水中から見つめた東北の6年 ~東日本大震災3.11取材を振り返る~
2017年も東北取材に来ています。
今日はこれから三陸の気仙沼の水中を取材してきます。
その様子は報告会でお伝えします。
あれから6年。
3.11取材を時系列でまとめましたので、この機会に水中から見つめた東北をご覧ください。
2011年
水中ご遺体捜索
震災直後は、とにかく被災地にとって実際に何が役に立つのかというフェーズ。
多くのボランティアが現地入りしましたが、スキルを活かして水中ご遺体捜索をするダイバーたちが現れました。
2012年
それでも海を信じたい
その後、震災から1年が経ち、それまでの沈滞ムードから、ようやく皆さんが前を向いてきたように感じました。
しかし、人々の心情はさまざまで、前を向いている人、前を向けない人、前を向くことに抵抗がある人などさまざま。
なかなか、どの気持ちに寄りそうのが良いのか難しい状況でしたが、あえて海の力を信じる特集を組んだりしました。
2013年
帰って来たダンゴウオ
震災後はすっかり姿を見なくなってしまったダンゴウオが登場!
ダイバーに人気の、この東北の海の象徴が帰ってきたことは明るいニュースとなりました。
震災の傷跡が色濃く残りつつも、明るい兆しを見せる海。
東北の2つの顔を感じた取材となりました。
2014年
海水浴場を再オープン
勝又三成率いるボランティア団体TSUNAGARIの活動に密着。
「震災前のような三陸の海を取り戻す」ことを目標に掲げ、活動内容には、水中での瓦礫撤去・遺留品捜索、陸でも遺骨捜索、遺留品捜索、さらには地元の子供たちの「もう一度海で泳ぎたい」という声に応えるため子供たちと一緒に海水浴場再オープンを目指し、ビーチクリーン清掃を開始。
2013年の海の日に期間限定で海水浴場を再オープンさせた。
2015年
“新しい絆”で復興から振興へ
終わらない瓦礫撤去の一方、
「震災で失ったものは大きいが、新しく生まれたものもある」
これが現地の共通の思いでした。
そして、この新しく生まれた絆で、原状回復するだけでなく、さらに前に進んでいる段階であることも感じました。
漁業を協力して行なったり、ダイビングポイントがオープンしたり。
ダイバーが漁師、地元の方と協力し、地域振興に向かっている姿を見るのは、震災直後からは想像もできないことです。
復興から振興へ。
2015年に一番強く感じた現地の雰囲気です。
続く水中瓦礫撤去の先に見えてきたもの ~震災から4年の三陸ボランティアダイバーズ~
2016年
漁師がダイバーに!? 新しい絆の結実
まだまだ続く水中瓦礫撤去の現実がある一方で、ダイバーを楽しむ漁師の姿に感動しました。
協力し合った復興作業を通じて、漁師はダイビングを知るきっかけとなり、ダイバーは漁師の漁や文化に興味を持つように。
こうした、ある種の異文化交流が起き、交流人口が増えることにより、将来的には移住者が増え、漁の担い手が育つことが、ダイビングの社会貢献の形のひとつだと語る熊ちゃんの言葉が印象的でした。
そして、2017年
水中から“東北の今”をお届けします
今年も三陸ボランティアダイバーズをはじめ、水中の様子を定点観測する研究者に密着など、“東北の今”をお伝えします。