ミンククジラに逢いに行く!グレートバリアリーフ特集(2014.6-7)(第2回)

オーストラリア、旅する前の注意点とハプニング ~「ミンククジラへ逢いにGBRへ!」番外編~

ミンククジラ狙いでやってきたグレートバリアリーフ(以後、GBR)。

ミンククジラに逢いにグレートバリアリーフへ! | オーシャナ

ミンククジラに逢う前に、すでにいくつもハプニングが起きていますので、皆さんの教訓になればと恥をさらしつつ注意点をご紹介します。

オーストラリア、GBRの魚の群れ(撮影:越智隆治)

ETAS(ビザ)が申請できない!

オーストラリアへ渡航する際は、ETAS(イータス)と呼ばれるビザが必要ですが、申請を忘れてしまう人は少なからずいるようです。

かくいう自分も、渡航当日に「そういえば!」と思い出し一瞬冷や汗をかいたのですが、「ふふふ。そうだそうだ。今はオンラインで即日に取得できるんだった」。

ETASを取り忘れた方などは、オーストラリア大使館のサイトで即日取得ができますので、ぜひご利用ください。
英語ですが特に難しいことはありません。クレジット決済で20豪ドルです。

■オーストラリア大使館ETAS申請
Step 1 of 7: ETA type and location

■もっと安く! 電話がいい! なんて人はこちらを参考に
オーストラリアの観光ビザ、ETAS(イータス)を早く申請する方法

しかし、即日申請できるはずの申請手続きを何度やってもはじかれ、冷や汗かきながらパソコンとニラメッコすること2時間。
英語をよく読むと「あなたはすでに申請されています」の文字が。

ETASは1年間有効で、昨年9月に訪れている僕は申請の必要がなかったのでした……。

預けなさ過ぎて失敗!
感覚の異なるLCC 1

オーストラリアへのアクセスといえば、LCC(格安航空会社)のジェットスター。
LCCは一般航空会社と同じつもりで乗ると、面食らうこともあります。

まず、ダイバーが気になる預け荷物。

LCCは基本料金が安い代わりに、追加のオプションで収益をあげるシステム。
荷物の超過に対してはかなり厳格で、当日に支払う超過料金は高く、事前に追加料金を払っておくのが得策です。

僕らはカメラ機材もあり、エコノミーのリミット1人20キロを超えることは確実。
そこで、越智カメラマンが40キロ、僕も40キロの計80キロに事前に追加し、荷物も減らすだけ減らして、いざ計量へ。

結果、70キロもいかず……。
う~ん、何だか損した気分(笑)。

しかも、副作用で、いつもはチェックリストを見ながら荷物を詰め込んでいるのですが、今回は、「必要最低限のものをピックアップ」と頭の中でリストアップして詰め込んだものだから、水着を忘れて、初日はフルチンで潜るハメになり…。

結局、腹が減って失敗!
感覚の異なるLCC 2

LCCでは、機内食もオプション。
まあ、夜、寝るだけだったので、機内食なしで申請していたのですが、他の人が食べているのを見て腹が減ってしまい、結局、5ドルもするカップラーメンをすするハメに。
ああ、機内食頼んでおけばよかった。

LCCならではの小さい失敗は続く。

機内は寒いことを前提に、いつもはジャンパーなどを持ち込むのですが、この日は薄いカーディガンのみ。
そこで、CAさんに「ブランケットください」と頼むも有料…。

その他、必要もない、靴下や歯ブラシなども含んだジェットスターセットを1500円で買うハメに……。
ああ、ジャンパー持ち込んどきゃよかった。

ちなみに、映画などのエンターテインメントも有料ですが、以前、寝るだけなのに借りてしまい、「せっかく有料で借りたのに見ないともったいない」とセコイこと考えて寝不足になったことも。

■LCCのメリット・デメリット
LCCのメリット・デメリット LCC・ガイド

検疫官にたっぷりと怒られる
食品の持ち込みに厳しいオーストラリア

成田空港でカメラマンと荷物のパッキングをしている時、「これも入れといて」と何気なく渡されたおつまみを預け荷物のバックへ。

そんなことすっかり忘れて、入国カードの持ち込み申告のところは、事務的に「いいえ」をチャチャチャとチェック。

しかし、オーストラリアは食べ物の持ち込みにめっちゃ厳しいのです……。

案の定、別テーブルへ連れていかれ、荷物を開けられ、「これは何だ」と。

すいません、すいません、すいません。

謝っても、検疫官の金髪のお姉さんは許してくれず、もう立たされながら先生に怒られる小学生状態。

金:ここに食べ物を持ち込んではいけないと書いてありますよね? 肉、魚、ナッツ……。読めますか? 
寺:はい、読めます。さーせん。
金:では、このジャーキーは何でできてますか?
寺:ビーフです。さーせん。
金:これは何ですか?
寺:よくわかりません……。さーせん。
金:何で自分の買ったものがわからないの!
寺:(だって、越智さんのだもん…←心の声)たぶん、かまぼこです。
金:何でできてますか?
寺:魚です。さーせん。
金:これは何ですか?
寺:ナッツです。さーせん。
金:何で、この申告のところに「いいえ」と書いてるの?(申告カードをトントントン)
寺:忘れてしまいました。
金:忘れたですって! 正直に申告してくれれば良かったのよ! 私が言いたいのは、あなたが嘘をついたことなのよ。わかる?
寺:さーせん
金:あなた、オーストラリアは初めて?
寺:…何度か…
金:何度か! 前も嘘をついてたの?
寺:いや、あの、今回は忘れてしまいました。
金:忘れた?
寺:あ、いや、嘘を……さーせん
金:あなた、仕事は何?
寺:(いろいろ説明が面倒なので)オフィスワーカーです
金:何で、こんなにカメラ持ってるの⁈
寺:ダイビングで……
金:(他の人を呼び)この人、オフィスワーカーとか言ってるけど、カメラをたくさん持ってて変だわ。
寺:あ、いや、僕のオフィスはダイビングのwebをやってて、今回はその撮影もあり…
金:何で、最初っからそう言わないの!
寺:さーせん。あの〜、その~、セスナの時間がヤバイんですけど…
金:自分が悪いんでしょ!
寺:はい! そうです、そうです! 私が悪いんです。さーせん

30分以上、謝るしかない状況が続き…。

その後、検疫官のお姉さんが報告レポートをパソコンにまとめる間、これを読んでなさいとペーパーを渡され、こってり絞られたものの罰金はなく、おつまみも返してもらえたのですが、解放されたころには空港には自分ただ1人…。

オーストラリアの空港

やっと解放され、検査のなかった越智カメラマンから遅れることおよそ1時間。
待合場所へ行くと、越智カメラマンが「寺山君、どうしたの~」といえば、迎えにきていたダイブセブンシーズのゲンさんも「まあ、見るからにあやしいですからね」。
うう(泣)。

検疫官のお姉さんは、仕事をしっかりしただけで、悪いのは自分なわけですが、皆さん、オーストラリアの持ち込みは気をつけましょう…。
正直に申告さえすれば大丈夫なものも多いので(今回のおつまみは全部OKでした)、お姉さんの言うように正直に…。

楽しい旅行で嫌な思いをしないための必読マニュアル オーストラリアの検疫最新情報 [オーストラリア] All About

ミンククジラに逢いにきたのに、
ミンククジラのいない海へ!?

空港でダイブセブンシーズのゲンさんと合流し、いよいよミンククジラに逢いにクルーズ船「マイクボール」へ!
と、思いきやゲンさんが衝撃のひと言。

「え?テラさんも乗るの?」

「またまた~」と笑って返すも、「越智さんだけかと思っていました…」と顔が真剣。
「また…また…」ドッキリだと思いつつも、だんだん心配に。

しばらく難しい顔をしていたゲンさんでしたが、しばらくしたらニコッと笑って、「ま、じゃあ、テラさんはデイトリップでも楽しみましょっか」。

ま、そうしましょっか。って、バカ~(泣)

ということで、冗談ではなく、越智カメラマンをクルーズに見送り、ケアンズに一人残されることに。
まあ、今回は、3つのクルーズに乗る予定で、残り2つは乗れることになっているので、そっちで期待します。

マイクボールに乗った、ゲンさん&越智カメラマンがミンククジラに大当たりしますように……と心から言えない自分がいます(笑)。

デイトリップでぶらりと潜ります

とりあえず、ゲンさんに急きょ手配していただいたデイトリップに乗るため、こちらも急きょTUSA Diveのテルさんに手配していただいたホテルにチェックインするために急いでホテルへ。

しかし、フロントで「寺山では予約ありません」。

発音が悪いのかなと思って、「てるぁやぁ~むぁ」と言い直すと怪訝そうな顔をしたフロントから「スペルを言え」ともっともなサジェスチョンをいただき、スペルを伝えるもやはり予約されておらず。

仕方がないので、大きな荷物を抱え、慌ててデイトリップ船に乗り、水着を忘れたので「これ水着ですけど、何か」とパンツを水着然として船内を闊歩し、「とりあえず、これ使って」と渡された初めて使うカメラとハウジングを適当にセッティングし、Wi-Fiを見つけて、無理やり書きなぐったこの原稿を送信して、ミンククジラのほぼいない海へ今からエントリー。

とりあえず、水没しない自信がありません。

現場からは以上です。

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PROFILE
法政大学アクアダイビング時にダイビングインストラクター資格を取得。
卒業後は、ダイビング誌の編集者として世界の海を行脚。
潜ったダイビングポイントは500を超え、夢は誰よりもいろんな海を潜ること。
ダイビング入門誌副編集長を経て、「ocean+α」を立ち上げ初代編集長に。

現在、フリーランスとして、ダイバーがより安全に楽しく潜るため、新しい選択肢を提供するため、
そして、ダイビング業界で働く人が幸せになれる環境を作るために、深海に潜伏して活動中。

〇詳細プロフィール/コンタクト
https://divingman.co.jp/profile/
〇NPOプロジェクトセーフダイブ
http://safedive.or.jp/
〇問い合わせ・連絡先
teraniku@gmail.com

■著書:「スキルアップ寺子屋」、「スキルアップ寺子屋NEO」
■DVD:「絶対☆ダイビングスキル10」、「奥義☆ダイビングスキル20」
■安全ダイビング提言集
http://safedive.or.jp/journal
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