死なないためのダイビングスキル(第1回)

ダイバーは意外と死なない。でも意外と簡単にも死ぬ~“死なないためのダイビングスキル”連載スタート~

この記事は約3分で読めます。

はじめまして。
安良里ダイビングセンターの山中といいます。

“ダイバーは意外と死なない。でも、意外と簡単にも死ぬ”

ちょっと凄い表現ですが、ダイビング事故の事例を検証していて感じることです。

セブのダイバーの輪(撮影:越智隆治)

長年、初心者の講習や現地でのガイドを通じてダイバーを見てきましたが、「よく、こんな基本スキルができなくて死なずにダイビングを続けてきたものだ!!」と思うダイバーに出くわします。

ある程度経験を積んだ人でも「マスクに水が入るのは怖い」などと言っていて、聞いているこっちが怖い…。

そして、亡くなる時は、実にあっけない。

経験の少ないダイバーやブランクが空いたダイバーが事故を起こすのは、ストレスからのパニックが原因であることが多い。
パニックにさえならなければ、常識的な装備をして常識的な水深で潜っている限り、ゆっくり浮上しBCに空気を入れれば溺れることはまずありません。

トラブル→ストレス→トラブル→ストレス→そして何処かでパニック!

人は突然にパニックにはなりません。
ストレスが小さいうちに、その芽を摘むことが大切なのです。

ダイビングの講習において、ストレスの芽を摘むためのステップとしてのプール講習(コンファインド・ウォータ―)が重要であることはダイバーならだれでも想像がつきます。

コンファインド・ウォーターでストレスに対する対処を行わずに海に出されると、ちょっとしたマスク内に入った水でもパニックになり、急浮上→肺損傷→残念な結果(詳しい話は後の連載で)となってしまいます。
インストラクターが傍にいても急浮上を始めたダイバーを助けることはそうたやすくありません。

海で最低限度の自分の身を守るために、水中でパニックにならず、水面で浮力を確保できる力があれば、ダイバーは死なない。

  • 水面で自分を浮かす力
  • 顔に触れる水へのコントロール
  • 水中での呼吸のコントロール
  • エアーの管理
  • 性格的問題

オーシャナでは、上記のような“死なないためのスキル”を中心に(時々、脱線しつつ)連載していきます。

おまけ

こんなことを書いていると、僕がいる安良里で潜るとうるさいおやじ(僕)が出てきて「君のスキルや中性浮力が、あ~だ、こーだ」と言われそうな気がしますが、それは大きな誤解!です。

どんなにむちゃくちゃなダイビングスキルを駆使して私の横で潜っていても、死にそうにないなら、聞かれない限りは自分から「あーだのこーだの」と言いません。

なぜなら、新ネタを仕込むチャンス!
そ~っと横目で観察しているので、安心して潜りに来てほしいのです。

(編集部より)

2014年1月下旬、初心者ダイバーにも分かりやすい、死なないためのダイビングスキルについての講演会を都内で行う予定です。
詳細はまた後日告知いたします!

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PROFILE
九州は小倉に生まれ、法政大学アクアダイビングクラブでダイビングを始める。

学生時代からインストラクターになり、認定したダイバーは数千人、NAUI時代にコースディレクターとしてインストラクターも多数養成。

インストラクターの集まったNPO日本安全潜水教育協会(JCUE、ジェイキュー)会長、雑誌「月刊ダイバー」ではDUKEヤマナカとしてダイビングテクニックのアドバイザーなどなど、比較的スキルや安全のことに比重を置いて活動している。
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