東日本大震災から7年 ~これからも海の視点から復興を目指します~
2万2千人以上が犠牲となった東日本大震災から7年。
ダイバーの力を結集し、水中がれき撤去を続け、海の視点から復興を目指してきた三陸ボランティアダイバーズ。
その地道な活動が評価され、先日、「日本復興の光大賞」を受賞しました。
また、ボランティア活動でできた絆を活かし、恋し浜ホタテデッキのオープン、綾里漁協のアンテナショップを花巻に出店するなど、経済活動への貢献など活動の幅を広げています。
「これからも海の視点から復興を目指してみなさまと歩んで行きたいと思います」という代表の佐藤寛志さん。
2018年もダイバーとして注目するとともに、活動に参加してみてはいかがでしょうか。
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確実に再興への道に進んでいる一方、避難生活を余儀なくされている方のまだ大勢いらっしゃいます。
さらに、世間の関心も薄れ、実質的な支援が減っている現状もあります。
風化させないためにも、水中から見つめたダイバーたちの復興活動を時系列で紹介します。
特に最初の記事はぜひ、読んでみてください。
1年後の同じ時期にドライスーツで潜った海。
「冷たいのではなく、痛かった。この海に飲み込まれたのか……」。
この感触は忘れられません。
2012年
それでも海を信じたい
その後、震災から1年が経ち、それまでの沈滞ムードから、ようやく皆さんが前を向いてきたように感じました。
しかし、人々の心情はさまざまで、前を向いている人、前を向けない人、前を向くことに抵抗がある人などさまざま。
なかなか、どの気持ちに寄りそうのが良いのか難しい状況でしたが、あえて海の力を信じる特集を組んだりしました。
2014年
海水浴場を再オープン
勝又三成率いるボランティア団体TSUNAGARIの活動に密着。
「震災前のような三陸の海を取り戻す」ことを目標に掲げ、活動内容には、水中での瓦礫撤去・遺留品捜索、陸でも遺骨捜索、遺留品捜索、さらには地元の子供たちの「もう一度海で泳ぎたい」という声に応えるため子供たちと一緒に海水浴場再オープンを目指し、ビーチクリーン清掃を開始。
2013年の海の日に期間限定で海水浴場を再オープンさせた。
2015年
“新しい絆”で復興から振興へ
終わらない瓦礫撤去の一方、
「震災で失ったものは大きいが、新しく生まれたものもある」
これが現地の共通の思いでした。
そして、この新しく生まれた絆で、原状回復するだけでなく、さらに前に進んでいる段階であることも感じました。
漁業を協力して行なったり、ダイビングポイントがオープンしたり。
ダイバーが漁師、地元の方と協力し、地域振興に向かっている姿を見るのは、震災直後からは想像もできないことです。
復興から振興へ。
2015年に一番強く感じた現地の雰囲気です。
続く水中瓦礫撤去の先に見えてきたもの ~震災から4年の三陸ボランティアダイバーズ~
2016年
漁師がダイバーに!? 新しい絆の結実
まだまだ続く水中瓦礫撤去の現実がある一方で、ダイバーを楽しむ漁師の姿に感動しました。
協力し合った復興作業を通じて、漁師はダイビングを知るきっかけとなり、ダイバーは漁師の漁や文化に興味を持つように。
こうした、ある種の異文化交流が起き、交流人口が増えることにより、将来的には移住者が増え、漁の担い手が育つことが、ダイビングの社会貢献の形のひとつだと語る熊ちゃんの言葉が印象的でした。
2017年
冷静な調査の重要さを痛感
2017年は、京都大学潜水チームの定点観測調査を取材。
科学の視点から、震災前と後での環境変化を報告会でレポートしました。
こちら、ダイバーの興味がとても高かったので、再度、ダイバーに聞いてもらえる場を考えています。