ミンククジラに逢いに行く!グレートバリアリーフ特集(2014.6-7)(第6回)

ミンククジラ3日目は現地クルーも絶賛する、過去最高にフレンドリーな遭遇!

オーストラリア、グレートバリアリーフのミンククジラ(撮影:越智隆治)

最終日、フィッシュアイのレンズで撮影しても、画面いっぱいいっぱいになるくらい、何度も近くまで来てくれたフレンドリーミンキー

ダイブセブンシーズが企画するMike BallのSpoil Sport号でのミンキークルーズが終了して、今現在、寺山編集長の待つケアンズに向けて、夜通し移動している最中だ。

ダイブセブンシーズMike BallのSpoil Sport号でのミンククジラクルーズ

3日間という短い日程で組まれているミンキークルーズ。

訪れる前は本当にそんな短い日程でミンキーに会えるのか、そして十分な撮影ができるのか?と疑問だらけだった。
だからこそ、この後、Deep Sea Divers DenのTAKA号、TUSA DiveのSpirit Of Freedom号と立て続けに乗船して、シーズン中のミンククジラとの遭遇の可能性を高める取材日程を組み立てていた。

が、しかし!クルーズ初日から、その不安を払拭するようなミンククジラとの遭遇は、3日目の最終日、GBRの人気ポイント、スティーブスボミーでも大爆発した。

本来、この時期にミンククジラと遭遇の可能性が高いのは、GBRのリボンリーフのナンバー8、9、10辺りのダイビングポイント。
2日目に潜ったライトハウスボミーなどが、その代表的なポイントだった。

スティーブスボミーは、リボンリーフのナンバー3に位置していて、どちらかと言うと、ミンキーシーズン初期の頃に、8、9、10などに北上するミンキーたちと移動途中に遭遇できるかどうかといった感じなのだとか。

初日、2日目だけでも、十分なくらい遭遇できていたのだけど、D7Sのゲンさんに、「スティーブス・ボミーで過去に会った事ありますか?」と尋ねると、「シーズンイン直後くらいに1〜2度」との答え。

「じゃあ、この3日間のクルーズで3日間連続で遭遇したことは?」とさらに尋ねると、「過去自分が乗船した10数回で、数回あります」との答え。
すでにシーズンイン直後では無いのだけど、会った事があるのなら「じゃあ、会いたい」と、人として、ダイバーとして、欲は膨らんでしまうもの。

しかし、あまり欲をかいてはいけないと心に言い聞かせ、朝の1ダイブを終了して、朝食を食べ終わり、サロンの窓から何気なく海を眺めていたら、突然ミンキーが浮上してきた。

「出た!まじ、ミンキー出た!」のんびりしていたゲストたちも一斉にダイブデッキへ。
あれだけ見ても、飽き足りない。
皆も、もう親しくなった友だちと会う感覚でスノーケリングの準備をして、早速海へとエントリー。

ロープにつかまって待っているとすぐに、3頭のミンキーが姿を見せた。

オーストラリア、グレートバリアリーフのミンククジラ(撮影:越智隆治)

最終日、3頭が同時に姿を見せてくれた。これでこのクルーズでの遭遇個体数は、20個体

そのうちの一頭が、初日のフレンドリーミンキー以上に接近してこちらの様子を伺いにやってきてくれる。

しかも、ロープの真下を舐めるように泳ぎながら、ほとんどのスノーケラーの近くをゆっくり泳いでくれた。
だから、写真も撮り放題!

オーストラリア、グレートバリアリーフのミンククジラ(撮影:越智隆治)

ロープの真下を舐めるように、泳ぎ、スノーケラーに興味を示す、フレンドリーミンキー

3時間ほどスノーケリングで堪能した後に、今度は皆ダイビングに切り替えて、安全停止バーや、船の前のモーリングのロープにつかまってさらに1時間程、ダイビングでのミンキー遭遇も堪能した。

オーストラリア、グレートバリアリーフのミンククジラ(撮影:越智隆治)

最初は、3隻のミンキークルーズ乗り比べの1番手の船だから、「何とかウェブマガジンの押さえの写真くらい撮影しておきたい」と乗り込んだ初日と違い、「次は、顔のアップ、次は船上からのブリーチング狙い、ダイバーやスノーケラー絡みも撮影したい」とバリエーションを考える余裕が持てる程に。

ゲストからは、「もう後の2隻乗らなくてもいいくらいじゃないですか?」と冗談まで言われてしまう程、ミンキーとの接近遭遇を満喫した。
それは、多くのゲストも同じ気持ちだったらしく、マイク・ボールのミンキークルーズは、値段も3日間の日程で2000オーストラリア、ドル程度と、どちらかと言うとビジネス、ファーストクラスのクルーズなのだけど、「こんなに会えちゃうんなら、全然安い!」と多くの人が口をそろえた。

長年ビデオクルーとして乗船しているスタッフが、水面で興奮して握手を求めてくるくらいの最高のエンカウンターで、今回のミンキークルーズは幕を閉じた。

どれだけ、心に余裕があったかと言うと、最後にミンキーと自分撮りしちゃおうと思っちゃったくらい。

オーストラリア、グレートバリアリーフのミンククジラとの自分撮り(撮影:越智隆治)

あまりに接近してくるので、つい撮影したくなってしまった、ミンククジラとの自分撮り

あまり上手に撮影できなかったので、自分撮りのクオリティーを上げることも、次のクルーズでの課題の一つに入れておこうっと。
・・・とすでに、まだまだ見れるとたかをくくり始めているが、やはり、野生の生き物。常に謙虚な気持ちで接しなくては・・・。

とにかく、あと2隻にも乗船して、ケアンズのガイドたちが口をそろえて、「ミンキー、シーズンさえ外さなければ、普通に会えますよ(どれだけ近よれるかは別にして)。クルーズでの水中遭遇率だけで言えば、ほぼ100%に近いです」と豪語していた、ミンククジラとの遭遇確率の高さを実証していきたい。

ただ一つの不安要素と言えば、次からは大物運からは結構な確率で見放されがちな、寺山編集長が一緒に乗船するって事だ。
よろしく頼むよ、編集長。

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PROFILE
慶応大学文学部人間関係学科卒業。
産経新聞写真報道局(同紙潜水取材班に所属)を経てフリーのフォトグラファー&ライターに。
以降、南の島や暖かい海などを中心に、自然環境をテーマに取材を続けている。
与那国島の海底遺跡、バハマ・ビミニ島の海に沈むアトランティス・ロード、核実験でビキニ環礁に沈められた戦艦長門、南オーストラリア でのホオジロザメ取材などの水中取材経験もある。
ダイビング経験本数5500本以上。
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