死なないためのダイビングスキル(第6回)

スキルの面からオープンウォーターダイバーは何メートルまで潜っていいか

マスク無し呼吸ができる時間で最大水深が決まる!

ダイビング中に死なないための大切なスキルとして、マスククリアは水中で視界を確保するための大切なスキルですが、それ以上に大切なのはマスク無しでも落ち着いてレギュレーターから呼吸が出来ることです。

マスク無しでの呼吸をストレスなしにできれば、マスクに水が入った状態でも、落ち着いてパニックにならずに水面に浮上できるはずです。

セブ島のウミガメ(撮影:越智隆治)

PADIのOW講習では、1分間落ち着いてマスク無し呼吸が出来ることが条件になっています。

水深が18mなら、最大浮上速度毎分18m(=30cm/秒)で浮上すれば1分間で水面に戻れます。
水面に戻ってから、1~3回目のコラムで書いた水面で浮いていられるウエイト量やスキルを使えば溺れないはずです。

よくこんな質問を聞きます。
「OWダイバーですけど何メートルまで潜れますか?」

この答えは、「マスク無しで浮上できる深さ」までです。
(他の要因でもっと浅くなるかもしれません)

1分間しかマスク無し呼吸が出来ないなら、18mより深い所に潜るべきではありません。
36mに潜るなら 最低でも2分間マスク無し呼吸ができなければなりません。

減圧症の予防の観点から、現在主流の浮上速度は毎分10mです。
さらに5mで3分間安全停止が理想です。

では、浮上速度を毎分10mとし、5mで安全停止を3分間行ってから浮上するとして、水深ごとにマスク無し呼吸で浮上するのに必要な時間は、以下の通りです。

  • 10m=4分
  • 15m=4分30秒
  • 20m=5分
  • 25m=5分30秒
  • 30m=6分

前のコラムでも書きましたが、手順を踏んで練習すると、マスク無し呼吸はハードルの高いスキルではありません。
ぜひ落ち着いてマスク無し呼吸ができるように練習してください。

水中でマスクに水が入るのが“いやだな~”と思って潜るより、少しの練習で自信がついて、マスクに水が入っても、気にならない自信を持って潜ることの方が楽しいダイビングが出来るはずです。

大人なら自分の最大水深は自分で決める

浮上速度のコントロール力や減圧や過去の経験という他の要素はありますが、潜れる最大水深は自分のスキルを見つめてから決めるべきであり、指導団体の基準やインストラクターや先輩ダイバーが決めるものではなりません。
自分の限界はスキル的裏付けを持って自分の責任で決めてください。

「一緒に潜る人が納得しているから」というだけで最大水深を決めるのは、大人のアウトドアの遊び方ではありません。
スクーバダイビングは大人のアウトドアレジャーですからね!

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PROFILE
九州は小倉に生まれ、法政大学アクアダイビングクラブでダイビングを始める。

学生時代からインストラクターになり、認定したダイバーは数千人、NAUI時代にコースディレクターとしてインストラクターも多数養成。

インストラクターの集まったNPO日本安全潜水教育協会(JCUE、ジェイキュー)会長、雑誌「月刊ダイバー」ではDUKEヤマナカとしてダイビングテクニックのアドバイザーなどなど、比較的スキルや安全のことに比重を置いて活動している。