オーストラリア東海岸、関戸紀倫Dialy〜ドライブ&ダイブサファリ〜(第3回)

【Day3】 40匹のシロワニが出現! ~秘境「ネルソンベイ」で、驚異のサメダイビング~

大きいもので体長2.5m以上はあった オーストラリア東海岸、関戸紀倫Dialy〜ドライブ&ダイブサファリ〜

日本人にはあまり知られていないシドニーの北に位置するネルソンベイ(Nelson Bay)という小さな町で、サメダイビング。
「あの群れの数は他では見られない」「あそこのポイントは秘境のダイブサイトだよ」などと、オーストラリア人から直接噂は聞いていて、ずっと気になっていた。
今日は、その初日。
いろんな噂は耳に入るものの、どんなダイビングになるか想像がつかない!

Day 3〜ブロートン島〜

多い時で50匹ってマジ!?
シロワニとの出会いに期待

5:30に起床。
朝食を宿で済ませ、今回お世話になる「レッツゴー アドベンチャーズ ダイブ ネルソンベイ(Let’s Go Adventures Dive Nelson bay)」に行く。
早速、器材をセッティングして船に乗り込む。

ゲスト20名乗りの広々とした船内の自社ボート

ゲスト20名乗りの広々とした船内の自社ボート

船は20人乗りで広々としていてリラックスできる。
今回の目的地は、ネルソンベイの港から船で約1時間ほど行ったところある無人島のブロートン島(Broughton Island)だ。

島の周りには、多くのダイビングポイントがあるみたいで、今回は海況があまり良くないためノースロック(North Rock)というポイントで2ダイブすることに。

船がポイントに到着すると、さっそくブリーフィングが始まった。
今日は、他にも地元のリサーチグループが集まっていて、何やら島のリサーチをしているらしい。
僕以外のゲストは少なかったので、カナダ人のガイドさんと一緒に潜ることに。

「水中に入って、もし慌ててしまったら、とりあえず止まって、深呼吸してください」と船長。
「ん? 初心者はいないよなー」と思いながら、よく聞いていると「とにかく大きいもので2.5mくらいはあるからな!」「多い時で50匹くらいいます」と、どんどん話が進んでいき、よく聞くと「シロワニ(Grey nurse shark)」という言葉があふれた。

そう、ここのポイントはシロワニが多く生息する島で有名なダイビングポイント。

シロワニは、日本では小笠原諸島などが有名だが、見れても2、3匹だったような……?

それが、50匹!?

情報によると、一つの根があり水深は深くても15mlくらいとそんなに深くないポイントだ。
早速、バックロールエントリーで海に入った。

40匹のシロワニの群れが
突然あらわれた!

透明度が思った以上に悪く、水底がなかなか見えない。
なので、水面から目印の根が確認できたら、そこをめがけて潜降していく。

そして、水底付近にくると、体長2m以上はあるシロワニの“群れ”が、突如出現!
3、4匹ではない。
ゆうに30〜40匹は群れていた。

エントリー直後のシロワニの群れ

エントリー直後のシロワニの群れ

大きいもので体長2.5m以上はあった

大きいもので体長2.5m以上はあった

慌ててカメラのファインダーをのぞき、何枚か撮ってさらに根に近づいていくと、ダイバーにびっくりしたのか、群れは一気に散らばり10匹くらいとなった。

マジか。。。
アドレナリンが止まらない〜!

ここから、がむしゃらにシャッターを切った。
根の岩陰には無数のハタンポの仲間が群れていて、その間を大きなシロワニが優雅に泳いでくるシーンや2匹のシロワニが交差するシーン、そして、カナダ人のガイドさんにシロワニの下に入ってもらい、モデルになってもらったりと様々なシーンに出あえた。

魚の群れに突っ込んでいくシロワニ

魚の群れに突っ込んでいくシロワニ

近距離にアプローチしてもダイバーを恐れない

近距離にアプローチしてもダイバーを恐れない

なんとも、この透明度の悪い緑っぽい海も、むしろ雰囲気があってマッチしている気がする。
ここは、地元の釣り人にも有名なポイントになっているくらい魚影が濃いので、おそらくそのためにシロワニも多いのだろう。

水中で大きな釣り針が口に刺さっている子も見た。
一番印象に残っているのは、おそらく妊娠しているであろうメスに何回も出会ったこと。
こっちを意識していたのだろうか?

ダイビングの途中、ほかのグループのガイドをしていたアレックスが僕の目の前にきて、「ほれ!」と落ちていたシロワニの歯を持ってきてくれた。

アレックスが拾ったのは、いっぱい落ちていたシロワニの歯

アレックスが拾ったのは、いっぱい落ちていたシロワニの歯

思う存分撮影してダイビングが終了した。

想像以上の撮れ高!
サメダイビングの余韻に浸る

ダイビングから上がってきて、他のゲストもすごく興奮している様子。
もちろん、僕も実際興奮していた。

水面休息では他のゲストと「すごかったねー」なんて話をしながら盛り上がっていた。
すると、「ここのシロワニは水温によって東海岸を北上したり南下しているんだ」と船長が呟く。

興味本位でいろいろ聞いてみると、何やら明日から行く予定のサウスウエストロックス(South West Rocks)という有名なダイブサイトが300km北にいったところにあり、そこにも多くのシロワニが生息しているとのこと。
「ここにシロワニが多いいってことは、サウスウエストロックスにはいないよ!」と船長がまた呟いた。

そうか、もしここでシロワニが見られなくても、どうしてもシロワニが見たい人は300km北上して、サウスウエストロックスに行って潜れば見えるってことだ!(と、勝手に納得。笑)

ダイビングから帰ってきたら、今度は慌ててネルソンベイの陸撮へと移動する。
とりあえず、ショップの方が教えてくれた「ガンガン展望台(Gan gan Lookout)」へと向かった。
360度眺められる展望台で見られる夕日は、最高に綺麗だった。

360度の景色が見れるGangan Lookout

360度の景色が見れるGangan Lookout

明日は、ビーチダイビング。
いったい、どんな姿を見せてくれるんだろう。

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writer
PROFILE
1988年7月6日生まれ
東京にフランス人の父、日本人の母の間に生まれる。生まれて間もなくフランスのパリに移りフランス人として成長し10年。父は写真家、ダイビングインストラクター。
小さい時から父にフィリピン、タイ、ガラパゴス諸島など自然豊かな場所に連れて行ってもらい、いつの間にか自然が大好きになる。時が経ち2010年にダイビングを始め2011年から沖縄でダイビングインストラクターとして活動。2013年からオーストラリアのダイビングクルーズ船にて働くことになりそこで船内販売用に写真を撮る。今度は撮った写真をソーシャルネットワークにも載せたりするようになり友達に『世界にはこんな場所がある!こんな海がある!』などと紹介するのが楽しくなる。2014年10月にクルーズ船の仕事を終え帰国前にオーストラリアを一周することに決め念願の一眼レフを手に入れ放浪。 現在は、自然写真家として水中写真をメインに世界中を撮影し活躍中。
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