沖縄離島のダイビング旅2017(第12回)

見るもの撮るものすべてが新鮮!ブラックウォーターダイブ® in 久米島 初マンタも乱入!

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初めてのブラックウォーターダイブ®
その奥深さに驚かされる

夕方のフライトで、西表島から久米島に移動した翌日、ブラックウォーターダイブ®(以下BWD)を予定していたが、天候が悪くなりそうだからということで、到着日に急遽参加することになった。

ブラックウォーターダイブ®とは……潮や時間・場所をよみながら、高演色(自然光)の水中ライトを夜の海に仕掛けて潜るダイビングで、普段のダイビングやナイトダイビングでは見ることのない、稚魚や無脊椎動物の幼生などと遭遇できるダイビングです。
>>ブラックウォーターダイブ®特設サイトをチェック

他のゲストとは違い、自分が参加するのは、どのような状況で行われているのかを雑感取材するのが目的なので、マクロは参加したゲストなどに使用させてもらうことにして、用意したのはフィッシュアイズームを装着した7Dマーク2のSEA&SEAハウジングに、YSD2ストロボ2灯、RGBlueのシステム02を2灯装着して、ボートに乗り込んだ。

船上では、このBWDのプロデュースをしている写真家の峯水亮さんの挨拶と、ブリーフィングが行われた。

エントリー前に、峯水さんから、BWDのブリーフィングが行われる

エントリー前に、峯水さんから、BWDのブリーフィングが行われる

峯水さんは今年ナショナルジオグラッフィックの日本語版のフォトコンテストでグランプリを受賞。魚の生態などにも特に精通した日本人写真家だ。
グランプリ受賞を機に、今月20日からニューヨークでBWDをテーマにした写真展が開催されることになっている。

BWDの先駆者、水中写真家の峯水亮さん

BWDの先駆者、水中写真家の峯水亮さん

まずはBWDを行うポイントに到着すると、早速エスティバンのガイドと峯水さんとで、30個以上あるRGBlueのライトをドロップオフの際に設置して、ステージを作り上げる。
ライトで半円状に囲まれたステージには、たくさんの被写体が集まってくる。

海中にいくつもの水中ライトが設置される

海中にいくつもの水中ライトが設置される

なぜRGBlueのライトを多く使用しているのかを峯水さんに尋ねると、「生物は自然光に近い光を好んでいるので、高演色のRGBlueライトの効果は大きかったからです。中でもシステム02やプレミアムカラーなどの配色の違いで寄ってくる生物に違いが現れるので、なるべく同じ種類のライトを、近くにまとめて設置することで、集まる生物をコントロールしています」とのこと。

なるほど、ライトの微妙な色の違いでそんなに違うのか……奥が深い!

構成される色によって、集まってくる生物も違ってくるのだとか

構成される色によって、集まってくる生物も違ってくるのだとか

どんな被写体がいてどんな写真が撮れるのか?
まさかのアレも初登場!!

ライトが設置され、ボートからエントリーしてBWDを開催するエリアへと向かう。海中に照らされたライト、そして、その光の束に向かって進んで行くダイバーのシルエットは、昔観た映画「スフィア」のワンシーンを連想させる。

まるで深海のスフィアに向かって行くようなワクワク感がある

まるで深海のスフィアに向かって行くようなワクワク感がある

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フィールドは、弓なりに設置されたライトの内側を中心に行われる。僕は基本、ワイドで、生物を撮影している峯水さんやガイドの川本さん、ゲストなどを、ライトの配置とともに撮影するだけのつもりでいたのだけれど、思っていたよりも大きめの被写体もいて、(これって、もしかしたら、ライトをバックに絡めてのワイドマクロ的な生物撮影も可能なんじゃないのか?)と思い立ち、トライしてみることに。

CANONのフィッシュアイズームは、最短撮影距離(ピントが合う一番近い距離)が15cmと近くて、かなり接近して撮影できるので、小さな生き物も意外と絵になる。そんな感じで撮影した写真が以下。

アオチビキ幼魚

アオチビキ幼魚

オビスジホタルイカ

オビスジホタルイカ

クダリボウズギス属の一種稚魚

クダリボウズギス属の一種稚魚

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「フィッシュアイでBWDにチャレンジしたのは越智さんが初めてかも。へ〜、でも、意外とイケますね」と峯水さんにも言われ、俄然やる気に。

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しかも、この夜、BWD中に突如マンタが出現し、フィールドをぐるっと1周して泳ぎ去った。ゲストは初マンタの人もいて、喜んだり、興奮したりしていて、「BWDやっていてマンタ出たの初めてです。やっぱ越智さん大物運ありますよね〜」と言われたものの、BWDの主役は小さな生物たち。捕食に現れたマンタに、貴重な被写体が食べられてしまっては困るので、手放しには喜べない。

冗談ではあるとは思うけど、「越智さんがいたからマンタが出てくれた」っていうよりは、「越智さんがいたせいでマンタが出ちゃった」的な雰囲気も少しあって、少々複雑な心境になった。

BWD中にマンタが乱入してきたのは、初めてのことだそうだ

BWD中にマンタが乱入してきたのは、初めてのことだそうだ

いつもとは違うトラブル?イベント?はあったものの、80分のBWD2本を終えての感想は、毎日お酒抜きで夜潜るのは大変だけど、こんなに簡単に、そして初めての人でも、きれいに撮影できるものなんだなと、最初にBWDに抱いていた敷居の高さはなくなった。

しかも今回、オリンパスのTG4だけで撮影に参加している人も何名かいた。
エスティバンのガイド、吉田健太朗さんが、TG4でも簡単に撮影できるという見本を見せてくれて、参加前にいろいろなアドバイスをしてくれる。

吉田さん自身も、撮影のメイン機種はTG4。ゲストのサポートをしながら撮影するにはこのサイズがいいそうで、実際に見せてもらうと、「え〜! こんなにきれいに撮影できちゃうの!?」と驚かされた。

TG4でのBWD撮影の楽しみかたを教えてくれるのは、ガイドの吉田健太朗さん

TG4でのBWD撮影の楽しみかたを教えてくれるのは、ガイドの吉田健太朗さん

エントリー前にTG4での撮影方法をレクチャーするガイドの吉田さん(右端)

エントリー前にTG4での撮影方法をレクチャーするガイドの吉田さん(右端)

ウツボ亜科のレプトセファルス期稚魚

ウツボ亜科のレプトセファルス期稚魚

セダカギンポ稚魚

セダカギンポ稚魚

アミダコ幼体

アミダコ幼体

しかし、TG4を使い慣れているガイドだからであって、一般の人だとやはり難しいのではと思い、今回、BWD初参加で、しかもTG4で撮影を行った志賀愛美さんに、どんな撮影ができたかを見せてもらった。

「最初は、プロの写真家のツアーに参加させてもらうのに、コンデジでは失礼かなと思ったんですけど、HPにTG4でも撮影可能って書いてあったので……」と志賀さん。

BWD初体験の志賀愛美さん

BWD初体験の志賀愛美さん

クダリボウズギス属の稚魚

クダリボウズギス属の稚魚

通称ジェリーフィッシュライダー

通称ジェリーフィッシュライダー

トゲチョウチョウウオのトリクチス期稚魚

トゲチョウチョウウオのトリクチス期稚魚

イソギンポ科の稚魚

イソギンポ科の稚魚

う〜ん、十分きれい! てか、きれい! 特に最後のなんか、かなり驚きのクオリティじゃないですか!

TG4で撮影を行う志賀さん

TG4で撮影を行う志賀さん

これなら、フィッシュアイズームを一眼にして、マクロ用にTG4とか持って参加してもいいかな〜なんて思ってしまった。

南の島に来たんだから、夜は飲んで楽しみたいってやっぱり思うけど、一度トライしてみたら、もしかしたらハマっちゃう人は結構いるかもしれないですね。まあ、ガイドの川本さんが一番ハマっているみたいでしたけど。

BWDに一番ハマってる感じだったのはガイドの川本さん

BWDに一番ハマってる感じだったのはガイドの川本さん

エスティバンでは、2017年度も峯水さんを呼んで、BWDのツアーが組まれている。現在決まっているツアー日程は以下。
もし興味のある方は、エスティバンに早めに問い合わせてみてください。すでに夏のツアー日程はかなり埋まっているようですよ。お早めに。

Black Water Dive® 2017 DIVE ESTIVANT 3rd
2017年7月27日(木)〜30日(日)

Black Water Dive® 2017 DIVE ESTIVANT 4th
2017年8月3日(木)〜6日(日)

■Supported by DIVE ESTIVANT

老若男女問わずに楽しめるダイビングをゲストに演出してくれる。久米島随一の大型ボート(53フィート)と小型ボート(40フィート)の2隻のダイビングボートでダイビングを対応。シャワー、トイレ、お茶やコーヒーなども完備され、船上も快適。スタッフは皆魚の生態に詳しく、今はブラックウィーターダイブなどもとりいれて、新たな海の魅力を演出し続けている。冬はザトウクジラのホエールスイムが人気。

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〒沖縄県島尻郡久米島町比嘉160-69
TEL.098-985-7150 FAX.098-985-7151
E-mail:info@dive-estivant.com
URL:http://dive-estivant.com

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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