縄県石垣市浜崎町3丁目2-1-102
TEL. 0980-88-6644 FAX. 0980-87-0145
E-mail:info-ishigaki@unarizaki.com
URL:http://www.unarizaki.com/ishigaki
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